日本株は続伸へ、米住宅対策と円安で輸出上昇-法人統計を注視(2)

名実とも12月相場入りとなった東京株式 相場は、続伸しそうだ。先週末の米国で住宅ローン救済策の協議が明らかにな ったことや為替の円安傾向から、ホンダやコマツ、松下電器産業など輸出関連 株中心に買いが増加する見通し。取引開始前に発表される7-9月期法人企業 統計でも、外需堅調が再確認されれば後押し材料となる可能性がある。このほ か、増産観測による中期的な業績拡大期待から鉄鋼株も買い先行となりそうだ。

ドイツ証券の武者陵司副会長兼CIO(チーフ・インベストメント・オフ ィサーは、「政策総動員により、米サブプライム(信用力の低い個人向け)住 宅ローン問題の最悪期は過ぎつつある」と指摘。年内にも日経平均株価は1万 7000円に乗せてくるだろうと予測した。

シカゴ先物市場(CME)の日経平均先物12月物の11月30日清算値は 1万5790円で、大阪証券取引所の通常取引終値(1万5730円)に比べて60 円高だった。

住宅ローン救済策を協議

11月30日、ポールソン米財務長官は米国の住宅ローン担保物件差し押さ え急増に歯止めをかける対策を銀行と協議を行っていることが明らかになった。 サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローンの変動金利を一時的に固定 化する案も挙がっているという。ポールソン長官は12月3日に、住宅関連会 議で講演する予定。

政府が関与したサブプライムローン対策としては、すでに米財務省が仲介 となったストラクチャード・インベストメント・ビークル(SIV)救済のた めの基金(M-LEC)設立がある。今回の案に関して市場関係者の間では、 「問題の震源地に直接働きかける点で、より評価される」(野村証券金融経済 研究所の木内登英チーフエコノミスト)との声が出ている。

米経済専門テレビ局のCNBCは30日、米証券大手モルガン・スタンレ ーが、住宅ローン関連証券でさらに20億ドル(約2210億円)の評価損を計上 する可能性があると報じた。サブプライム問題に関する警戒は依然残るものの、 相次ぐ政策と米利下げ観測の高まりとともに米経済への依存度の高い輸出関連 株にとって過度の不安が後退すると予想される。

同30日の米主要株価3指数の終値は、S&P500種株価指数が前日比

11.42ポイント(0.8%)高の1481.14、ダウ工業株30種平均は59.99ドル (0.5%)高の13371.72ドル。半面、ナスダック総合指数は7.17ポイント (0.3%)安の2660.96だった。

円は対ドルで111円台に突入

一方、外国為替市場では円安の動きがさらに進んでいる。先週末のニュー ヨーク外国為替市場では円売りが拡大し、ドル・円相場は11月19日以来の1 ドル=111円台に突入した。米国の利下げ期待や政府の対策に対する期待から 株式市場が上昇したことで、投資家が円キャリートレードを加速している。週 明け早朝の東京時間でも111円を挟んで円が軟調な動きとなっており、採算改 善期待から輸出関連株にとってはプラス材料となりそうだ。

鉄鋼株に業績期待

3日付の日本経済新聞朝刊は、新日本製鉄、住友金属工業 、神戸製鋼所 の3社が2012年までに国内の粗鋼生産能力を合計7%増加させると報じた。 3社で2500億円前後を投じて、新日鉄君津製鉄所などの高炉計5基を大型化 し、高級鋼材を増産するという。同じく1日付の日本経済新聞朝刊によると、 日新製鋼は約180億円を投じて自動車部品などに使う特殊鋼を1割増産する。 相次ぐ生産能力の拡大見通しは、鉄鋼株に対する中期的な業績期待の高まりに つながりそうだ。

法人企業統計

なお、7-9月期の法人企業統計では、内需の低迷と外需の堅調ぶりが確 認される見通し。ブルームバーグ・ニュースの事前調査によると、設備投資は 前年同期比2.5%減が見込まれている。標本の抽出替えという特殊要因から大 幅な減少に転じた前回調査(4.9%減)からマイナス幅が縮小したもようだ。

ソニーや三菱重などが上昇か

個別では、エンターブレインが30日発表した11月ゲームハードの売上高 ランキングでプレイステーション3がWiiを上回ったソニー、次世代の小型 原子炉を開発するPBMR社への出資を南アフリカ政府が要請したと1日付の 日本経済新聞朝刊が報じた三菱重工業、カセイソーダを来年1月出荷分から値 上げすると1日付の日経新聞朝刊が伝えた東ソーなどが、業績期待から高くな りそう。

半面、30日のニューヨーク原油先物相場が1カ月ぶりにバレル当たり90 ドルを割り込んだことで、国際石油開発帝石ホールディングスなど資源株は軟 調となる懸念がある。第1四半期(07年8-10月)の連結純利益が前年同期 比48%減となった日本駐車場開発、9月中間期の連結純損失が5億600万円 の赤字と、従来計画の4億3700万円の赤字から拡大したジャルコなどは業績 失望売りが先行する見通し。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE