日本株は下落、海運や機械など景気敏感株に売り-米実勢不安(2)

午前の東京株式相場は下落。米国景気の減 速による需要減少が懸念され、商船三井をはじめとする海運や三井物産などの 大手商社、鉄鋼といった景気すう勢に敏感な市況関連株がそろって売られた。 コマツが5.4%安と急落するなど機械株も安い。為替相場がやや円高で推移し たことで、トヨタ自動車やソニーなど輸出関連株も軟調。

ポーラー・キャピタル・パートナーズの小西俊生調査部長は、「米国経済 に対して強気の見方をするのは難しい」とした上で、米景気は景気減速という よりも、「景気後退になるかも知れない」(同氏)と警戒した。

午前の日経平均株価は前日比78円69銭(0.5%)安の1万5550円28銭、 TOPIXは8.96ポイント(0.6%)安の1523.20。東証1部の売買高は概算 で8億4083万株、売買代金は1兆330億円。値上がり銘柄数は431、値下がり 銘柄数は1157。

東証業種別33指数の騰落状況は、値上がり業種が10、値下がり業種が23。 情報・通信、食料品、電気・ガス、証券・商品先物取引などが高い。半面、機 械、卸売、鉄鋼、電気機器、輸送用機器、化学、不動産が安い。

買い続かず、イエレン総裁発言

取引開始直後には内需関連株を中心に上昇する場面も見られたが、買いは 継続しなかった。サンフランシスコ連銀のイエレン総裁は3日、金融市場の環 境と個人消費は、過去1カ月に同総裁が予想していたよりも「大きく悪化し た」との認識を示した。米国株は利下げ期待が株価の下支えとなる一方、日本 株にとっては「米利下げは円高リスクの恐れがある」(日興コーディアル証券 の橘田憲和ストラテジスト)とされた。

日経平均は7月高値後の調整局面で25日移動平均線に2回跳ね返される など、上値を抑える役目を果たしている。午前も25日移動平均線(3日時点 で1万5685円)の直前である一時54円高の1万5683円で失速、上値の重さ が意識された。大和証券投資情報部の保志泰上席次長によると、「企業収益に 対する弱さを指摘する声がある中、リバウンドの動きが継続するのは難しい」 といい、バリュエーションの低さを除けば積極的に上値を買う材料に乏しく、 売買代金も低水準だった。

市況関連株が下げる

下げのきつかったのは市況関連株だ。海運株が東証1部業種別下落率トッ プとなったほか、鉄鋼が2位、石油・石炭製品が4位、卸売が5位、非鉄金属 が6位と軒並み上位を占めた。米国景気減速の影響が新興国にも波及するとの 懸念が売り材料となっている。このほか、市況関連との連動性が高いコマツは

5.4%安、日立建機は4.6%安となるなど機械株の下げも目立ち、機械はTOP IX下落寄与度で首位だった。

特に個別では海運株の下げが大きく、商船三井が4%超、川崎汽船が5% 近い下げで、新和海運や第一中央汽船は東証1部値下がり率上位に入った。ポ ーラー・キャピタルの小西氏は、「景気敏感株の中で一番懸念があるのは、投 機的資金が多く流入した海運株と非鉄金属株」と強調していた。

博報堂DYが安値

個別では、テレビや雑誌など4媒体の売り上げが落ち込む中、モルガン・ スタンレー証券が投資判断を引き下げた博報堂DYホールディングスが年初来 安値を更新。期初の3月から11月までの9カ月間累計売上高が前年同期比マ イナスとなっているポイントは7営業日ぶりに反落した。モルガン・スタンレ ー証券が目標株価を引き下げた旭化成や日本ゼオン、CLSAアジアパシフィ ック・マーケッツが目標株価を引き下げたSUMCOも安い。

ディフェンシブ関連堅調、ヤフーは大幅続伸

半面、国内外景気の不透明感を背景として、景気動向に左右されにくいデ ィフェンシブ関連株は堅調だった。NTTやソフトバンクなど通信株のほか、 JTやアサヒビールなどの食品株、東京ガスや東京電力といった電気・ガス株 も高い。

このほか、米イーベイとオークション分野で提携するヤフーは、オークシ ョンサービスが活性化するとの期待感から大幅続伸。07年10月期業績予想を 上方修正したクミアイ化学工業は東証1部値上がり率2位となり、JPモルガ ン証券が新規に「オーバーウエート」(目標株価を300円)とした東京製綱は 同3位とそれぞれ急騰した。株式交換でサイトサポート・インスティテュート を完全子会社化するシミックは急伸し、年初来高値に接近。

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