米BOA、「スーパーSIV」基金へ参加呼び掛けを主導-今週から活動

米銀バンク・オブ・アメリカ(BOA)は、 シティグループ、JPモルガン・チェースと合意した短期金融市場立て直しに向 けた基金への参加呼び掛けで、主導的役割を演じる。

事情に詳しい関係者2人が匿名を条件に述べたところによると、BOAを 中心に3行は今週、キャンペーンを開始する。

ポールソン米財務長官も支持する基金「スーパーSIV」は、ストラクチ ャード・インベストメント・ビークル(SIV)と呼ばれる簿外運用会社の資 産を買い取る。3000億ドル(約32兆5500億円)相当のSIV資産には、デフ ォルト(債務不履行)の恐れのあるものも含まれる。パンク・ジーゲルのリチ ャード・ボーブ氏らアナリストは、大手行が生み出した損失を参加行に押し付 けることになるとして基金に批判的だ。

「参加を求められた銀行の大半は『さらなる評価損につながるようなもの をなぜわれわれのバランスシートに載せなければならないのだ』と考えるだろ う」とボーブ氏は述べた。

複数の関係者によると、BOAとシティ、JPモルガンは年内の基金発足 を目指している。一部のSIVは取引ができない状態だからだという。また1 人の関係者は、基金の運用は米資産運用会社ブラックロックが請け負う見通し だと述べていた。

BOAとシティ、ブラックロックの広報担当者はコメントを控えた。JP モルガンの広報担当者への電話には応答が得られていない。JPモルガンのジ ェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)は13日、基金に参加する目的は SIVの「適切な清算」を可能にすることだと述べていた。SIVという事業 形態には「目的がない」として、SIVは「恐竜と同じ道筋をたどるだろう」 と語っていた。

コマーシャルペーパー

SIVは資産担保コマーシャルペーパー(ABCP)で短期資金を調達し、 住宅ローン担保証券など、より長期の証券に投資する。

ノースカロライナ大学のトニー・プラス教授(金融学)は基金構想が頓挫 (とんざ)すると予想しているが、BOAは「計画倒れになったときに批判さ れないように行動しているのだろう」と話した。

シティグループ・グローバル・マーケッツのアナリスト、バーギット・ス ペクト氏とジョナサン・ニーブ氏は21日付のリポートで、信用不安を沈静化す るためのこのような基金の必要性は緊急性を増しているとして、「SIVの純資 産価値は下がり続け、債務は期限を迎え続け、市場のセンチメントはさらに悪 化していく」と指摘した。

米銀ワコビアは基金への参加を表明した。一方、ステート・ストリートの ロナルド・ローグCEOは10月16日に、「当社は参加しないだろう」と述べて いた。

ドイツ銀行のヨゼフ・アッカーマンCEOは10月、詳細を見極めたい考え を示した。債券ファンド最大手、米パシフィック・インベストメント・マネジ メント(PIMCO)の投資責任者ビル・グロス氏は10月31日のインタビュ ーで、透明性の不足が失敗につながると指摘した。グリーンスパン前米連邦準 備制度理事会(FRB)議長も懐疑的だ。

重要人物

米資産運用会社ルーミス・セイレスのダニエル・ファス最高投資責任者(C IO)は先週、バーナンキFRB議長との対話に招かれた16人の1人だが、基 金への投資は控える考えだ。バーナンキ議長との会談で「約27秒間、重要人物 になった気分を味わったが、その後は怪しいと思い始めた」という。

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