米国株:ダウ237ドル安、最高値から10%超失う-金融株に売り(2)

米株式相場は下落。住宅ローン関連の損 失拡大から銀行の貸し渋りへの懸念が広がり、10月に記録した過去最高値から 10%を超える値下がりとなった。

米銀大手のシティグループとバンク・オブ・アメリカ(BOA)、JPモ ルガン・チェースはいずれも大幅安。ゴールドマン・サックス・グループがリ ポートで、英銀大手HSBCホールディングスがさらに120億ドル(約1兆 3000億円)の貸倒引当金計上の可能性があると指摘したことが売り材料とな った。住宅金融のファニーメイ(連邦住宅抵当金庫)とフレディマック(米連 邦住宅貸付抵当公社)は、信用コスト上昇で利益が伸び悩むとのUBSの指摘 が嫌気されて売られた。また年末商戦で消費者の支出額が抑えられるとの見方 から、小売りのターゲットとメーシーズも下げた。

S&P500種株価指数は前週末比33.48ポイント(2.3%)安の

1407.22ポイント。年初来では0.8%の値下がり。ダウ工業株30種平均は前 週末比237.44ドル(1.8%)下げて12743.44ドル。年初来での値上がり率 は2.2%に縮小した。ナスダック総合指数は前週末日55.61ポイント (2.1%)安の2540.99で終了。年初来では5.2%の値上がり。ニューヨーク 証券取引所(NYSE)の騰落比率は1対6だった。

キャボット・マネー・マネジメント(マサチューセッツ州セーラム)で5 億ドルの資産運用を監督するロバート・ラッツ社長は、「米経済の成長を支え 続けるだけの体力が今の証券会社や銀行にあるだろうか。この疑問が投資家心 理に圧し掛かっている」と指摘。「片付けなくてはならない内部の問題や、出 すべき膿みは多いようだ」と付け加えた。

S&P500種の月初来の値動きはこの5年間で最悪の成績。産業別株価指 数の10種すべてが下落した。中でも金融株指数は2005年4月以来の安値。 米連邦準備制度の公開市場操作(オペ)を担当するニューヨーク連銀は26日、 年末にかけて「短期金融市場からの資金需要の高まりに対応する」ため、年末 越えの資金供給で80億ドルのレポを設定することを明らかにした。

10%の下げ

米国債市場では10年債利回りが2004年3月以来の水準に低下。安全を 求める資金が米国債に逃避した。

S&P500種とダウ平均はいずれも、10月9日に記録した過去最高値か ら10.1%下げ、米国株式相場の調整が明確になった。

BOAは1.27ドル安の41.88ドル。JPモルガンは1.49ドル安の

40.46ドル。住宅ローン担保証券の引き受け最大手、リーマン・ブラザーズ・ ホールディングスは3.40ドル下げて57.46ドル。ブローカー最大手のメリル リンチは2.31ドル安の51.23ドルで終了した。

「舵のない船」

金融専門局CNBCはシティグループが最大4万5000人の人員削減を実 施する可能性があると報道。これを受けてシティの株価は一時6.2%下げ、ダ ウ平均採用銘柄の中で値下がり率トップとなった。シティは報道について、 「具体的な数字に関する報道は事実に反する」とコメントした。

アルパイン・ウッズ・キャピタル・インベスターズ(ニューヨーク州パー チェス)で120億ドルの資産運用に携わるピーター・コバルスキー氏はシティ について、「CEOがいなくては舵のない船も同然だ」と語る。「評価損にし ろ、レイオフにしろ、市場で流れるうわさに対して明確に否定できる人物がい ないのは無防備だ」と付け加えた。

欧州銀最大手の英HSBCホールディグスは26日、傘下のストラクチャ ード・インベストメント・ビークル(SIV)2本を救済するため、同SIV の資産(450億ドル相当=約4兆8784円)を引き受けると発表した。HSB CはSIVが保有する債券の投げ売り防ぐ考えだ。発表を受けて銀行株と証券 株に売りが出た。

米銀大手のバンク・オブ・アメリカ(BOA)やシティグループ、JPモ ルガン・チェースは同業の銀行各社に対し、SIVの資産を買い取るための基 金「スーパーSIV」への参加を呼びかけている。

ファニーとフレディ

UBSのアナリストチームは住宅金融大手のファニーメイとフレディマッ クの投資判断を「買い」から「中立」に引き下げたほか、ファニーメイの株価 見通しを88ドルから31ドルに、フレディマック(米連邦住宅貸付抵当公社) を87ドルから28ドルに下方修正した。

ファニーの終値は3.28ドル安の28.92ドル。フレディは1.97ドル下 げて24.50ドルで終えた。

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