米国債(30日):反落、FRB議長発言で質への逃避が逆流(2)

米国債相場は反落し、財務省短期証券 (TB)利回りは上昇した。前日のバーナンキ米連邦準備制度理事会(FR B)議長が講演がリセッション(景気後退)回避のための利下げ示唆と受け止 められ、米国債は売られた。

安全資産の需要が減退し、3カ月物TB利回りはこの2週間以上で最大の 上昇に転じた。11月の米国債はサブプライム(信用力の低い借り手向け)住宅 ローンに端を発する損失懸念が深刻化するなか、1年間で最大の投資利益を記 録。ポールソン米財務長官は住宅差し押さえの抑制を目指し、大手銀行と協議 に入った。

スタイフェル・ニコラスの債券ストラテジスト、ジム・ディマージ氏(ボ ルティモア在勤)は、「連邦公開市場委員会(FOMC)から信用市場の現状 を直視した上で適宜対応するとの意思表示があった今となっては、質への逃避 の必要性は薄れた」と述べた。

キャンター・フィッツジェラルドによると、ニューヨーク時間午後2時 58分現在、10年債利回りは前日比3ベーシスポイント(bp、1bp=0.01ポ イント)上昇して3.99%。1カ月前は4.47%だった。10年債(表面利率

4.25%、2017年11月償還)の価格は1/4下げて102 10/32。

3カ月物TB利回りとLIBOR(ロンドン銀行間貸出金利)の格差 (TEDスプレッド)は3日ぶりに縮小して2%。前日は銀行間での融資敬遠 を背景に8月20日以来最大の2.16%に拡大していた。

3カ月物TB利回りは20bp上昇して3.16%。上昇率は今月13日以来 の最大だった。ドル建て3カ月物LIBORは5.13%と、13日連続で上昇し た。

2年債

2年債利回りは1bp上昇の3.04%。今月に入ってからの低下幅は 1989年6月以来最大の78bp。

MFグローバルの仕組み商品共同責任者、アンドルー・ブレナー氏(ニュ ーヨーク在勤)は、「市場では大幅な流動性と質のプレミアムが織り込まれて いたため、米国債相場はすでにどんな利下げ期待をも大きく先回りしてしまっ た」と指摘。「こうしたパニックがある程度解消されれば、流れは反転する」 と付け加えた。

メリルリンチの指数によると、11月の米国債は3.2%の投資利益を生み 出した。これは1995年5月の4.07%以来の好成績。当時は93年以来初めて の雇用減少で債券相場が上昇していた。

バーナンキ議長は29日、ノースカロライナ州シャーロットで講演し、 「ガソリン価格上昇と住宅市場の低調、信用環境の逼迫(ひっぱく)傾向、株 価下落という組み合わせは、今後数カ月の消費に幾分の向かい風となる公算が 大きい」と発言。また、「金融市場の動揺が再燃」したことによって、景気見 通しも過去1カ月に重大な影響を受けたとして、「米連邦公開市場委員会(F OMC)は景気見通しとリスクバランスに大きな変化があったかどうかを判断 しなければならないだろう」と述べた。

株式市場は「安堵」

ICAPのストラテジスト、ポール・ホーマン氏(ニュージャージー州ジ ャージーシティ在勤)はバーナンキ議長の発言について、「株式市場は若干、 安堵の余地を得た」と指摘。「従って米国債の魅力がやや薄れることになる」 と付け加えた。

シカゴ商品取引所(CBOT)で取引されるフェデラルファンド(FF) 金利先物相場からは、12月11日の次回FOMCで0.5ポイントの利下げが決 定する確率が34%に上昇したことがうかがわれる。一方、0.25ポイントの利 下げ確率は66%とされている。

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