シティ:資金コストはジャンク並み-評価損によるアブダビからの出資

米銀最大手シティグループは、配当を維持 しながら住宅ローン関連の苦境を乗り切るというロバート・ルービン会長の約 束を果たすため、「ジャンク(高リスク・高利回り)債」並みの金利を支払うこ とになった。

シティがアブダビ投資庁(ADIA)に売却した普通株に転換可能な株式 には11%の金利が付いている。利率は債券のほぼ2倍。住宅金融のカントリー ワイド・ファイナンシャルがバンク・オブ・アメリカ(BOA)に支払う金利 は7.25%。シティの普通株の配当利回りは7.1%だ。

シティはアラブ首長国連邦(UAE)を構成するアブダビの首長一族から 資金を得た。米国のサブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン関連の 損失で、同社の自己資本比率が自社目標を下回ったためだ。アブダビとの合意 はシティ株の価値希薄化につながり、2008年の1株利益を最大20セント押し下 げる可能性があると、BOAのアナリスト、ジョン・マクドナルド氏は見積も っている。

スミス・アセット・マネジメントのウィリアム・スミス最高経営責任者(C EO)は、結局のところ「払うのはシティの株主だ」と指摘した。また、「11% はジャンク債並みの利回りだ。アブダビ側は大満足だろう」と述べた。

筆頭株主に

シティは11月4日、債務担保証券(CDO)などによる住宅ローン関連損 失が10-12月(第4四半期)の利益を最大で70億ドル押し下げるとの見通し を示した。翌5日の電話会議でルービン会長は配当維持の方針を示した。減配 なしに2008年6月末までに自己資本を目標水準まで回復することは可能との考 えを示した。

1株当たり54セントの配当は、9月30日時点の発行済み株数49億8000 万株に基づくと1四半期当たり約27億ドルの負担となる。アブダビからの投資 はほぼ3四半期分の配当を確保することになる。シティ株は、CIBCワール ド・マーケッツのアナリストが指摘した減配の可能性への懸念などを背景に年 初来で46%安となっている。

クレディットサイツのアナリスト、デービッド・ヘンドラー氏は27日付の リポートで、アブダビからの投資でシティは「減配なしに」資本を増強するこ とができるとして、「バランスシートの強化は長期的に見てプラスにとらえられ るだろう」と指摘した。

ニューヨーク時間午後1時32分(日本時間28日午前3時32分)現在、シ ティ株は39セント(1.3%)高の30.15ドル。

シティの暫定最高経営責任者(CEO)を務めるウィン・ビショフ氏は26 日遅くの発表文で、アブダビからの投資は「資本基盤の強化につながる」と述 べていた。

住宅ローン関連の損失で、シティの自己資本の基本的項目(Tier I)の比 率は9月30日時点で7.3%となっていた。米規制当局が「資本が十分」な銀行 と定義する6%は超えているものの、シティの目標である7.5%には届かない。

格付け会社フィッチ・レーティングスは27日付のリポートで、9月30日 時点の水準を基に計算すると、75億ドルの注入によりTier Iの比率は7.9%に なるとの試算を示した。

ADIAは購入した証券を、最大で4.9%のシティの普通株に転換できる。 ブルームバーグ・データによると、この場合ADIAの持ち分は、キャピタル・ グループやサウジアラビアのアルワリード王子を上回り、ADIAがシティの 筆頭株主となる。

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