米国債、原油高で弱気相場入りか-10年債利回りがインフレ率に近づく

原油高が、インフレ率を米10年債利回り 以上に押し上げようとしている。米国債で2002年以来最良のリターンを謳歌 (おうか)してきた債券投資家には悪いニュースだ。

10年債利回りは先週、一時3.79%まで低下し消費者物価指数(CPI) の前年比上昇率3.5%まであとわずかに迫った。今まで、インフレ率が10年 債利回りを上回るたびに、米国債相場は急落してきた。1973年8月-75年8 月までと、79年1月-80年10月もそうだった。

投資家ジム・ロジャーズ氏は「70年代のようだ」と話す。同氏はシンガ ポールでインタビューに答え、現在の原油高は燃料費高騰が10年債利回りを 急上昇させた約30年前を彷彿(ほうふつ)とさせると語った。

ロジャーズ氏は「今は商品相場上昇とインフレの時代だ」として、「長期 国債は買わない。何年も下落相場が続くだろう。商品は投資家に米国債売りを 勧めている。インフレがまん延しているからだ」と語った。同氏は米国債相場 下落で利益の出るポジションを組んでいるという。

2005年にも、ハリケーン「カトリーナ」の影響で原油が1週間に8%上 昇し、インフレ率が10年債利回りを上回った。このときは、その後2カ月に わたり米国債相場が下落した。

70年代は10年債利回りが上昇し、81年までには12.4%と71年末の

5.89%から上昇していた。87年以来の平均では、10年債利回りはインフレ率 を3.8ポイント上回る。今年1-6月の平均は2.2ポイントだった。

キーフ・ブリュイエット・アンド・ウッズの債券共同責任者、E・クレー グ・コーツ氏は「これからのインフレは、これまでのものとは全く違うだろう。 インフレに関するニュースは悪化するだろう」と話した。

キャンター・フィッツジェラルドによると、先週の10年債(表面利率4 1/4%、17年11月償還)利回りは6ベーシスポイント(bp、1bp=

0.01%)低下し3.94%、価格は15/32上昇し102 16/32で終了した。

10月のCPIは前年同月比3.5%上昇と、06年8月以来の高い伸びだっ た。高水準のインフレにもかかわらず、投資家は安全を求めて米国債相場を押 し上げ、金利再投資を含めた米国債投資リターンは今年これまでで9%と、02 年の11.5%以来の好成績となっている(メリルリンチのデータ)。

住宅不況の波及とリセッション(景気後退)を恐れる米金融当局は9、10 月と利下げをしてきたが、インフレとの板ばさみで、3回目となる12月の利 下げは難しい判断となる。

米連邦公開市場委員会(FOMC)は10月31日の0.25ポイント利下げ の際にはインフレ懸念を強調した。一方、バーナンキ米連邦準備制度理事会 (FRB)議長は11月29日の講演で、信用市場の「動揺の再燃」によりリス クバランスが変動した可能性があると述べ、利下げ観測を高めた。

金利先物市場は、12月11日の少なくとも0.25ポイント利下げの確率を 68%織り込んでいる。

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