米国債:上昇、10年債利回り04年3月来最低-サブプライム懸念(2)

米国債相場は上昇。10年債利回りは2004年 3月以来の低水準となった。サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ロー ンでの損失懸念が米国株式相場の下落につながり、安全性の高い米国債の魅力 が高まった。

米ゴールドマン・サックス・グループのアナリストが英銀HSBCホールデ ィングスはさらに貸倒引当金120億ドルを用意する必要に迫られる可能性を指 摘したことから、30年債利回りが6年で最大の低下を記録した。米連邦準備制 度の公開市場操作(オペ)を担当するニューヨーク連銀は、2年ぶりとなる年 末越えの資金供給でレポを実施すると発表した。

ドイツ銀行プライベートバンク部門で120億ドルの債券トレーディングを監 督するゲーリー・ポーラック氏(ニューヨーク在勤)は、「株価が下落すると、 多くの投資家は、たとえ利回り水準が今のように低くても資産を債券へ振り向 ける」と語った。

キャンター・フィッツジェラルドによると、ニューヨーク時間午後3時55 分現在、10年債利回りは前週末比17ベーシスポイント(bp、1bp=0.01ポイ ント)下げて3.83%。一時は2004年3月以来の低水準となる3.79%を記録し た。10年債価格(表面利率4.25%、2017年11月償還)は1 3/8上げて103 14/32となった。

30年債利回りは17bp下げて4.26%。一時は4.23%と、2005年7月以来で 最低を記録した。1日当たりの利回りの低下幅としては、米財務省が30年債 の発行停止を発表した2001年10月31日以来で最大。

HSBC、シティグループ

HSBCは傘下のストラクチャード・インベストメント・ビークル(SI V)2本を救済するため、同SIVの資産を引き受けると発表した。HSBC はSIVが保有する債券の投げ売りを防ぐ考えだ。

またシティグループの広報担当者クリスティーナ・プレット氏はコスト削減 策の見直しを明らかにし、「当社の業務と経済的な現実との整合性を図り、事 業効率とコスト効果を高めるための手段」が検討されていると述べた。同社は 新最高経営責任者(CEO)の選出作業を進めている。

銀行やその他金融機関はこれまでに住宅ローン関連の損失や評価損として 500億ドル以上を計上した。これを受けて投資家は比較的安全とされる国債投 資に資金を振り向けている。メリルリンチによると、11月23日までに米国債 の月間リターンは2.76%。同リターンは2003年9月には2.98%を記録した。

2年債利回りは16bp下げて2.9%。一時は2004年12月以来の低水準とな る2.88%まで低下する場面もあった。2年債利回りは10年債利回りを90bp 下回ったが2年債と10年債の利回り格差は先週、2005年1月以来最大となる 101ポイントまで拡大した。

金利先物市場動向によると、12月11日のFOMC会合でフェデラルファン ド(FF)金利誘導目標が0.25ポイント引き下げられる確率は96%となって いる。

ニューヨーク連銀は26日、年末越えの資金供給で80億ドルのレポを設定す ることを明らかにした。同連銀は文書を通じ、「年末にかけて短期金融市場か らの資金需要の高まりに対応する」と述べ、28日に第1回目の年末越えのレポ 取引を実施する。同レポは2008年1月10日に償還予定。

NY連銀はまた、年末時のFF金利がFOMCの設定した誘導目標を上回ら ないよう「十分な準備を供給する」方針を明らかにした。

TEDスプレッド

3カ月物ドル建てロンドン銀行間貸出金利(LIBOR)は4週間ぶり高水 準となる前週末比1bp上昇の5.05%。9営業日連続で上昇した。

3カ月物財務省短期証券(TB)利回りと3カ月物LIBORの利回り差で あるTEDスプレッドは1.92ポイントと、23日の1.82ポイントから上昇した。 3カ月物国債の利回りは9bp下げて3.12%。

米財務省は26日、28日に2年債入札(200億ドル)、29日に5年債入札 (130億ドル)を実施すると発表した。

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