債券は小幅高、米債高や月末の需給が支え-長期や超長期債堅調(終了

債券相場は小幅高(利回りは低下)。前日 の米国債相場が上昇したことに加え、月末で年金基金などが保有債券の年限を 長期化させる買いを期待して高く始まった。その後は、日経平均株価が上昇す るにつれて、上げ幅を縮小させており、先物は午後に下げに転じる場面もあっ たが、現物市場での長期や超長期ゾーンの堅調な地合いが相場を支えた。

みずほインベスターズ・マーケットアナリストの井上明彦氏は、「利下げ 観測によって、きのう米国で債券高となった動きを直輸入している」としたう えで、「保有債券の年限を長期化させる買いが入ってくるという月末特有の要 因もある」と述べた。

東京先物市場の中心限月12月物は、前日比22銭高い137円18銭で寄り付 いた直後に137円22銭の日中高値を付けた。その後は徐々に伸び悩み、午前は 137円4銭で引けた。午後に入って株価が200円を超す上げ幅となると、12月 物はマイナス圏に転じ、一時は6銭安い136円90銭まで下げた。その後は小幅 なプラスに戻して137円前後で取引された。結局7銭高の137円3銭で引けた。

株式市場で日経平均は続伸。終値は前日比166円93銭高の1万5680円67 銭だった。朝の取引開始後から緩やかに上げ幅を拡大する展開で、午後に入る と237円高まで上昇した。その後、いったんは上げ幅を縮めたものの、堅調地 合いを維持した。

新発10年債利回りは1.465-1.47%

現物債市場で新発10年物の288回債利回りは、前日比2.5ベーシスポイン ト(bp)低い1.46%で寄り付いた。この寄り値を安値にして、その後は徐々に水 準を切り上げ、午後零時50分ごろに0.5bp低い1.48%まで低下幅を縮めた。3 時以降は1.465―1.47%で取引されている。

超長期債相場が堅調。新発20年債利回りは2.5bp低い2.05%、新発30年 債利回りは3bp低い2.295%にそれぞれ低下。月末日にあたり、投資家からデ ュレーション(保有債券の平均残存期間)長期化の買いが入ったもようだ。

5年債相場もしっかり。新発5年物の66回債利回りは、午後に入って

1.045%まで売られる場面があったものの、3時20分前後からは1bp低い

1.03%で取引されている。

10月の全国コアCPIは前年比0.1%上昇

朝方発表された10月の全国CPIは、生鮮食品を除くコア指数が前年比

0.1%上昇と、昨年12月以来10カ月ぶりにプラスに転じた。11月の東京都区部 コアCPIは同0.1%上昇。ガソリン価格の上昇など原油高が押し上げ要因とな った。

ブルームバーグ・ニュースの調査では、全国のコアCPIが前年比横ばい、 東京都区部のコアCPIは同0.1%上昇が見込まれていた。10月の全世帯消費 支出は前年比0.6%上昇、完全失業率は前月比横ばいの4.0%となった。

モルガン・スタンレー証券債券ストラテジストの伊藤篤氏は「CPIは、 予想と比べて振れにくい数字なので、若干のサプライズがあったと思う。ただ、 きょう出た有効求人倍率が予想より下げてきていることをみると、賃金上昇の 可能性がはく落してきているなかで持続的にCPIが上昇していくのかという と、疑問だ」と述べた。

一方、みずほ証券シニアマーケットアナリストの落合昂二氏は、「今回の プラス化はエネルギーがすべてという訳ではなく、幅広い品目の上昇によると ころも大きい」と指摘。商品全般の値上げが影響しているとして11月の全国コ アCPIが一段と上昇するとの見方を示し、「今後の注目点は身の回り品の値 上げが目立つ中で迎える来年の春闘。これまで以上に切迫感のあるものとなり そうであり、賃金の上昇に寄与しそうだ」と述べた。

米国市場は債券高、金融不安で「質への逃避」

29日の米国債相場は上昇。年末を控えた資金需要が高まるなか、銀行が貸 し出しを渋り、金融市場が混乱するとの懸念から安全な米国債へと資金が流入 し、3カ月物財務省短期証券(TB)利回りは8月以来初の3%割れとなった。

3カ月物TB利回りは7ベーシスポイント(bp)下げて2.96%程度。一時 は2.89%まで下げていた。10年債利回りは11bp下げて3.95%付近で取引され た。

バーナンキ議長、FOMCでリスクバランス変化か判断と発言

バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長は、講演で、「金融市場 の動揺が再燃したことによって、景気見通しも過去1カ月に重大な影響を受け た」として、「米連邦公開市場委員会(FOMC)は景気見通しとリスクバラ ンスに大きな変化があったかどうかを判断しなければならないだろう」と述べ た。

三菱UFJ証券シニア債券ストラテジストの長谷川治美氏は、「バーナン キFRB議長の発言は債券市場にとってポジティブな材料」としている。ただ、 「12月のFOMCでの追加利下げは市場のコンセンサスに近い形になっていた ため、意外感はなく、予想通り」と述べた。

AIG投信投資顧問ポートフォリオマネジャー、横山英士氏は、「インフ レとサブプライムローン問題からのリスクを明確に打ち出してきている。昨日 のコーン副議長発言もあり、しっかり対応していくのだろう。最悪期は脱しつ つある状況だという気がする」との見方を示した。

(債券価格)                            前日比      利回り
長期国債先物12月物         137.03      +0.07      1.676%
売買高(億円)              39573
10年物288回債              102.01               1.465(-0.02)

--共同取材:池田祐美   Editor:Hidenori Yamanaka, Masaru Aoki

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