日本株(終了)急伸、中国の日本株投資に期待感-米商戦出足にも安ど

週明けの東京株式相場は急伸。日経平均株 価は一時400円以上の上げとなり、終値では3営業日ぶりに節目の1万5000円 を回復した。米国のクリスマス商戦の出足が好調で、先行きが警戒されていた米 景気と株価動向に安ど感が広がる中、午前の取引終了後に中国政府系ファンドが 日本株投資に踏み切るとの報道も伝わり、先物主導で上げ幅が拡大した。

野村ホールディングスや三菱UFJフィナンシャル・グループなど金融株が 高く、トヨタ自動車やホンダ、ソニー、キヤノンなど輸出関連株も買われた。東 証業種別33指数は、32業種が上昇。東証1部の騰落状況は値上がり銘柄が1282、 値下がりが354と、全体の7割以上が上げた。

日経平均株価終値は、前営業日比246円44銭(1.7%)高の1万5135円21 銭。TOPIXは同29.65ポイント(2.1%)高の1467.03。東証1部の売買高 は概算で21億5688万株。

いちよし投資顧問の秋野充成運用部長は、中国系政府ファンドに関する報道 について「欧米投資家が売り越している中、新しい買い手が出てくることは非常 に大きな変化となる。このため、ショートカバー(売り方の買い戻し)のきっか けになった」と指摘した。

「ブラックフライデー」は好調

日経平均は朝方から上昇した後、先物主導で上げ幅を拡大する動きとなった。 シカゴ先物市場(CME)の日経平均先物12月物の23日清算値(1万5000 円)を上抜けると、上昇スピードに弾みを付けて午後の取引では一段高。朝方か ら買われるきっかけとなったのが、米クリスマス商戦の好調な滑り出しだった。

調査会社ショッパートラック・RCTが24日発表したところによると、感 謝祭の翌日23日の米小売売上高は前年同日比8.3%増だった。サブプライム (信用力の低い個人向け)住宅ローン問題の影響で個人消費の急激な落ち込みが 警戒されていただけに、「予想を上回る驚きの数字」(ショッパートラックの共 同創業者ビル・マーティン氏)となり、投資家の間で安ど感が広がった。

感謝祭の翌日は消費者が小売店に詰め掛け、黒字となることから「ブラック フライデー」と呼ばれる。この日の売り上げは年末商戦期間中の全体の4.5- 5%を占めるため、先行きを占う上で注目度が高い。米消費の底堅さを受け、前 週末の米株式市場では、ウォルマート・ストアーズやターゲットといった小売株 中心に上昇。シティグループなどの金融株も買われた。週明けの東京市場もこの 流れを引き継いだ格好だ。

T&Dアセットマネジメントのファンドマネジャーの天野尚一氏は、「米労 働市場の需給は緩んでおらず、労働賃金は比較的堅調であるため、消費が悪化し ている感じはしない」と話していた。

新たな買い主体に期待、中国や中東

外部環境に落ち着きがみられる中、上昇を加速させたのが、昼休みに伝わっ た中国政府系ファンドによる日本株投資の報道だ。日本経済新聞の電子版は、1 兆4000億ドル(約151兆2000億円)を超す中国の外貨準備の一部を運用するた めに設立された「中国投資有限責任公司」が、日本株式への投資に乗り出すと報 じた。

報道によると、9月末設立の中国投資は資本金2000億ドル。資金の約3分 の1を海外の株式やファンドなどに投資するもようという。また、中国投資公司 のサイトでは、日本株や北米株に投資するポートフォリオマネジャーを募集して いる。

ちばぎんアセットマネジメントの奥村義弘調査部長は「直接的影響は金額次 第だが、中国から資金が入るようなら日本株を見直すきっかけになる可能性があ る」と見ていた。

ソニーが午後一段高、アステラ薬も高い

ソニーは午後に入って一段高となり、一時6.3%高の5590円まで上昇。ド バイ政府系投資会社ドバイ・インターナショナル・キャピタル(DIC)は26 日、「かなりの数」のソニー株式を購入したことを明らかにした。DICのサミ ール・アル・アンサリ最高経営責任者(CEO)は発表資料で、「ソニーの真に 世界的なブランド、主導的な地位、世界的な実績の組み合わせが、事業の中期的 成長を促進するだろう」との見通しを示した。株式取得の規模は開示していない。

このほか、自己株式の取得を発表したアステラス製薬が売買を伴って3営業 日ぶりに反発。国内市販用タイヤの出荷価格を来年3月から値上げすると発表し たブリヂストンが7営業日ぶりに反発した。24日付の日本経済新聞朝刊が米大 手投資ファンドのTPGキャピタルが出資すると報道した中堅ノンバンクのNI Sグループは急騰。

また、酉島製作所や岡野バルブ製造など環境関連銘柄の一角も買われた。 5%ルールでフィデリティ投信の保有増が確認されたリンナイやレンゴーも大幅 高となった。

テイクギヴがストップ安、西松屋や富士通売られる

半面、今期(08年3月期)業績が赤字転落する見通しとなったテイクアン ドギヴ・ニーズがストップ安(値幅制限いっぱいの下落)。11月の既存店売上 高が前年水準を再び割り込み、ゴールドマン・サックス証券が投資判断を「買 い」から「中立」に引き下げた西松屋チェーンは急落した。

住民税増税などの影響から分譲住宅業界で買い控えが広がり、通期(08年 4月期)の業績予想を下方修正した飯田産業、下期販売数量計画の下振れ見通し を要因に、三菱UFJ証券が投資判断を引き下げた平和は年初来安値を更新。

また、HDD(ハードディスク駆動装置)の価格下落の影響などから9月中 間営業利益が前年同期比13%減となった富士通も大幅安となった。

新興3市場は軒並み高

新興3市場は軒並み上昇。ジャスダック指数は前営業日比1.3%高の72.35、 東証マザーズ指数は同0.7%高の809.57、大証ヘラクレス指数は同1.7%高の

1236.05となった。ジャスダック指数の終値ベースでの続伸は10月29日以来、 約1カ月ぶり。

ジャスダック市場では、半導体業界の生産拡大などの恩恵を受けて通期(08 年3月期)業績予想を上方修正したフェローテックのほか、解約件数を減らす努 力が奏功して9月中間期の連結営業利益が会社予想を上回った日清医療食品が上 昇した。半面、データ管理ソフト「xfy」の販売不振から通期(08年3月 期)業績予想を下方修正したジャストシステムが大幅安となった。

このほか、大証ヘラクレス市場では、子会社の減損損失計上で通期(07年 9月期)の連結純利益予想を下方修正したアパマンショップホールディングスが 売られた。

--共同取材:長谷川 敏郎   Editor:Shintaro Inkyo(Makiko Asai)

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