米シティグループ:アブダビ投資庁が8160億円出資へ-資本増強(2)

資産規模で米最大の銀行シティグループは、 アラブ首長国連邦(UAE)を構成するアブダビ首長国から75億ドル(約8160 億円)相当の出資を受ける。住宅ローン関連の損失に対応し、資本増強を図る。

ウィン・ビショフ暫定最高経営責任者(CEO)は26日遅く、アブダビの 政府系ファンドであるアブダビ投資庁(ADIA)からの投資について発表し、 「資本基盤の強化につながる」と述べていた。損失を嫌気して年初来46%下落 していたシティ株は27日、前日比1.9%高で終了した。

シティがADIAに売却する「エクイティユニット」はシティ株4.9%に転 換でき、年11%の配当が支払われる。この利率はシティ債のほぼ2倍で、シテ ィの資金需要の切実さがうかがわれる。同社は米国のサブプライム(信用力の 低い個人向け)住宅ローン関連の損失で、2007年10-12月(第4四半期)利益 が最大70億ドル押し下げられるとの見通しを示している。

ナショナル・バンク・オブ・アブダビ(NBAD)の調査責任者、ギヤス・ ゴケント氏は「サブプライム危機でシティの資本水準に問題が生じたことは明 らか」で、「ADIAは優良株に割安に投資する好機を得た」と述べた。

ブルームバーグ・データによると、4.9%の持ち分は米キャピタル・グルー プやサウジアラビアのアルワリード王子を上回り、ADIAはシティの筆頭株 主となる。

減配せず

損失の責任を取ったチャールズ・プリンス前CEOの辞任後に就任したロ バート・ルービン会長はゲーリー・クリッテンデン最高財務責任者(CFO) とともに、27億ドルの配当を減らすことなく08年4-6月(第2四半期)末ま でにシティの資本水準を自社目標まで回復させる方針を示していた。

住宅ローン関連の損失で、シティの資本の基本的項目(Tier I)の比率は 9月30日時点で7.3%となっていた。米規制当局が「資本が十分」な銀行と定 義する6%は超えているものの、シティの目標である7.5%には届かない。

ADIAが購入するシティのエクイティユニットは10年3月15日-11年 9月15日の間に、最大で2億3560万株のシティ株に転換される。転換価格は

31.83-37.24ドル。

27日のシティ株は56セント高の30.32ドルで終了した。26日は29.76ド ルと5年ぶり安値に落ち込んでいた。

ドイツ銀行で運用に携わるジョージ・ニカス氏(シドニー在勤)は、31.83 -37.24ドルでの転換という「合意の内容は、アブダビ側がシティ株に非常に強 気なことを示唆している」と話した。

経営にはかかわらず

発表文によると、アブダビは「シティの経営や企業統治にはかかわらず」、 取締役を「指名する権利も持たない」という。

ADIAのマネジングディレクター、シェイク・アハメド・ビン・サイー ド・アル・ナヒヤン氏はシティの発表文のなかで、「投資は、シティが株主価 値を高めることができるという信頼を反映したものだ」と述べている。

UAE国営の首長国通信(WAM)はウェブサイトで、アブダビの当局者 が26日にシティのルービン会長と会い、「世界の株式市場と銀行の業績への影 響」について話し合ったと報じていた。

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