東京外為:円が反発、日本株反落と実需の買い需要で-108円台半ば

午前の東京外国為替市場では円が反発。 前日の海外市場では、米国株の上昇を背景にリスク回避姿勢の後退から1ドル =109円台前半まで円売りが進んだが、米国のサブプライム(信用力の低い個人 向け)住宅ローン問題に対する懸念がくすぶる中、国内実需筋の買い需要や日 本株の反落を受け、円は強含みの展開となった。

三菱東京UFJ銀行市場業務部の金成大介上席調査役は、ここ数週間、ド ル・円は投機筋の売買で動いているように見えるが、109円台などレンジの端は 実需筋がしっかりと抑えていると指摘。「株価が下がっていることもあるし、月 末が近づき、輸出企業もなかなかヘッジ比率が上がっていないため、どうして も円買いが出やすい」といい、きのうの海外でそれなりにドル買い戻しが入っ た後だけに、ドル・円には「ダウンサイド・リスクが残る」と話す。

円が109円台から反発

前日の海外市場では、米銀最大手シティグループに対するアブダビ投資庁 (ADIA)の出資受け入れなどを買い材料に米国株が上昇。外国為替市場で はリスク許容度の改善から円売りが優勢となり、ドル・円相場は1ドル=109円 15銭(ブルームバーグ・データ参照、以下同じ)と今月22日以来、3営業日ぶ りの水準まで円安が進んだ。

しかし、週初に107円台前半までのドル安を見ていただけに、「108円台後 半から109円台では、国内の輸出企業を中心とした戻り待ちのドル売り需要が 見込まれる」(UBS銀行東京支店外国為替部FXアドバイザー・牟田誠一朗デ ィレクター)といい、東京市場にかけては円が徐々に下げ幅を縮める展開。公 表仲値が設定される午前10時にかけては一時、108円36銭まで円が値を戻し、 その後は108円台半ばから後半でもみ合う格好となった。

ユーロ・円も海外時間に3営業日ぶり円安値となる1ユーロ=161円84銭 を付けた後、反転し、東京時間正午にかけては一時、160円59銭まで円が値を 切り上げた。

一方、ユーロ・ドルは1ユーロ=1.48ドル台前半と前日のユーロ安値圏で のもみ合いが続いた。

シティ増資好感もサブプライム懸念残る

メリルリンチ日本証券外国為替部の今泉光雄ディレクターは、アブダビ投 資庁によるシティへの出資について、「割安になっていたものには投資したい人 がいるということの証明」であるとし、「こうした動きが今後も続いていくよう であれば、今かなり悲観的に傾いている市場はいったん平常化する」とみてい る。

もっとも、市場では「金融システムの安定化を図るという意味で大きな話 だが、米国のファンダメンタルズ(経済の基礎的諸条件)が変わるわけではな い」(三菱東京UFJ銀・金成氏)との声もあり、サブプライム問題の影響度合 いを探るため、この日米国で発表される地区連銀景況報告(ベージュブック) や中古住宅販売が注目される。

ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト調査によれば、10月の 米中古住宅販売件数は前月比0.8%減の500万件が見込まれている。同じくこの 日発表される10月の耐久財受注については前月比0.1%減と、9月(同1.7% 減)から減少幅が縮小する見通し。

米民間調査機関のコンファレンス・ボードが27日発表した11月の米消費 者信頼感指数は87.3と市場予想を下回り、2005年10月のハリケーン「カトリ ーナ」襲来後の最低水準となった。また、07年第3四半期(7―9月)の米ス タンダード・アンド・プアーズ(S&P)/ケース・シラー住宅価格指数は前 年同期比で4.5%低下し、1988年の同指数算出開始以来で最大の低下率となっ た。

ベージュブックで利下げ動向探る

一方、ベージュブックは12月11日開催の米連邦公開市場委員会(FOM C)での議論の素地となるため、サブプライム問題や米国経済の状況について どのような報告がなされるかが注目で、「景気の先行き懸念に軸足を置いた内容 となれば、利下げ観測が補強され、ドル売り圧力につながる」(UBS銀・牟田 氏)と警戒されている。

金利先物市場動向によると、12月11日のFOMC会合でフェデラルファン ド(FF)金利誘導目標が0.25ポイント引き下げられる確率は98%となってい る。

28日午前の東京株式相場は米国株高を受け、小高く始まったが、その後、 失速。日経平均株価は前日比58円高まで上げた後、マイナス圏に沈んだ。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE