NY外為:ドルが対ユーロで上昇、信用収縮の欧州への波及懸念で(2)

ニューヨーク外国為替市場では、 ドルが上昇。ゴールドマン・サックス・グループがドルの下落が終結し つつあると指摘した一方、銀行の貸し渋りが欧州に波及するとの懸念を 受けて、ドルはユーロとポンドに対しほぼ3週間ぶりの大幅な上昇とな った。

ドル建てとユーロ建ての1カ月物ロンドン銀行間貸出金利(LIB OR)金利が大幅上昇するなか、ドルが上げた。ゴールドマンは、銀行 の信用に応じたリスクプレミアムが縮小する可能性があり、ドルが安定 しようとの見方を示した。

テンパス・コンサルティング(ワシントン)のストラテジスト、マ ーク・メドウズ氏は、「ドル売りが今年は最も容易な取引の一つだった が、現時点では一方的な相場ではなくなっている」と述べた。さらに、 「サブプライム(信用力の低い個人向け)危機が拡大し、他国の中央銀 行も金利を据え置くか引き下げる必要に迫られる可能性が出ていること が明らかになり始めている」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時現在、ドルは対ユーロで1ユーロ=1.4739 ドルに上昇。前日遅くは同1.4841ドルだった。これは今月12日以来の 大幅上昇だった。ドルは対英ポンドでは1ポンド=2.0608ドルと、前日 の同2.0823ドルから上げた。ドルは円に対しては前日比0.2%下落し1 ドル=109円86銭。前日遅くは同110円3銭だった。

メドウズ氏は年末までにはドルが対ユーロで1ユーロ=1.45ドルに、 対円では1ドル=113円に上昇すると予想している。

ゴールドマンの見通し

米証券大手ゴールドマン・サックス・グループのチーフエコノミス ト、ジム・オニール氏は、ドルの下落が終局に近づいているとの見方を 示した。

オニール氏は英オックスフォード大学で28日遅く学生らを前に、 「ドルは非常に長期間にわたり下落している。個人的には、1年後には ドルはかなり上昇していると思う」と述べた。

同氏が率いるアナリストのグループはリポートで、「金融セクター の信用懸念が今後数カ月で徐々に緩和する」との見通しを示した。

カナダ・ドルは対米ドルで前日比1.2%下落の1米ドル=99.72カナ ダ・セント。政府報告で、カナダ・ドルの上昇が輸出を圧迫するなか、 同国の経常黒字が4年間で最低水準に減少したと明らかになったことが 嫌気された。

ドルの反発

TDセキュリティーズの主任為替ストラテジスト、ショーン・オズ ボーン氏は「現時点でドルが一段安となるシナリオはそれほど明確でな い」と指摘。さらに、「欧州でサブプライム問題に対する注目が高まり 始めており、英国やユーロ圏の金利低下を示唆している可能性がある」 と述べた。

同氏はドルが来週、対ユーロで1ユーロ=1.46ドルで推移すると予 想している。ブルームバーグがまとめた39人のアナリストとブロカーを 対象とする調査の予想中央値ではドルは来年6月末までに対ユーロでは 1ユーロ=1.44ドル、対円では1ドル=112円となるとみられている。

主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE)のド ル指数は前日比0.7%上昇し75.625だった。今月23日には74.484と73 年の統計開始以来の低水準を付けた。

バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長は29日、米東部時 間午後6時45分に講演する。28日にはコーンFRB副議長が12月11 日の次回米連邦公開市場委員会(FOMC)で信用市場のひっ迫を見極 める必要があると指摘した後、ドルは対円で1週間ぶりの高値を付けた。

円は29日、主要16通貨中の15通貨に対して上昇した。

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