日本株は小幅下落へ、信用収縮懸念で銀行株が安い-為替警戒も(2)

東京株式相場は小幅に下落する公算が大き い。米金融機関に対する収益懸念やサブプライム(信用力の低い個人向け)住 宅ローン関連の追加損失不安が高まりそうで、銀行株に売りが増加する見通し。 米景気指標の軟調や為替相場への警戒から、輸出関連株も軟調が予想される。

東海東京調査センターの矢野正義シニア・マーケットアナリストは、「ポ ールソン財務長官による住宅ローン対策への期待が後退しており、金融株は要 注意だ」との見方を示した。さらに米景気減速やアラブ首長国連邦(UAE) の通貨切り上げ観測から、「為替動向をにらむ動きとなりそうだ」と指摘した。

シカゴ先物市場(CME)の日経平均先物12月物の3日清算値は1万 5635円で、大阪証券取引所の通常取引終値(1万5700円)に比べて65円安だ った。

米金融株に業績懸念、LIBORも高水準

3日の米国株市場では、債券市場の低迷が第4四半期利益を圧迫するとの 見方からドイツ銀行が米証券4社の利益見通しを引き下げた。ポールソン米財 務長官が主張するサブプライム住宅ローン金利に関する新計画について、バー クレイズやUBSのアナリストらがこの新計画が住宅ローン担保証券の押し上 げにそれほど効果がない可能性も指摘。S&P500種の業種別では金融株指数 が前営業日比1.2%下落した。

また、格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは、ストラク チャード・インベストメント・ビークル(SIV)と呼ばれる運用会社が発行 した証券1050億ドル(約11兆6000億円)相当の格下げを検討。金融機関の 損失拡大が懸念される状況となった。3日のロンドン短期金融市場ではポンド 建て1カ月物LIBOR(ロンドン銀行間貸出金利)が先週末比63ベーシス ポイント(bp、1bp=0.01ポイント)上昇し、6.72%と1998年12月以来の高 水準に達した。

海外での金融株に対する収益懸念は海外投資家のリスク許容度の低下とな って、きょうの東京市場でも銀行株安につながる懸念がある。米国の預託証書 (ADR)市場では、みずほフィナンシャルグループが3日の東京市場終値比

1.2%安、三井住友フィナンシャルグループは1.6%安、三菱UFJフィナンシ ャル・グループは0.5%だった。

米主要株価3指数の終値は、S&P500種株価指数が前週末比8.72ポイン ト(0.6%)安の1472.42、ダウ工業株30種平均は57.15ドル(0.4%)安の

13314.57ドル、ナスダック総合指数は23.83ポイント(0.9%)安の2637.13。

UAE切り上げ観測、ドル安要因くすぶる

4日付の日本経済新聞朝刊によると、通貨ディルハムの対ドル相場を10 年ぶりに切り上げる可能性を表明したと報じた。切り上げ幅は3-5%を軸に 調整中という。東海東京調査の矢野氏は、「ドル安要因が増えていることで円 高への懸念がくすぶりやすい」と見ており、米景気懸念とともに輸出関連株の 上値を重くしそうだ。

米供給管理協会(ISM)が3日に発表した11月の製造業景況指数は

50.8(前月50.9)に低下。過去10カ月で最低となり、ブルームバーグ・ニュ ースがまとめたエコノミスト予想中央値と一致した。同景況指数で50は景気 の拡大と縮小の境目を示す。

ネットなど内需関連が支えに

半面、ネット関連株など業績堅調の内需関連が指数を下支えし、指数の下 げ幅も限定されそうだ。3日の東京株式市場では米国景気や為替動向への警戒 から輸出関連株が売られる一方、内需関連株は堅調な動きを示した。

ファンドクリエーションの木下晃伸インベストメントアナリストは、「全 体相場が軟調の中でも、パフォーマンスを上げることは可能」と強調。その代 表格として、「業績の伸びと株価下落で、割安感が高まったネット関連に注目 している」とした。4日付の日本経済新聞朝刊は、ネット競売のヤフーとイー ベイが提携すると報道。ヤフーやソフトバンクを中心に、ネット関連株に見直 しの動きが強まる可能性もある。

三越が下落見込み、フジクラは堅調も

個別では、11月売上高(速報ベース)が前年同月比3.4%減となった三越 が業績不透明感で安くなるほか、公募増資を発表したベリサーブが需給懸念か ら安くなりそう。

半面、07年10月期業績予想を上方修正したクミアイ化学工業、11月の既 存店売上高が前年同月比2.5%増と2カ月連続でプラスとなったポイント、11 月の既存店売上高が同18.6%増と24カ月連続でプラスを維持したメガネトッ プなどが業績評価から高くなる見込み。

上限1000万株(発行済み株式総数に対する割合2.7%)の自己株式を取得 するフジクラ、資産運用会社のスパークス・アセット・マネジメントによる株 式買い増しが明らかになった上新電機も、需給改善期待などから堅調が予想さ れる。

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