日本株は小幅高公算、円安で輸出関連に買い-半導体関連も堅調(2)

東京株式相場は小幅高の公算。米国金融 セクターの混乱が沈静化するとの見方から外国為替市場では円安傾向が進んで おり、収益先行きに対する過度の警戒が後退する輸出関連株が上昇すると見ら れる。27日の米国で半導体業界に対する収益改善期待が高まったことで、東 京エレクトロンなど半導体関連株も堅調の見込み。

日興コーディアル証券エクイティ部の西広市部長は、「日本株は売られ過 ぎ圏内にあり、過度の不安後退で外部環境をにらみながら戻りを試す展開にな りそう」と予想している。

西氏は、日経平均株価が7月から8月にかけて16%下落した後に戻りを 示したとし、今回も10月から11月21日まで15%下げたと指摘。27日の配当 利回りが1.53%水準にあるなど、割安感が出ているとした。

シカゴ先物市場(CME)の日経平均先物12月物の27日清算値は1万 5270円で、大阪証券取引所の通常取引終値(1万5240円)に比べて30円高 だった。

信用不安和らぎ円高一服

27日のニューヨーク外国為替市場では、低金利の円を調達して高金利通 貨で運用する円キャリー取引が復活し、円が主要16通貨に対して下落した。 米銀最大手シティグループがアブダビ投資庁(ADIA)から出資を受け入れ ることで信用不安が和らぎ、リスク回避による円高傾向がやや一服した。ド ル・円相場は3日ぶりとなる1ドル=109円台まで円安・ドル高が進展。28日 早朝の東京時間でも109円を挟んだ動きとなっている。

27日の東京株式市場では、取引時間中にシティグループの資本増強が伝 わり、株価指数が前日比大幅安からプラスへ浮上する原動力となった。金融市 場の安定に対する評価は、すでに大部分を株価水準に反映している上、米サブ プライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン問題による信用収縮懸念はなお くすぶっている。ただ、円高の流れが一服し、東京時間でシティ資本増強が広 がった直後の108円台後半からさらに円安水準となっていることは、きょうの 輸出関連株にとって買い材料視される可能性がある。

半導体関連株に業績期待

27日の米国では、JPモルガン証券がコンピューター需要の伸びを理由 にインテルの利益見通しを引き上げた。同証券アナリストのクリストファー・ デインリー氏は顧客向けリポートで、「PC市場での力強い需要と、インテル のマイクロプロセッサー製品の競争力が高いこと」を挙げ、インテルの堅調は 今後も続くとしている。

半導体株で構成する指数は2週間ぶりの大幅高となっており、輸出関連株 の中でも半導体などハイテク株は上げが大きくなることも予想される。米半導 体株の値動きを示すフィラデルフィア半導体(SOX)指数は前日比2%高の

410.57と反発した。

米主要株価3指数の27日終値は、S&P500種株価指数が前日比21.01 ポイント(1.5%)高の1428.23、ダウ工業株30種平均は同215ドル (1.7%)高の12958.44ドル、ナスダック総合指数は同39.81ポイント (1.6%)高の2580.80。

買い一巡後は上値重い

もっとも、買い一巡後は上値を追う動きも限定されそうだ。米証券最大手 ゴールドマン・サックス・グループは27日、米景気減速による需要減少見通 しを理由に、航空や自動車、トラック運送、石油生産、ソフトウエアなど13 業種の投資判断を引き下げた。また、コンファレンス・ボードが27日に発表 した11月の米消費者信頼感指数は87.3と、ブルームバーグがまとめたエコノ ミストの予想中央値91.0を下回る結果となった。住宅価格の低下や原油価格 の高騰は米経済に対する中期的な懸念を強める要因となっており、輸出関連を 中心に先行きの不透明感は完全に払拭されていないと見られる。

内需関連は軟調見込み

一方、27日に発表された11月の月例経済報告では、輸出の判断を3カ月 ぶりに上方修正した半面、完全失業率が2カ月連続で悪化していることを踏ま えて雇用の判断は3年2カ月ぶりに下方修正された。雇用の足踏み傾向は、小 売りなど内需関連株にとって収益環境の逆風と受け止められ、軟調となる懸念 がある。

アステラスやピジョンなど堅調見込み

個別銘柄では、がん領域の抗体医薬品の創製で実績を持つ米アジェンシス 社(カリフォルニア州)を3億8700万ドル(約420億円)で買収するアステ ラス製薬、オーストリアの高級ピアノメーカーであるベーゼンドルファーを推 定1500万ユーロ前後(約25億円)で買収することで合意したと28日付の日 本経済新聞朝刊が伝えたヤマハなどが、業容拡大期待で堅調となる見込み。

第3四半期(2-10月)累計の連結営業利益が前年同期比18%増と伸び たピジョン、発行済み株式総数の1.18%に相当する200万株を上限に自己株 買いを行う日本製粉なども高くなりそう。

半面、サウジアラビアのヌアイミ石油鉱物資源相が同国の産油量が年初来 で最高水準に達したことを明らかにしたことが嫌気され、27日のニューヨー ク原油先物相場が大幅安となったことで、大手商社や資源株は下落の公算。

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