10月失業率横ばい、改善足踏みで消費に影響も-家計支出は増加(2)

10月の完全失業率は前月比横ばいとなった。 原油価格上昇などの影響で中小企業の収益環境が悪化、人件費を抑制する動き もあり、雇用の改善に停滞感が出ている。同月の一世帯当たりの実質消費支出 は3カ月連続で増加したものの、雇用改善の遅れは個人消費にも悪影響を及ぼ しかねない。

総務省が30日発表した労働力調査によると、完全失業率(季節調整済み) は前月と同じ4.0%。男女別でみると、男性は4.0%と前月比横ばい。女性は3.9% と同0.1ポイントの低下だった。ブルームバーグ・ニュースの事前調査では、 41人の民間エコノミストは4.0%(中央予想値)を予測していた。

大和住銀投信投資顧問のチーフエコノミスト、大中道康浩氏は同日、ブルー ムバーグ・テレビに出演し、失業率について「内訳をみると、求人数が減少し、 雇用に少し変調が出てきている」と指摘。そのうえで「目先の景気展開を考える と、もう少し雇用は足踏み度合い強めていくとみている」との見方を示した。

一方、厚生労働省が同日発表した10月の有効求人倍率(1人当たりの求人の 割合、季節調整値)は1.02倍(前月は1.05倍)に低下した。エコノミストの事 前予想値は1.05倍。正社員の有効求人倍率は0.62倍で、前月と横ばいだったが、 前年同月を0.03ポイント下回った。

大中道氏は有効求人倍率に関して「レベル的に1.02倍ということで、1を超 えており、その意味では労働需給はしっかりしている」としながらも、「7月の

1.07から10月の1.02まで落ちているので、少し下ぶれてきている状況」と分析 している。

政府は11月の月例経済報告で、雇用情勢については「厳しさが残る中で、 このところ改善に足踏みが見られる」とし、判断を3年2カ月ぶりに下方修正 した。大田弘子経済財政相は27日、雇用判断悪化の背景として、零細・中小企 業で「原油高、素材高による収益の圧迫が雇用を下押ししている」との認識を 示していた。

雇用環境悪化で下ぶれも-消費支出

一方、総務省が30日発表した10月の家計調査によると、消費支出は29万 6984円で、前年同月比で実質0.6%増となった。前月比(季節調整済み)では 実質0.1%の増加。民間エコノミスト32人を対象にしたブルームバーグ・ニュ ースの調査では、予想中央値は前年同月比0.6%増だった。

大和住銀の大中道氏は「消費性向をみるとそれほど低い数字ではなく、消費 者も安いところでモノをみながら買っているという感じがするが、いかんせん所 得がそれほど伸びていないので、どうしても消費にはそれほど力強さが感じられ ないという状況だ」と指摘。

同氏はさらに、これまでは一人当たり賃金が伸び悩む中で、雇用者数が増え ていることで、何とか消費も底堅く推移してきたと説明したうえで、「今回の有効 求人倍率が低下したことにみられる通り、雇用者数が少し伸び悩むようであれば、 下振れ気味に消費が進んでいく可能性がある」との見通しを示した。

--共同取材:亀山律子    --Editor:Norihiko Kosaka、Hidenori Yamanaka

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