ヘッジファンド運用報酬首位はポールソン氏-住宅市場は地雷敷設地帯

サブプライム(信用力の低い個人向け)住 宅ローン危機は、ヘッジファンドや投資銀行に極めて大きなダメージを与えた が、住宅ローン関連のクレジット・デフォルトスワップ(CDS)を中心に70 億ドル(約7712億円)超の資金を運用するヘッジファンド・マネジャーのジョ ン・ポールソン氏(51)にとっては、朗報だけをもたらしている。

ポールソン氏は2006年半ばから投資家に対し、熱狂的な住宅建設や住宅 販売について、バブル崩壊は近いと警告。住宅市場の暴落を見越して大きな賭 けに出ていた。こうした投資手法が07年1-9月期に実を結び、同氏が手掛け るクレジット・オポチュニティーズ・ファンドは平均でプラス340%のリター ンを上げた。

こうした好成績により、ポールソン氏が9月28日までの9カ月間に得た 運用実績に基づく成功報酬は、推定11億4000万ドルに上った。ポールソン社 のほかの8本のファンドの成功報酬も含めると、総額は26億9000万ドルとな り、同氏と共同運用担当者のパオロ・ペレグリーニ氏はブルームバーグがまと めたヘッジファンド・マネジャーの運用報酬ランキングでトップに立った。

ランキング2位は、ハービンジャー・キャピタル・パートナーズ(ニュー ヨーク)のフィリップ・ファルコン氏。同氏も住宅ブームは終わるとの見方に 基づき運用し、同期間に13億ドルの成功報酬を得た。

3位はルネッサンス・テクノロジーズのジム・シモンズ社長。シモンズ氏 はメダリオン・ファンド(運用資産60億ドル)の運用成果だけで3位の地位 を獲得した。同ファンドの9月28日までのリターンは50%超。

シタデル

ポールソン氏がヘッジファンド運用で得た報酬は、同氏よりも知名度が高 いシタデル・インベストメント・グループのケネス・グリフィン最高経営責任 者(CEO)の3倍。グリフィン氏の会社は160億ドルを運用している。ディ ストレスト資産の購入などが奏功し、同氏は1-9月期の8億3700万ドルの 成功報酬を得てブルームバーグのランキングで4位となった。

5位はアティカス・キャピタルの運用担当者のティモシー・バラケット氏 とデービッド・スレーガー氏。鉱業や運輸業界への投資で成功し、7億2000 万ドルの成功報酬を得た。

ポールソン氏は、住宅ローン関連資産のCDSの購入で素早く多額の投資 収益を上げた。同氏は住宅市場の流血は止まっていないと言う。10月に投資家 にあてた四半期報告書で、「全米の住宅価格はこれまで3%しか下落していな い」と指摘し、「住宅価格が可処分所得並みに戻るには、ピークから底入れまで に15-25%の値下がりが予想される」との見方を示した。

ポールソン社は合計12のファンドを運用しており、運用資産の合計は 236億ドル。クレジット・オポチュニティーズの投資家向け書簡では、ポール ソン氏の戦略が要約されている。ムーディーズ・インベスターズ・サービスや スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)などの米格付け会社による住宅ロ ーン担保資産の格付けに頼るよりも、ポールソン氏と同氏のスタッフは自ら証 券を徹底的に調べ、数千件の個別ローンの内容を吟味するという。

ポールソン社は第3四半期の報告書で、「投資先として証券を選別して いくことは極めて複雑で、初心者には事実上、地雷敷設地帯を歩くようなもの だ」と指摘。「格付け会社による不完全な格付けやウォール街の調査、既成の モデルに依存する投資家は必ず、痛い目に遭う」と警告した。

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