東京外為:円強含み、信用不安でリスク回避強まる-国内実需の売りも

午前の東京外国為替市場では円が強含み。 ドル・円相場は1ドル=107円台前半と、2005年6月以来の円高値圏で取引さ れている。米国のサブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローンに絡む金 融機関の損失拡大懸念がくすぶるなか、米株が下落したことで、リスク投資か らの資金引き揚げが連想されやすく、円キャリートレード(低金利の円で調達 した資金を高金利通貨などに投資する取引)の巻き戻しに伴う円買いに圧力が 強まっている。

みずほコーポレート銀行国際為替部の加藤倫義参事役は、欧米で銀行株の 下落が進んでいることから、リスク回避に伴う円高圧力が高まっていると説明。 「サブプライム問題の第二章が11月に入って爆発したといった状況で、クレジ ットリスクに関しては敏感になっている

ただ、ドル・円相場は約2年半ぶりのドル安値ということで、「国内の輸入 企業が待ち構えていた水準でもある」(加藤氏)という。このため、107円前後 では、ドル買い・円売り需要が観測されており、ドルの下値も限定的となって いる。

サブプライム関連の損失拡大か

米ゴールドマン・サックス・グループのアナリストらは26日までに、英銀 のHSBCホールディングスがサブプライム関連でさらに120億ドルの貸倒引 当金を用意する必要に迫られる可能性があるとの見方を示した。

これを受けて、26日の米国株式市場では売りが膨らみ、ダウ工業株30種平 均は前週末比237.44ドル(1.8%)安の12743.44ドルと、大幅下落となった。

外為市場では、リスク資産からの資金引き揚げ観測を背景に円の買い戻し が活発化し、ドル・円相場は一時107円23銭(ブルームバーグ・データ参照、 以下同じ)と、2005年6月9日以来、約2年半ぶりの円高値を付けた。ユーロ・ 円相場も1ユーロ=159円55銭と、円が同日の安値161円49銭から2円近い上 昇となった。

サブプライム関連の損失に関しては、「全体像が見え始めたかに思えたが、 不透明感はぬぐいきれない」(みずほ信託銀行資金証券部・金子和広調査役)と の声が聞かれており、新規の材料に敏感な状況が続いている。

この日の東京時間には、米株の大幅下落を受けて、日本を中心としたアジ ア株の動向が焦点となっている。日経平均株価は反落して取引を開始しており、 一時は前日比で300円を越す下げとなっており、円買い圧力につながっている。

ユーロ圏景気に陰りも

一方、欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁は26日に、「サブプライム 問題の展開や特に米国でのサブプライム住宅ローンが象徴している誘因により、 われわれは実体経済に下振れリスクが存在するとみている」との懸念を示して いる。

そうしたなか、ECBのパパデモス副総裁は、「ユーロ為替レートの上昇は インフレ圧力の抑制に貢献している」と述べ、ECBが利上げを急いでいない ことを示唆した。

みずほ信託銀の金子氏は、「ECBはインフレ警戒の旗は下ろさないものの、 金融環境的には利上げは難しくなっている」としたうえで、ドル売りの対象と してのユーロ買いは見込まれるものの、積極的にユーロを買い進める材料には 乏しいとしている。

ユーロ・ドル相場は、前週末の23日に一時1ユーロ=1.4967ドルと、ユー ロが1999年1月の導入来高値を更新。この日の東京市場では1.48ドル台後半 で推移している。

ドイツではこの日、Ifo経済研究所が11月の企業景況感指数を発表する が、ブルームバーグ・ニュースがまとめた市場予想では、前月からはわずかな がら低下が見込まれている。弱めの数字となれば、「ユーロ売り・円買いを通じ て、ドルの対円相場も下押される可能性がある」(金子氏)という。

--共同取材:吉川淳子 Editor: Norihiko Kosaka, Hidenori Yamanaka

参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: 東京 三浦和美 Kazumi Miura

+81-3-3201-8583 kmiura1@bloomberg.net 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo

+81-3-3201-3651 yokubo1@bloomberg.net 香港 Sandy Hendry

+852-2977-6608 shendry@bloomberg.net

円に関するニュース JPY <Crncy> CN ユーロに関するニュース EUR <Crncy> CN ドルに関するニュース USD <Crncy> CN

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE