NY外為(30日):円とフランが約3年ぶり大幅安-キャリー取引復活

ニューヨーク外国為替市場では、 円とスイス・フランが下落。対ドルでは週ベースでほぼ3年ぶりの大幅 な下げとなった。世界の株価上昇で、投資家がキャリートレードを加速 していることが背景。

ドルは対ユーロで週間ベースでは8月以来の大幅な上げとなった。 バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長が29日の講演で、景気 てこ入れのために追加利下げを実施する可能性があることを示唆し、米 リセッション(景気後退)をめぐる市場の懸念が弱まった。また、ポー ルソン米財務長官は住宅の差し押さえ増加を抑制するために銀行と交渉 している。

バンク・オブ・ニューヨーク・メロンのシニア通貨ストラテジスト、 マイケル・ウールフォーク氏は「今週は株価が反発し、リスク回避姿勢 が弱まりつつある」と指摘した。さらに、「投資家は再び高利回り資産 にも資金を配分し始めており、以前のキャリートレードが復活しつつあ る。これは明らかに円には弱材料だ」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時現在、円は対ドルで前日比1.1%安の1ド ル=111円12銭。前日遅くは同109円93銭だった。ドルは円に対し週 間ベースで2.6%上昇と、04年12月10日で終わった週以来の大幅な上 昇となった。ドルは対ユーロでは前日比0.8%上昇し、1ユーロ=1.4629 ドル。週間ベースでは1.4%上げた。

円は主要16通貨中でニュージーランド・ドルとスイス・フランを除 くすべての通貨に対して下落した。円はブラジル・レアルに対しては前 日比0.6%安。オーストラリア・ドルに対しては同1.1%下落した。

株価堅調

株価はアジアと欧州、米国そろって上昇した。

スイス・フランは対ドルで前日比2.8%下落し1ドル=1.1325フラ ン。週間ベースでは05年3月25日に終わった週以来の大幅な下げだっ た。

ブラウン・ブラザーズ・ハリマンの上席通貨ストラテジスト、メ グ・ブラウン氏は「米利下げ見通しが市場の動揺を鎮めている」と指摘。 さらに、「しかしサブプライム(信用力の低い個人向け)関連資産の問 題が緩和するまではリスクは消滅しないだろう」と述べた。

円は月間ベースではドルに対し3.9%高、豪ドルに対しては10%上 昇した。世界の銀行がサブプライム関連証券でますます多くの評価損に 直面するとの懸念が背景だった。

米追加利下げ公算強まる

バーナンキFRB議長が29日、金融市場は変動の影響を大いに受け ていると述べた。これを受けて円は30日、下落した。

ドルはこの日、対ユーロで1ユーロ=1.4725ドル水準を突破して続 伸した。オンライン外為取引会社ゲイン・キャピタル傘下のフォレック ス・ドット・コムの為替チーフストラテジスト、ブライアン・ドラン氏 によると、同水準には損失限定のためのドル買い注文が置かれていた。 同氏はドルが対ユーロで1.4620ドルまで上昇する可能性があると指摘し た。

マン・グローバル・リサーチのシニア通貨アナリスト、マイケル・ マルピード氏(シカゴ在勤)は、「米経済がリセッションに向かってい るとの懸念から、これまではドルの下落が予想されていた」と指摘。さ らに、「今やバーナンキ議長が12月FOMCでの利下げの可能性を示唆 し、一方で政府は住宅ローンの借り手に対する救済策を検討している」 と述べた。

同氏は今後2週間でドルが対ユーロで1.45ドルに上昇すると予想し ている。

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