午前の日本株は高値引け、鉄鋼や海運を買い戻す-米利下げ期待も続く

午前の東京株式相場は朝方のもみ合いの後、 取引後半にかけて上げ幅を拡大し、日経平均株価がこの日の高値で引けた。クレ ディ・スイス証券がセクター判断を弱気から中立に戻した鉄鋼株に見直し買いが 入り、コマツなどの機械株、三井物産などの大手商社株も高い。ムーディーズに よる格上げや、ばら積み船市況を示すバルチック海運指数が続伸したことを受け、 商船三井などの海運株も急伸。東証業種別33指数は、29業種が上げた。

ビスタマックス・ファンド・アドバイザーズの藤原正邦CEOは、「戻り歩 調は続く可能性が高い。米利下げ期待が高まっている中、流動性が戻ってきてお り、次のFOMC(連邦公開市場委員会)まで売り込めない。このため、これま で売られてきた業種を買い戻さざるを得なくなっている」という。

午前の日経平均株価終値は、前日比184円71銭(1.2%)高の1万5698円 45銭。TOPIXは同16.73ポイント(1.1%)高の1531.20。東証1部の売買 高は概算で10億1359万株。東証1部の騰落状況は値上がり銘柄1236、値下が り396。

GLOBEXが上昇転換

午前の日経平均は小幅続伸した始まった後、上げ幅を徐々に拡大。日本時間 午前9時過ぎからシカゴ24時間電子取引システム(GLOBEX)指数が上昇 に転じ、一段高となったことに合わせて日本株も先物主導で押し上げられた。10 月19日に割り込んで以来、1度も上抜けていない投資家の中期的な平均売買コ ストである25日移動平均線(1万5721円)にあと23円まで迫った。

大幅続伸につながったのは、前日から高まっている米国の利下げ期待だ。ブ ルームバーグ・プロフェッショナルでFF金利の先物相場から算出、市場が織り 込むFRBの利下げ度合い(30日時点)を見ると、12月11日のFOMCで

4.5%から4.0%に0.5%引き下げるとの見方が30%と、1週間前の4%から急 増している。0.25%の引き下げは70%。

日興コーディアル証券の大西史一シニアストラテジストは、「ヘッジファン ドの決算期末が一巡したことから、相場は戻りやすくなっている。次回の米FO MCまでは利下げ期待が高まりやすい」との見方を示した。

こうした中で、バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長は日本時間 30日午前、ノースカロライナ州シャーロットで講演し、注目されていた議長の 発言内容が東京市場にも伝わってきている。講演の中で同議長は、信用市場のボ ラティリティ(変動性)の高まりは景気の見通しに「影響を与えた」として、金 融当局は成長減速とインフレ加速の間のリスクバランスが変動したかどうかを、 判断しなければならないと話している。

海運の上げが目立つ

流動性をやや回復した投資資金は、これまで軟調だった業種に向かった。代 表例が海運株だ。TOPIXの業種別の値上がり率1位は海運指数で、東証1部 の値上がり上位には、太平洋海運や共栄タンカー、第一中央汽船、乾汽船、明治 海運、三井造船などが並んだ。

東証海運指数は直近高値を付けた10月29日から今月28日まで27.1%下落 していた。バルチック海運指数は今月14日から27日まで10営業日連続で下げ ていたが、28、29日と続伸して底入れ感が出てきている。

タツタやスクリンが大幅高、証券軟調

このほか、自社株買いを発表したタツタ電線や、ゴールドマン・サックス証 券が投資判断を引き上げた大日本スクリン製造が大幅高となった。200億円の協 調融資枠(コミットメントライン)の設定契約を取引金融機関との間で結んだと 発表したニチアス、平均販売単価の改善などで07年12月期は赤字幅が縮小する ユー・エム・シー・ジャパン(UMCJ)が買われた。

半面、野村ホールディングスなどの証券株、JTなどの食品株、日本航空な どの空運株、三井住友海上火災保険などの保険株が売られた。

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