米国債:上昇、3カ月物TB利回り3%割れ-「質への逃避」が加速(2)

米国債相場は上昇。年末を控えた資金需 要が高まるなか、銀行が貸し出しを渋り、金融市場が混乱するとの懸念から安 全な米国債へと資金が流入、3カ月物財務省短期証券(TB)利回りは8月以 来初の3%割れとなった。

1カ月物ドルLIBOR(ロンドン銀行間貸出金利)が急上昇し、この 10年以上で最大の上昇率となった。金利先物市場では来月の連邦公開市場委員 会(FOMC)で0.5ポイントの利下げが実施されるとの観測が台頭し、米国 債利回りを押し下げた。

メリルリンチのエコノミスト、キャスリーン・ボストジャンシク氏(ニュ ーヨーク在勤)は、「貸し渋りが本格的に見られるようになったのは7月だが、 これが今では深刻さを強め、広く拡大している」と指摘。「大規模な質への逃 避がみられる」と付け加えた。メリルはフェデラルファンド(FF)金利誘導 目標が2009年第2四半期末までに2%に低下すると予想している。

ニューヨーク時間午後4時現在、3カ月物TB利回りは7ベーシスポイン ト(bp、1bp=0.01ポイント)下げて2.96%。一時は2.89%まで下げてい た。10年債利回りは11bp下げて3.95%。

3カ月物TB利回りとLIBORの格差(TEDスプレッド)は12bp拡 大し、8月20日以来最大の2.16ポイント。当時はマネー・マーケット・フ ァンド(MMF)が米住宅市場に関連した資産を投げ売り、TBに資金を避難 させる動きが顕著だった。同金利差は今月に入って2倍以上に拡大し、銀行間 で資金の融通が敬遠されている状況をうかがわせている。

LIBOR上昇

英国銀行協会(BBA)によると、ドル建てLIBORは前日比40ベー シスポイント(bp、1bp=0.01ポイント)上昇し5.23%。これを背景に政 府債への買いが膨らんだ。銀行はこの日から、1カ月の銀行間取引で年末の資 金を手当てできる。

ドル建てLIBORは4.5%に設定されたFF金利誘導目標を72.5bp 上回り、9月18日以来の高水準となった。当日、連邦公開市場委員会(FO MC)は0.5ポイントの利下げを実施した。

RBCキャピタル・マーケッツの債券ストラテジスト、T.J.マータ氏 (ニューヨーク在勤)によれば、この金利差はコンピューターの2000年問題 によるシステム障害が懸念されていた1999年や、ロング・ターム・キャピタ ル・マネジメント(LTCM)の破たんが金融不安を招いた1998年に匹敵す る。

同氏は「あまり気持ちのよい感じではない」と語る。「今の市場の不透明 感はかなり深刻だ。単なる年末の流動性問題では済みそうもない」と述べた。

12月FOMC

シカゴ商品取引所(CBOT)で取引されるFF金利先物相場は、12月 11日のFOMCで0.5ポイントの利下げが決定するとの確率を34%として織 り込んでいる。前日は6%だった。一方、0.25ポイントの利下げの確率は 66%と、前日の94%から予想が後退した。

米国債相場の予想ボラティリティ(変動性)を示すメリルリンチのMOV E指数は27日に133.4に上昇。2003年9月以来の最高に達した。2-30年 物の米国債店頭オプション取引に基づく同指数は5月15日には統計市場最低 の51.2%を記録していた。

FTNファイナンシャルのポートフォリオ戦略担当上級副社長、ビンセン ト・ボバースキ氏は「確かにLTCM危機と似たような感触だ」と述べた。

メリルリンチによれば、11月の米国債の投資利益は2.74%と、2003年 9月以来の好成績を記録する勢いだ。年初来では8.61%と、2002年以来の高 い投資利益となる可能性が高い。

5年債利回りは前日比9bp下げて3.41%。米財務省が実施した5年債 入札(発行額130億ドル)の結果によると、最高落札利回りは3.415%と、前 回

入札(10月25日)の3.993%から低下した。投資家の需要を測る指標の応札 倍率は2.26倍と、前回の2.69倍を下回った。

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