日本株(終了)日経平均は15500円回復、米利下げ期待-午後伸び悩み

東京株式相場は大幅反発。日経平均株価の 終値は約3週間ぶりに1万5500円を回復した。前日のコーン米連邦準備制度理 事会(FRB)副議長の発言を受けて米国の追加利下げ期待が高まった上、為替 相場で円高修正が進み、TDKやアドバンテスト、ホンダといった輸出関連株中 心に幅広く上げた。ただ午後の取引では、29日以降の米国で重要な経済指標の 発表が相次ぐため、米景気の実勢を見極めようと伸び悩んだ。

日経平均株価の終値は、前日比359円96銭(2.4%)高の1万5513円74銭。 TOPIXは同38.83ポイント(2.6%)高の1514.47。東証1部の騰落状況は 値上がり銘柄が1449、値下がりは203。東証業種別33指数は31業種が上昇。

十把一絡げの売りは収束か

三菱UFJ投信株式運用部の高田穣ファンドマネージャーは、「米国次第の 状況は続いている。実体経済に影響が出てくれば、センチメントは再び悪化する だろう」と慎重姿勢は崩していない。一方で、「これまで十把一絡げで売られて きたが、自助努力で業績を伸ばしている企業もあり、投資のチャンスでもある」 (同氏)という。

日経平均株価は取引開始時から急伸。一時は400円近くの上昇となり、取引 時間中としては2週間ぶりに心理的な節目の1万5500円を上抜けた。もっとも 午後に入ると、高値圏でもみ合い、高安のレンジは約90円とこう着感を強めた。

米利下げ期待で株高、円高修正

朝方の上昇のきっかけとなったのが、米追加利下げ観測。コーン米FRB副 議長は28日、ニューヨークの外交問題評議会(CFR)で講演し、先行きの 「不透明感」は金融政策において「柔軟かつ現実的」に対応する必要性を意味す ると指摘。市場では、21日に発表されたFOMC(米連邦公開市場委員会)の 議事録で利下げ観測が後退していただけに、副議長発言を大きく好感した。同日 の米国株相場は、ダウ工業株30種平均の上昇幅は300ドルを超えるなど、金融 株中心に大幅高となり、朝方の東京市場もこの流れを引き継いだ。

米株式相場の大幅高を受け、外国為替相場ではドル買いが優勢。東京時間に 入ってからも流れは継続、円高修正は輸出採算性の好転期待につながり、輸出関 連株の上昇につながった。東京時間のドル・円相場は1ドル=109円85銭から 110円31銭付近(ブルームバーグ・コンポジット参照)で推移した。前日のニ ューヨーク時間では一時1ドル=110円47銭までドル高・円安が進行。前日の 東京株式相場の終了時間の1ドル=108円41銭から円安水準となった。

真空地帯を駆け上がる

それでも、相場のセンチメントが完全に好転してわけではない。上昇幅の割 には市場エネルギーが少なく、東証1部の出来高は19億4639万株と、活況の目 安とされる20億株を下回った。一方、日経平均先物12月物の出来高は10万 4068枚と、活況とされる10万枚を17営業日連続で上回った。「この水準は急 落局面で個人投資家に追い証(追加証拠金の差し入れ義務)が発生したため、戻 りを待った売りが出ない」(豊証券の菊池由文取締役)といい、商いが薄い中、 先物主導で真空地帯を駆け上がった格好だ。

丸和証券調査情報部の大谷正之次長は、「当面はサブプライム問題が実体経 済に及ぼしている影響具合と、その懸念を払しょくする経済政策の綱引きになり そうだ。不安は完全に払しょくされたわけではない」と指摘していた。

ダイエーがストップ高、値上げの明治乳も急伸

個別では、リーマン・ブラザーズ証券が投資判断を「アンダーウエート」か ら「オーバーウエート」に引き上げたダイエーや、ダイナシティの子会社化が寄 与し、9月中間連結純利益が従来予想を上回ったインボイスがストップ高。

ヨーグルトや加工乳・乳飲料など主要市乳商品を値上げすると28日に発表 した明治乳業が急反発。森永乳業、雪印乳業もそろって大幅高となった。また自 社株買いを発表したユーシンやトランス・コスモスのほか、大和総研が投資判断 を最上位に引き上げたTIS、富士通とATM事業で提携と29日付の日経新聞 朝刊に報じられたOKIが反発した。

アリババ・ドット・コムの上場に伴い、第3四半期(10-12月)連結決算 に計上する持分法による投資利益が約550億円になる見込みとなったソフトバン クも反発した。

半面、業績の先行き不安が広がっているテイクアンドギヴ・ニーズやゲオな どが続落し、需給軟化を懸念してUBS証券が投資判断を「SELL」に引き下げた 日本電波工業が安い。株式の立会外分売を12月3日から7日まで、25万株を上 限に行うと27日に発表している紙加工品メーカーのザ・パックは52週安値。

新興市場も堅調、マザーズは一時900ポイント回復

国内新興3市場は、ジャスダック指数が前日比1.1%高の74.99、東証マザ ーズ指数は同2%高の893.39、大証ヘラクレス指数は同1.4%高の1302.31。東 証マザーズ指数は今月6日以来、約3週間ぶりに一時900ポイントを回復した。 ミクシィが3週間ぶりに200万円を回復するなど、ネット関連銘柄の堅調な値動 きが続いている。

材料銘柄では、ジャスダック市場で自社株買いを発表したセントラルサービ スシステム、特別配当の実施を発表したSTEILAR C.K.Mがストップ高。 東証マザーズ市場では、1部昇格が発表されたセキュアード・キャピタル・ジャ パン、NECネクサソリューションに第3者割当増資を発表したドリコムが上昇 した。ヘラクレスでは、非接触型ICチップ「フェリカ」の国内浸透に向け、ソ ニーや大日本印刷、三井物産、丹青社などと共同でマーケティング会社を来年1 月に設立するぐるなびが続伸した。

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