NY外為:円が下落、シティへのADIA出資でキャリー取引復活(2)

ニューヨーク外国為替市場では、 円が主要16通貨に対し下落した。米国のサブプライム(信用力の低い個 人向け)住宅ローン関連で最も巨額な損失を出している米銀シティグル ープが26日、アブダビ投資庁(ADIA)から出資を受けると発表した ことを受けて、投資家のキャリートレードが促進された。

円はドルに対しここ2週間で最大の下げとなった。シティはADI Aから75億ドル(約8100億円)相当の出資を受けると発表。米国株の 上昇につれ、円はニュージーランド(NZ)ドルやオーストラリア・ド ルに対して最も下落した。

テンパス・コンサルティングの資本市場担当バイスプレジデント、 グレッグ・サルバッジオ氏(ワシントン在勤)は、「このニュースは、 米銀各行は資金繰りが可能だということを示し、金融セクターの混乱沈 静化につながった」と述べた。同氏は円が対ドルで年内は1ドル=107 円50銭-110円のレンジで推移すると予想している。

ニューヨーク時間午後4時12分現在、円はドルに対して1ドル=108 円79銭。前日遅くは同107円41銭だった。前日は一時、05年6月以来 の円の高値となる107円23銭を付けた。円は対ユーロでも27日、2 週間ぶりの高値から下落して1ユーロ=161円33銭。前日遅くは同159 円72銭だった。

円はNZドルに対しては1NZドル=82円59銭と、前日の同80円 63銭から下落した。前日は9月12日以来の高値となる同80円32銭を 付ける場面もあった。円は対豪ドルでは前日比2%安の1豪ドル=95 円37銭。

低い変動率

キャリートレードに使用されることの多いもう一つの通貨である スイス・フランは主要16通貨のなかで13通貨に対し下落した。なかで も、スイス・フランはNZドルに対しては1.8%下落、豪ドルに対して は1.4%下げた。

シティグループは発表で、ADIAによる出資が事業拡大や資本増 強に役立つと表明。同行はサブプライム住宅ローンおよび関連証券の損 失で07年10-12月(第4四半期)の純益が50億-70億ドル縮小する 可能性を明らかにしている。

ウエストパック銀行のシニア通貨ストラテジスト、リチャード・フ ラヌロビッチ氏は、「資金の潤沢な多くの国営ファンドが存在すること を忘れがちで、こうしたファンドは価格が安ければ買いを入れたい意向 だ」と指摘した。さらに、「市場参加者は潜在的な救済者が存在すると いう感触を得た」と述べた。

円の1カ月インプライド・ボラティリティーは13.98%と、前日の

15.12%から低下した。

ユーロ売り

ドルは対ユーロでは前日比0.3%上昇。オンライン外為取引会社ゲ イン・キャピタル傘下のフォレックス・ドット・コムの為替チーフスト ラテジスト、ブライアン・ドラン氏は、ユーロが対ドルで1ユーロ=

1.49ドルを維持できなかったことからトレーダーはユーロ売りに転じた と指摘した。

マニュファクチャラーズ&トレーダーズ・トラスト(ニューヨーク 州バッファロー、運用資産500億ドル)のチーフ通貨トレーダー、ブラ イアン・テーラー氏は「市場参加者はユーロ売りを出して、他の通貨に 乗り換えている」と指摘。その上で、「現時点ではユーロは過大評価さ れている」と述べた。

ユーロは対ブラジル・レアルでは前日比0.9%安、対メキシコ・ペ ソでは同0.7%下落した。

ドイツのIfo経済研究所が27日発表した11月の企業景況感指数 (2000年=100)は104.2と、前月から予想外の上昇となった。国内企 業が原油高騰とユーロ高に対応していることを示す数字となった。前月 は103.9だった。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト41 人の調査中央値では103.3への低下が見込まれていた。

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