米国株:下落銘柄が多い、シアーズの減益を嫌気-ダウなどは上昇

米株式市場では下げる銘柄が多かった。 シアーズ・ホールディングスの減益決算のほか、ゴールドマン・サックスが 2008年に住宅担保ローンの焦げ付きが倍増する恐れがあるとの見方を示した ことが上値を抑えた。

シアーズ株は2年ぶりの安値を付けた。純利益がアナリスト予想を大幅に 下回ったことが売りを誘った。予想とのかい離はエドワード・ランパート氏が 2005年に同社を買収して以来で最大。米S&L(貯蓄・貸付組合)最大手ワ シントン・ミューチュアルも下げた。ゴールドマンが信用の質が悪化している と指摘したことが売りを誘った。CIBCワールド・マーケッツが目標株価を 引き下げたリーマン・ブラザーズ・ホールディングスも安い。

ニューヨーク証券取引所(NYSE)の騰落比率は2対3。小型株で構成 するラッセル2000種指数は0.5%下落した。一方、S&P500種株価指数は 前日比0.7ポイント(0.1%)高の1469.72となった。小幅ながら3日続伸 は9月14日以来。ダウ工業株30種平均は同22.28ドル(0.2%)高の

13311.73ドル。原油高を背景にエクソンモービルの上昇が寄与した。ナスダ ック総合指数は同5.22ポイント(0.2%)上昇し2668.13で終了した。

センティネル・アセット・マネジメント(バーモント州)で14億ドル規 模の資産運用に携わるダニエル・マニオン氏は「今はまだ個人消費の大幅な縮 小の始まりにすぎない。個人消費の原動力の1つになっていた住宅担保ローン は止まっていないが、いずれ反転するだろう」と述べた。

月間ベースの下落

S&P500種は今月に入り、5.1%下落しており、ダウ平均は4.4%下げ ている。JCペニーやスターバックス、フェデックスが収益見通しを下方修正 したため、リセッション(景気後退)に陥る可能性が意識された。

新規失業保険申請件数は市場予想を上回り、新築住宅価格の中央値は前年 同月比13%下落して21万7800ドルと、1970年以来で最大の下落率となっ た。

小売株の不調

シアーズは11%安。純利益は200万ドル、1株当たりで1セントと、ア ナリスト予想の53セントを大幅に下回った。

住宅関連用品小売り大手の米ホーム・デポは1.4%安と、ダウ平均の構成 銘柄で下落率首位となった。

産業別S&P500種株価指数の「小売り」は年初から14%下落している。 金融市場の混乱と住宅価格の下落により、個人消費が鈍化するとの懸念が背景 にある。ブルームバーグが23日に集計したアナリスト調査によれば、小売株 指数構成銘柄の2008年の収益見通しは平均で0.4%減と、全24産業中で最 も悪い。

ワシントン・ミューチュアルのほか、ファースト・ホライズン・ナショナ ル、ナショナル・シティ、フィフス・サード・バンコープ、サントラスト・バ ンクスも下落した。ゴールドマンは08年に住宅担保ローンの焦げ付きが倍増 する可能性があると指摘した上で、こららの銀行が業績へのリスクが最も大き いとの見方を示した。

信用市場の混乱

ゴールドマンのローリー・アップルバウム氏らアナリストは28日付のリ ポートで「過去1年に住宅担保ローンの焦げ付きが倍以上に膨らみ、返済遅延 が46%増加する中、住宅担保の質が引き続き悪化している」との見解を示して いる。

米リアルティトラックによると、10月に差し押さえ手続きが開始された住 宅物件は前年同期からほぼ倍増した。サブプライム(信用力の低い個人向け) ローンの借り手が変動金利(ARM)型住宅ローンの支払い負担増に対応でき なくなったことが背景にある。デフォルト(返済不履行)通知や競売通知、銀 行による担保権実行を含め差し押さえ手続きに入った物件は22万4451件と、 前年同月比で94%増加した。これは前月比では2%増加だった。

リーマン

リーマンも下落。CIBCワールド・マーケッツのアナリスト、メレディ ス・ホイットニー氏は28日付のリポートで、リーマンの目標株価を95ドルか ら79ドルに引き下げた。過去3週間に「信用市場の動揺が強まっている」こ とを理由に挙げた。併せて、リーマンの収益見通しも下方修正した。

経済指標

米商務省が29日に発表した7-9月期(第3四半期)の実質国内総生産 (GDP、季節調整済み、年率)改定値は前期比年率4.9%増と、過去4年で 最大の伸びとなった。10月の米新築一戸建て住宅販売(季節調整済み)は年率 換算72万8000戸と、ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予 想の平均(75万戸)を下回った。

24日に終わった1週間の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は、前週 比2万3000件増の35万2000件と、9カ月ぶりの高水準となった。ブルー ムバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想中央値33万人も上回っ た。

モルガン・キーガン(テネシー州)の株式トレーディング責任者、バート リー・バーネット氏は「雇用情勢が軟化しつつあり、再び個人消費の動向に注 目が集まっている」と指摘した。

エクソンモービルとコノコフィリップスがエネルギー株をけん引した。カ ナダ最大のパイプライン会社、エンブリッジのパイプラインで爆発があり、原 油相場が上昇したことが背景にある。

AT&Tは通信サービス株の上げを先導した。ランドール・スティーブン ソン最高経営責任者(CEO)は28日、カリフォルニア州サンタクララでの 会議で、米アップルが音楽機能付き携帯電話「iPhone(アイフォン)」 の第3世代(3G)版を2008年に投入するとの見通しを明らかにした。AT &TはiPhoneの米国での通信サービスを独占的に提供している。

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