NY外為:円続落、対ユーロで1%安―株高でキャリー取引復活(2)

ニューヨーク外国為替市場では、 円が続落。ここ2日間の円の対ドル下落率は過去3年で最大だった。世 界の株価上昇で、円キャリートレードが復活したことが背景だった。ス イス・フランも下落した。

円とスイス・フランはともに、キャリートレードの投資先として選 好されるブラジル・レアルに対して最も下げた。コーン米連邦準備制度 理事会(FRB)副議長の28日の講演で追加利下げ見通しが強まったこ とから米株価が上昇し、投資家はキャリートレードを拡大した。

INGファイナンシャル・マーケッツの自己勘定取引ディレクター、 マシュー・カッセル氏(ニューヨーク在勤)は「世界的な株価上昇でリ スク志向とともにキャリートレードが誘発され、これが円の下落要因と なった」と指摘。さらに、「投資家は円売りのしっかりした動きを確認 し、乗り遅れないよう追随した」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時3分現在、円はドルに対して前日比1%下 落し、1ドル=110円10銭。前日とこの日の2日間の下落率は2004年 5月以来最大だった。円は対ユーロでも前日比1%下げ、1ユーロ=163 円30銭と続落した。

円は主要16通貨すべてに対し下落。なかでも、ブラジル・レアルに 対しては4.1%安となった。スイス・フランは対ブラジル・レアルで

3.8%下げた。

ドルはユーロに対しては前日比ほぼ変わらずの1ユーロ=1.4831ド ル。一時は前日比0.8%高となる場面もあった。

リスク志向復活

カリヨン証券のシニア通貨ストラテジスト、ジョナス・スリン氏は 「リスク志向が幾分戻りつつあるようだ」と指摘。同氏は投資家がキャ リートレードを継続すれば、円は対ドルで今週、1ドル=110円90銭に 下落し、来月には同115円まで下げる可能性があるとの見方を示した。

米株価は金融株主導で続伸。ここ2日間の上昇率は過去5年間で最 大だった。

過去1カ月間に円はドルに対し3.7%上昇、オーストラリア・ドル に対しては7%高、ブラジル・レアルに対しては4.3%上げた。サブプ ライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン関連の評価損に関する発表 を受けてS&P500種株価指数が約5%の大幅下落となったことが背景 だった。

金融分野の「波乱」

コーンFRB副議長がこのところの金融市場の「波乱」で法人向け および個人向け信用が収縮する可能性があると指摘し、追加利下げを予 想していることを示唆した。これを受けて円の下落が加速した。

午後2時にはFRBが地区連銀経済報告(ベージュブック)を発表。 この発表後、ドルは対ユーロでの上昇分を縮小した。ベージュブックは 「調査が実施された10月から11月中旬にかけて、景気は引き続き拡大 したものの、そのペースは減速した」と指摘。また、ベージュブックに よると、賃金圧力は「変わらず」。一方、食品とエネルギーを除く最終 財とサービス価格に対する圧力は「引き続き緩やかだった」。

フェデラルファンド(FF)金利先物相場は、12月11日のFOM Cで政策金利が4.25%に引き下げられる確率を100%とする市場の見方 を示唆している。

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