日経平均が15500円回復、米利下げ期待で大幅反発-円高修正も(2)

午前の東京株式相場は大幅反発し、日経平 均株価は約2週間ぶりに1万5500円を回復した。前日のコーン米連邦準備制度 理事会(FRB)副議長の発言を受けて米国の追加利下げ期待が高まり、米景気 と株式相場の先行きに対する過度の悲観論が後退した。外国為替相場では円高修 正も進み、キヤノンや松下電器産業、トヨタ自動車、ホンダといった輸出関連株 のほか、三菱UFJフィナンシャル・グループなどの銀行株中心に買われ、ほぼ 全面高の様相。

しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹投信グループ長は、「根本的 な解決にはならないものの、米景気が下支えされる可能性が出てきた」と指摘。 サブプライム(信用力の低い個人向け)ローン問題の影響で住宅市場が減速し、 実態経済の悪化が警戒されるものの、「利下げはその対処の1つとして効果があ る」(同氏)という。

午前の日経平均株価の終値は、前日比361円2銭(2.4%)高の1万5514円 80銭。TOPIXは同39.51ポイント(2.7%)高の1515.15。東証1部の売買 高は概算で9億1036万株。東証1部の騰落状況は値上がり銘柄数1481、値下が り172。東証業種別33指数は、鉱業や医薬品株を除く31業種が上昇。

コーン副議長が追加利下げ示唆

午前の日経平均株価は、取引開始時から急伸。買い一巡後、午前10時前ま では高値圏でもみ合う場面があったものの、その後は先物主導で一段高となり、 日経平均は一時約400円の上昇を見せた。今月15日以来、約2週間ぶりに心理 的な節目である1万5500円を一気に上抜けた。

きっかけとなったのが、米国の利下げ期待の高まりだ。コーン米FRB副議 長は28日、ニューヨークの外交問題評議会(CFR)で講演し、先行きの「不 透明感」は金融政策において「柔軟かつ現実的」に対応する必要性を意味すると 指摘した。21日に発表されたFOMC(米連邦公開市場委員会)の議事録で利 下げ観測が後退していただけに、投資家は副議長発言を大きく好感した。同日の 米国株相場はシティグループやリーマン・ブラザーズ・ホールディングスなどの 金融株中心に大幅高、ダウ工業株30種平均の上昇幅は300ドルを超えた。

東海東京調査センターの矢野正義シニアマーケットアナリストは、「これま で見えなかった米国の金融政策の先行きが見え始め、投資家の不安感が後退して いる」と指摘した。

一時1ドル=110円台

米利下げ期待は米景気悪化懸念の後退につながり、外国為替相場ではドル買 いが優勢。東京時間に入ってからもドル買われ、円高修正は輸出採算性の好転期 待につながり、日本株市場では輸出関連株の上昇につながった。TOPIXの上 昇寄与度2、3位は電気機器、輸送用機器。東京時間午前のドル・円相場は1ド ル=109円85銭から110円31銭付近(ブルームバーグ・コンポジット参照)で 推移している。前日のニューヨーク時間では一時1ドル=110円47銭までドル 高・円安が進行。前日の東京株式相場の終了時間の1ドル=108円41銭から円 安水準となっている。

市場エネルギー少なく先物主導

もっとも、上昇幅の割には、市場エネルギーは少ない。東証1部の売買代金 は1兆1972億円と、1日を通して活況と言われる3兆円には届かないペース。 これに対し、日経平均先物中心限月の12月物の出来高は5万3337枚と、活況の 目安となる10万枚を超える勢いで、商いが薄い中、先物主導で上げを加速した 側面が強かった。

ダイエーとインボイスがストップ高

個別では、リーマン・ブラザーズ証券が投資判断を「アンダーウエート」か ら「オーバーウエート」に引き上げたダイエーや、ダイナシティの子会社化が寄 与し、9月中間連結純利益が従来予想を上回ったインボイスがストップ高。

このほか、自社株買いを発表したユーシンやトランス・コスモスや、大和総 研が投資判断を最上位に引き上げたTIS、UBS証券が投資判断を新規に「買 い」とした電通が大幅高。富士通とATM事業で提携と29日付の日経新聞朝刊 に報じられたOKIが反発した。

アリババ・ドット・コムの上場に伴い、第3四半期(10-12月)連結決算 に計上する持分法による投資利益が約550億円になる見込みとなったソフトバン クも反発した。

半面、需給軟化を懸念してUBS証券が投資判断を「SELL」に引き下げた日 本電波工業が下落。東証1部の売買代金上位28社では、武田薬品工業とアステ ラス製薬の医薬品セクターのみが安い。

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