日本株は急反落、輸出や金融中心に売り-サブプライム再発と円高進行

午前の東京株式相場は急反落。米サブプラ イム(信用力の低い個人向け)住宅ローン問題による海外金融機関の損失拡大懸 念が再び高まっているほか、ドル・円相場が1ドル=107円台まで円高が進んで いることが嫌気され、トヨタ自動車やキヤノンなど時価総額の大きい輸出関連株、 三菱UFJフィナンシャル・グループなど金融株中心に売りが膨らんだ。

AIG投信投資顧問運用本部長の元木宏常務執行役員は、為替動向について 「1ドル=110円台であれば心配ないが、1ドル=105円を突破して100円に向 かえば、来期業績に不透明感が出てくる」と指摘。ただ、基本的には日本株はP ER(株価収益率)、配当利回りなどから見ると割安な水準に位置し、「底なし 沼ではない」(同氏)という。

午前の日経平均株価終値は前日比320円34銭(2.1%)安の1万4814円87 銭。TOPIXは同31.21ポイント(2.1%)安の1435.82。東証業種別33指数 は31業種が下落。東証1部の騰落状況は値上がり銘柄数267、値下がり1361。

中国のファンド買い期待を相殺

午前の日経平均は大幅反落して始まった。シカゴ先物市場(CME)の日経 平均先物12月物の26日清算値(1万4850円)を下抜けた後、下げ渋る場面が あったものの、取引終了かけては再度売り込まれてこの日の安値圏で終了。中国 政府系ファンドが日本株投資に踏み切るとの日本経済新聞社報道をきっかけに、 大幅高となった前日の上昇分(246円高)を帳消しにした。

外部環境に振らされやすい展開が続いている。下げのきっかけとなったのが、 拭い切れない海外金融機関の損失拡大懸念。ゴールドマン・サックス・グループ が、英銀大手HSBCホールディングスがさらに120億ドル(約1兆3000億 円)の貸倒引当金計上の可能性があると指摘したことなどをきっかけに金融不安 が再燃。26日の米株式相場は、米銀大手のシティグループなど金融株中心に売 られ、東京市場はこの流れを引き継いだ格好だ。

米株安は投資資金のリスク回避の動きを強めさせ、外国為替相場では円買い が進行。輸出採算性の観点から、日本株の輸出関連株の売りにつながった。TO PIXの下落寄与度の2、4位には電気機器、輸送用機器が並んだ。東京時間午 前のドル・円相場は1ドル=107円28-62銭で推移。前日のニューヨーク時間 では1ドル=107円23銭まで円高が進んだ。前日の東京株式相場の終了時間の 1ドル=108円53銭から一段の円高水準だ。

大和証券SMBCエクイティ・マーケティング部の高橋和宏部長は「米10 年債利回りが4%割れとなるなど米景況感の悪化しており、反発が難しい状況」 という。ブルームバーグ・プロフェッショナルによると、10年債利回りは

3.84%と4%を大きく割り込み、キャンター・フィッツジェラルドによれば、一 時3.79%と04年3月来の低水準になった。

PERは過去1年平均より下方

もっとも、市場関係者の間では、「相場はきっかけ待ちの状況」(日興コー デアル証券の小林久恒シニアマーケットアナリスト)との声も多い。ブルームバ ーグ・プロフェッショナルによると、日経平均の今期予想PER(株価収益率) は16.3倍。過去1年間の平均PER19倍から比較すると割安感のある水準に位 置するためだ。また、前日のTOPIXの配当利回りは1.51%。前日の10年国 債指標債利回り1.48%を上回っている。日興コーデ証の小林氏は、「PER、配 当利回りなどから見ると底値圏に近づきつつある」と見る。

日マクドHDが反落、ソニーは売買代金1位

個別では、27日付の朝日新聞朝刊で東京都内の4店舗が売れ残ったサラダ について、調理日時のシールを翌日付に張り替えて販売していた疑いがあると朝 日新聞で報道された日本マクドナルドホールディングスが反落。主力のオフィス 家具とERP(統合基幹業務システム)ソフトが苦戦し、第1四半期(8-10 月期)の連結業績は営業損益段階から赤字となった内田洋行が4日続落した。

半面、ドバイ政府系投資会社ドバイ・インターナショナル・キャピタル(D IC)が26日に「かなりの数」のソニー株式を購入したことを明らかにしたソ ニーがこの日も売買を伴って上昇。東証1部の売買代金1位となった。

このほか、真柄建設や鹿島など建設株の一角が上昇。27日付の日経新聞朝 刊によると、政府は建築関連の中小企業が民間金融機関から借り入れた資金の返 済保証を拡大する緊急支援に踏み切るという。東京都江東区の豊洲地区における 本社周辺の再開発地域の保有土地を一部売却、売却益772億円を今期に計上する と発表したIHIが大幅続伸した。

個人向け通販事業に参入すると27日付の日本経済新聞朝刊に伝えられたア スクル株は東証1部の上昇率1位。

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