日本株は輸出中心に小反落へ、米個人消費悪化懸念-鉄鋼は買い(2)

週末の東京株式相場は小幅に反落しそうだ。 サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン問題による実体経済への影響 が警戒されている。前日に決算を発表した米百貨店最大手のシアーズ・ホールデ ィングスの業績は市場予想を下回り、米パソコンメーカーのデルの利益も予想か ら下振れた。個人消費の鈍化傾向が強まっていると受け止められ、トヨタ自動車 やシャープなどの輸出関連銘柄を中心に売りが先行しそう。一方、クレディ・ス イス証券がセクター判断を弱気から中立に戻した鉄鋼株は、見直しの動きから上 昇する可能性がある。

大和住銀投信投資顧問の門司総一郎チーフストラテジストは、「お化粧買い が入りやすい上、外国人投資家の買い戻しは続きそうだ」と指摘。一方で、「決 算を発表した米デルが時間外で売られており、国内の電機株には悪影響を及ぼし そうだ」(同氏)とも見ている。

シカゴ先物市場(CME)の日経平均先物12月物の29日清算値は1万 5585円で、大阪証券取引所の終値(1万5570円)に比べて15円高だった。

シアーズ、デルの決算は失望

前日に発表された米百貨店最大手のシアーズ・ホールディングスの2007年 8-10月期(第3四半期)決算は、アナリスト予想を大幅に下回った。シアー ズの株価は一時15%安と急落。ゴールドマン・サックスが08年に住宅担保ロー ンの焦げ付きが倍増する恐れがあるとの見方を示したことも重なり、個人消費の 悪化懸念が広がった。米主要株価指数は小幅に上昇したものの、米市場では値下 がり銘柄が値上がり銘柄を上回った。

米主要株価指数の終値は、S&P500種株価指数が前日比0.7ポイント (0.1%)高の1469.72。小幅ながらも、3日続伸は9月14日以来。ダウ工業株 30種平均は同22.28ドル(0.2%)高の13311.73ドル。ナスダック総合指数は 同5.22ポイント(0.2%)上昇し、2668.13で終了した。

また、米市場の時間外取引で発表された世界2位のパソコンメーカー、米デ ルの2007年8-10月(第3四半期)決算は、1株利益がアナリスト予想を下回 った。国内の販売受注が悪かったことは判明し、株価は時間外で一時6.3%安と なっている。

国内経済指標の発表が相次ぐ

国内では、取引時間前に経済指標の発表が相次ぐ。総務省は午前8時30分 に10月の消費者物価指数を発表する。ブルームバーグ・ニュースが事前に複数 のエコノミストに調査したところ、全国CPI(除生鮮)の予想中央値は前年比

0.1%増だった。前回9月の0%から改善する見通し。また同時間には10月の完 全失業率、10月の有効求人倍率、10月の家計調査が発表される。

大和住銀投信投資顧問の門司氏は、「完全失業率に注目している。さらに悪 化するようだと、国内景気の悪化に歯止めがかからないのではと見られてしま う」と話していた。

武富士が下落公算、新日石が上昇見通し

このほか材料の出た個別銘柄や業種では、米格付け会社スタンダード・アン ド・プアーズ(S&P)が格付けを1段階引き下げると発表した武富士とアイフ ルが軟調に推移しそう。ゴールドマン・サックス・グループが売りを推奨したこ とをきっかけにニューヨーク金先物相場が3日続落していることから、住友金属 鉱山などの非鉄金属株も下落する公算が大きい。

半面、家庭などで使う定置用燃料電池事業で、08年4月をめどに共同出資 会社を設立すると発表した新日本石油と三洋電機が上昇する見通し。30日付の 日本経済新聞朝刊で、台湾当局と次世代高速無線通信に使う端末の心臓部となる 半導体を共同開発すると報じられた富士通、独自ブランド「トップバリュ」の 24品目をきょうから値下げするイオンにも買いが先行しそうだ。

クレディS証は鉄鋼セクターを引き上げ

一方、クレディ・スイス証券は29日、鉄鋼セクターの投資評価を「アンダ ーウエート」から「マーケットウエート」に引き上げた。東京製鉄は「ニュート ラル」から「アウトパフォーム」、JFEホールディングス、日新製鋼を「アン ダーパフォーム」から「ニュートラル」に引き上げた。世界景気が大幅に減速し ない限り、日米欧では在庫循環的な鋼材需要回復が見込まれるという。

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