日本株(終了)連騰、米利下げ期待続き鉄鋼など見直す-週間で5%高

東京株式相場は連騰。バーナンキ米連邦準 備制度理事会(FRB)議長の発言を受けて米国の利下げ期待が継続し、業況は 良好と見られながら、直近で売り込まれていた業種に見直し買いが入った。クレ ディ・スイス証券がセクター判断を弱気から中立に戻した鉄鋼株が高く、コマツ などの機械株、三井物産などの大手商社株が上昇。ばら積み船市況を示すバルチ ック海運指数が続落後の反転局面にあり、商船三井などの海運株も急伸した。東 証業種別33指数は、28業種が高い。

富国生命保険の櫻井祐記財務企画部長は、「鉄鋼は依然として買いのセクタ ーだ。中国などの競合先と比較して国内企業は優秀な技術を持っており、新興国 の経済成長の恩恵を受けると考えている。足元は沢山の日本株がかなり割安とな っている」と話した。

日経平均株価の終値は、前日比166円93銭(1.1%)高の1万5680円67銭。 週間ベースでは5.3%高となり、上昇率としては8月24日の週に記録した6.4% 以来の大きさだ。TOPIXは同17.41ポイント(1.2%)高の1531.88で終了。 東証1部の売買高は概算で26億1581万株、東証1部の騰落状況は値上がり銘柄 1229、値下がり406。

バーナンキ議長発言で期待増す

日経平均は小幅続伸した始まった後、上げ幅を徐々に拡大。日本時間午前9 時過ぎからシカゴ24時間電子取引システム(GLOBEX)指数が上昇に転じ、 一段高となったことに合わせ、日本株も先物主導で押し上げられた。10月19日 に割り込んで以来、1度も上抜けていない投資家の中期的な平均売買コストであ る25日移動平均線(1万5720円)を一時上回った。

米国の利下げ期待が前日から高まっている。ブルームバーグ・プロフェッシ ョナルでFF金利の先物相場から算出、市場が織り込むFRBの利下げ度合い (30日時点)を見ると、12月11日のFOMCで4.5%から4.0%に0.5%引き 下げるとの見方が30%と、1週間前の4%から急増している。0.25%の引き下 げは70%となっている。

こうした中、バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長は日本時間 30日午前、ノースカロライナ州シャーロットで講演し、注目されていた議長の 発言内容が東京市場にも伝わった。同議長の発言は、前日に利下げ観測を引き起 こしたコーン副議長の発言内容と似たものであり、投資家は12月11日に開催さ れる米FOMC(連邦公開市場委員会)での追加利下げの可能性を読んだ。

ビスタマックス・ファンド・アドバイザーズの藤原正邦CEOによると、 「米利下げ期待が高まっている中、流動性が戻ってきており、次のFOMC(連 邦公開市場委員会)まで売り込めない。このため、これまで売られてきた業種を 買い戻さざるを得なくなっている」という。

市況関連の上げ目立つ

値上がりが目立ったのが鉄鋼、海運といった市況関連株。TOPIXの業種 別の値上がり率1、2位は鉄鋼、海運指数となった。東証1部の出来高上位には、 新日鉄、住友金属工業、神戸製鋼所が並び、東証1部の値上がり上位には、太平 洋海運や共栄タンカー、明治海運、第一中央汽船、乾汽船などが並んだ。

東証海運指数は直近高値を付けた10月29日から今月28日まで27%下落し ていた。バルチック海運指数は今月14日から27日まで10営業日連続で下げて いたが、28、29日と続伸して底入れ感が出てきた。SBIイー・トレード証券 の後藤多賀男アナリストは、「バルチック指数も下げたとは言え、依然として高 値圏で推移しており、中国からの輸送需要は相変わらず強い」と指摘した。

売買エネルギー盛り上がるも伸び悩み

売買エネルギーも盛り上がった。東証1部の売買代金は3兆1195億円と、 7営業日ぶりに活況と言われる3兆円を上回った。もっとも、午後の取引では指 数は伸び悩み。25日移動平均線を約1カ月ぶりに一時上回ったため、いったん 到達感が出やすかった。日経平均はこの2日間で600円以上上昇する場面もあっ ただけに、急ピッチの上げに対する警戒感も出やすかった。

タツタやスクリンが大幅高、食品安い

個別では、自社株買いを発表したタツタ電線や、ゴールドマン・サックス証 券が投資判断を引き上げた大日本スクリン製造が大幅高となった。200億円の協 調融資枠(コミットメントライン)の設定契約を取引金融機関との間で結んだと 発表したニチアスも買われた。

このほか、ゴールドマン・サックス(GS)証券が投資判断を引き上げたオ ハラのほか、スパークス・アセット・マネジメントが、保有目的を変更している ことが分かった日本風力開発が上昇した。

半面、JTなどの食品株、日本航空などの空運株、三井住友海上火災保険な どの保険株、上組などの倉庫・運輸株が売られた。

新興3市場はまちまち

国内新興3市場は高安まちまち。東証マザーズ指数、大証ヘラクレス指数は 前日終値を挟んでもみ合った。ジャスダック指数は取引終了間際に大口の買いが 入って上げに転じて終えた。ジャスダック指数は前日比0.1%高の75.03、マザ ーズ指数は同0.7%安の886.87、大証ヘラクレス指数は同0.1%高の1303.03。

ジャスダック市場では、平均販売単価の改善などで07年12月期は赤字幅が 縮小するユー・エム・シー・ジャパン(UMCJ)が大幅反発。JPモルガン証 券は29日付で新規に投資判断を「オーバーウエート(買い推奨)」としたリ ロ・ホールディングが続伸。大証ヘラクレス市場では、JPモルガン証券は29 日付で投資判断を「オーバーウエート」に新規格付けしたアパマンショップホー ルディングスがストップ高(値幅制限いっぱいの上昇)となった。インターネッ ト放送ビジネスの停滞などで通期の連結経常損益が赤字転落する見通しとなった オープンインターフェースが大幅反落した。

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