日本株(終了)日経平均は続落、景気敏感業種が安い-米対策を見極め

東京株式相場は午後にかけて下げ幅が拡大 し、続落した日経平均株価は終値で4営業日ぶりに1万5500円を下回った。 米国のサブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン問題の対策を見極め たいとして積極的な買いが手控えられる中、米景気減速が世界経済へ与える影 響が懸念された。商船三井をはじめとする海運や三井物産などの大手商社のほ か、コマツも急落するなど海外景気に敏感な市況関連株などがそろって安い。 為替相場が円高気味で推移し、トヨタ自動車やソニーなど輸出関連株も軟調。

安田投信投資顧問の礒正樹株式運用部長は、「米景気減速はすでに相場に 織り込んだが、クレジットクランチ(信用ひっ迫)が解消されなければリセッ ションに陥る可能性がある」との見解を示した。このため、ポールソン米財務 長官が提唱する政策面について、「どれだけ実効性のある内容かを見極める必 要がある」(同氏)という。

日経平均株価の終値は前日比148円78銭(1%)安の1万5480円19銭。 TOPIXは16.66ポイント(1.1%)安の1515.50と4日ぶり反落した。東 証1部の売買高は概算で19億4380万株、売買代金は2兆4122億円。値上が り銘柄数は302、値下がり銘柄数は1345。

東証業種別33指数の騰落状況は、値上がり業種が7、値下がり業種が26。 食料品、電気・ガス、情報・通信、サービスなどが高い。半面、卸売、機械、 電気機器、鉄鋼、銀行、輸送用機器、不動産が安い。

午後は下値模索、米国への不安と期待

朝方の一時的な上昇場面でも売買高は一向に盛り上がらず、その後はじり 安展開となった。今週に入って相場はこう着ムードを強めており、前日比でプ ラスとマイナスが錯綜する状況。米景気への不透明感が買い手不在につながっ ている。安田投信の礒氏は、相場こう着の背景として「金融政策に比べて景気 への即効性が高い米政府の対策待ちで、ショートが振りにくい一方、景気実勢 からはロングにも傾けにくい」点を挙げる。

米景気や企業業績には、不透明感が強まっている。サンフランシスコ連銀 のイエレン総裁は3日、金融市場の環境と個人消費は、過去1カ月に同総裁が 予想していたよりも「大きく悪化した」との認識を示した。シティグループの アナリストがゼネラル・エレクトリックの利益見通しを下方修正するなど、サ ブプライム問題の余波で企業業績にも不安が高まっている。

来週のFOMC(米連邦公開市場委員会)で利下げが行われれば日米金利 差の縮小につながるとあって、為替の先行きも引き続き不安視されている。大 和証券投資情報部の保志泰上席次長によると、「企業収益に対する弱さを指摘 する声がある中、リバウンドの動きが継続するのは難しい」ようだ。

日経平均は7月高値後の調整局面で25日移動平均線に2回跳ね返される など、上値を抑える役目を果たしている。午前も25日移動平均線(3日時点 で1万5685円)の直前である一時54円高の1万5683円で失速、上値の重さ が意識された。積極的な買いが手控えられた結果、売買高は3日ぶりに20億 株割れとなり、売買代金は先週平均を13%下回った。

市況関連株が下落率上位に

市況関連株が軒並み安となり、東証1部業種別下落率で上位を占めた。海 運が同トップとなったほか、卸売、鉄鋼、非鉄金属などに売りがかさんだ。米 国景気減速の影響が新興国にも波及するとの懸念が売り材料となっており、市 況関連との連動性が高いコマツは7.1%安、日立建機は5.9%安となるなど機 械株の下げも目立ち、機械はTOPIX下落寄与度で卸売に次ぐ2位だった。

特に下げのきつかったのが海運で、商船三井が6%超の下落、川崎汽船が 7%安となったほか、新和海運や飯野海運なども急落した。ポーラー・キャピ タル・パートナーズの小西俊生調査部長によれば、「景気敏感株の中で一番懸 念があるのは、投機的資金が多く流入した海運株と非鉄金属株」という。

一方、バルチック取引所のマイケル・ドレートン会長は11月30日にムン バイで開催された会議でのインタビューで、穀物や石炭、鉄鉱石などの商品を 輸送するばら積み船の運搬レートが、2008年にピークに達するとの見通しを示 した。インタビュー記事は、ブルームバーグ・ニュースが4日に配信。海運株 にとって悪材料と受け止められたという。

市況関連株は好業績銘柄が多いことから機関投資家のアクティブ運用のポ ジションも大きいとされており、「解約などでポジションの解消が進むと需給 面でも売り圧力が強まりやすい」(安田投信の礒氏)との声が出ている。

堀場製が大幅安、メガトプ株は反落

個別では、業績上振れ期待が後退している堀場製作所が大幅安となったほ か、モルガン・スタンレー証券が目標株価を引き下げた旭化成や日本ゼオン、 CLSAアジアパシフィック・マーケッツが目標株価を引き下げたSUMCO も大きく売られた。期待の新業態「眼鏡市場」の販売が11月に会社想定を下 回ったメガネトップは反落。

ディフェンシブが堅調、クミアイ化は急騰

景気敏感業種に対する売りが強まった一方で、外部環境や企業業績への不 透明感から、景気動向に左右されにくいとされるディフェンシブ関連株は終日 堅調だった。JTが続伸するなど東証1部業種別上昇率で食料品株が首位とな り、東京ガスや関西電力などの電気・ガス株、JR東日本を筆頭とする陸運株 なども上昇率上位に続いた。

07年10月期業績予想を上方修正したクミアイ化学工業が急騰。株式交換 でサイトサポート・インスティテュートを完全子会社化するシミック、JPモ ルガン証券が新規に「オーバーウエート」(目標株価を300円)とした東京製 綱も上げが目立った。クレディ・スイス証券が投資判断を引き上げたコーセー は3日続伸。

このほか、米イーベイとオークション分野で提携するヤフーは午前は大幅 上昇となったが、手続きが煩雑なオークションユーザーが大幅に伸びるとは考 えにくいとの指摘もあり、結局は前日比変わらずで取引を終えた。

新興市場は反落、外為取引会社は堅調

国内の新興3市場は反落。個人投資家の心理動向を左右するヤフーの人気 化とソフトバンクの上昇に伴って午前は買い先行となっていたが、連騰後で売 りが出やすいとあって、両銘柄が伸び悩むとともに指数はマイナスに沈んだ。 ジャスダック指数の終値は前日比0.05ポイント(0.07%)安の75.39と8日 ぶりに反落。東証マザーズ指数は9.05ポイント(1%)安の911.58と反落し、 大証ヘラクレス指数は11.32ポイント(0.9%)安の1319.65と7日ぶりに安 くなった。

個別では、楽天、テレウェイヴ、インテリジェンス、ミクシィ、ゼンテッ ク・テクノロジー・ジャパンが下げた。半面、イー・ギャランティ、ディー・ エヌ・エーは上げた。業績増額修正のマネーパートナーズが急騰、マネースク ウェア・ジャパンも上昇するなど、外国為替証拠金取引サービス2社はにぎわ った。

-- 共同取材:PATRICK RIAL Editor:Shintaro Inkyo

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