11月26日の海外株式・債券・為替市場(2)

(米国市場を更新します)

○米国株:大幅安。住宅ローン関連の損失拡大から銀行の貸し渋りへの懸念が広 がり、10月に記録した過去最高値から10%を超える値下がりとなった。

米銀大手のシティグループとバンク・オブ・アメリカ(BOA)、JPモル ガン・チェースはいずれも大幅安。ゴールドマン・サックス・グループがリポー トで、英銀大手HSBCホールディングスがさらに120億ドル(約1兆3000億 円)の貸倒引当金計上の可能性があると指摘したことが売り材料となった。住宅 金融のファニーメイ(連邦住宅抵当金庫)とフレディマック(米連邦住宅貸付抵 当公社)は、信用コスト上昇で利益が伸び悩むとのUBSの指摘が嫌気されて売 られた。また年末商戦で消費者の支出額が抑えられるとの見方から、小売りのタ ーゲットとメーシーズも下げた。

S&P500種株価指数は前週末比33.48ポイント(2.3%)安の1407.22 ポイント。年初来では0.8%の値下がり。ダウ工業株30種平均は前週末比

237.44ドル(1.8%)下げて12743.44ドル。年初来での値上がり率は2.2% に縮小した。ナスダック総合指数は前週末日55.61ポイント(2.1%)安の

2540.99で終了。年初来では5.2%の値上がり。ニューヨーク証券取引所(N YSE)の騰落比率は1対6だった。

キャボット・マネー・マネジメント(マサチューセッツ州セーラム)で5億 ドルの資産運用を監督するロバート・ラッツ社長は、「米経済の成長を支え続け るだけの体力が今の証券会社や銀行にあるだろうか。この疑問が投資家心理に圧 し掛かっている」と指摘。「片付けなくてはならない内部の問題や、出すべき膿 みは多いようだ」と付け加えた。

S&P500種の月初来の値動きはこの5年間で最悪の成績。産業別株価指数 の10種すべてが下落した。中でも金融株指数は2005年4月以来の安値。米連 邦準備制度の公開市場操作(オペ)を担当するニューヨーク連銀は26日、年末 にかけて「短期金融市場からの資金需要の高まりに対応する」ため、年末越えの 資金供給で80億ドルのレポを設定することを明らかにした。

10%の下げ

米国債市場では10年債利回りが2004年3月以来の水準に低下。安全を求 める資金が米国債に逃避した。

S&P500種とダウ平均はいずれも、10月9日に記録した過去最高値から

10.1%下げ、米国株式相場の調整が明確になった。

BOAは1.27ドル安の41.88ドル。JPモルガンは1.49ドル安の40.46 ドル。住宅ローン担保証券の引き受け最大手、リーマン・ブラザーズ・ホールデ ィングスは3.40ドル下げて57.46ドル。ブローカー最大手のメリルリンチは

2.31ドル安の51.23ドルで終了した。

「舵のない船」

金融専門局CNBCはシティグループが最大4万5000人の人員削減を実施 する可能性があると報道。これを受けてシティの株価は一時6.2%下げ、ダウ平 均採用銘柄の中で値下がり率トップとなった。シティは報道について、「具体的 な数字に関する報道は事実に反する」とコメントした。

アルパイン・ウッズ・キャピタル・インベスターズ(ニューヨーク州パーチ ェス)で120億ドルの資産運用に携わるピーター・コバルスキー氏はシティにつ いて、「CEOがいなくては舵のない船も同然だ」と語る。「評価損にしろ、レ イオフにしろ、市場で流れるうわさに対して明確に否定できる人物がいないのは 無防備だ」と付け加えた。

欧州銀最大手の英HSBCホールディグスは26日、傘下のストラクチャー ド・インベストメント・ビークル(SIV)2本を救済するため、同SIVの資 産(450億ドル相当=約4兆8784円)を引き受けると発表した。HSBCはS IVが保有する債券の投げ売り防ぐ考えだ。発表を受けて銀行株と証券株に売り が出た。

米銀大手のバンク・オブ・アメリカ(BOA)やシティグループ、JPモル ガン・チェースは同業の銀行各社に対し、SIVの資産を買い取るための基金「ス ーパーSIV」への参加を呼びかけている。

ファニーとフレディ

UBSのアナリストチームは住宅金融大手のファニーメイとフレディマック の投資判断を「買い」から「中立」に引き下げたほか、ファニーメイの株価見通 しを88ドルから31ドルに、フレディマック(米連邦住宅貸付抵当公社)を87 ドルから28ドルに下方修正した。

ファニーの終値は3.28ドル安の28.92ドル。フレディは1.97ドル下げて

24.50ドルで終えた。

○米国債:相場は上昇。10年債利回りは2004年3月以来の低水準となった。サ ブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローンでの損失懸念が米国株式相場の 下落につながり、安全性の高い米国債の魅力が高まった。

米ゴールドマン・サックス・グループのアナリストが英銀HSBCホールデ ィングスはさらに貸倒引当金120億ドルを用意する必要に迫られる可能性を指 摘したことから、30年債利回りが6年で最大の低下を記録した。米連邦準備制度 の公開市場操作(オペ)を担当するニューヨーク連銀は、2年ぶりとなる年末越 えの資金供給でレポを実施すると発表した。

ドイツ銀行プライベートバンク部門で120億ドルの債券トレーディングを 監督するゲーリー・ポーラック氏(ニューヨーク在勤)は、「株価が下落すると、 多くの投資家は、たとえ利回り水準が今のように低くても資産を債券へ振り向け る」と語った。

キャンター・フィッツジェラルドによると、ニューヨーク時間午後3時55 分現在、10年債利回りは前週末比17ベーシスポイント(bp、1bp=0.01ポイ ント)下げて3.83%。一時は2004年3月以来の低水準となる3.79%を記録し た。10年債価格(表面利率4.25%、2017年11月償還)は1 3/8上げて103 14/32となった。

30年債利回りは17bp下げて4.26%。一時は4.23%と、2005年7月以 来で最低を記録した。1日当たりの利回りの低下幅としては、米財務省が30年 債の発行停止を発表した2001年10月31日以来で最大。

HSBC、シティグループ

HSBCは傘下のストラクチャード・インベストメント・ビークル(SIV) 2本を救済するため、同SIVの資産を引き受けると発表した。HSBCはSI Vが保有する債券の投げ売りを防ぐ考えだ。

またシティグループの広報担当者クリスティーナ・プレット氏はコスト削減 策の見直しを明らかにし、「当社の業務と経済的な現実との整合性を図り、事業 効率とコスト効果を高めるための手段」が検討されていると述べた。同社は新最 高経営責任者(CEO)の選出作業を進めている。

銀行やその他金融機関はこれまでに住宅ローン関連の損失や評価損として 500億ドル以上を計上した。これを受けて投資家は比較的安全とされる国債投資 に資金を振り向けている。メリルリンチによると、11月23日までに米国債の月 間リターンは2.76%。同リターンは2003年9月には2.98%を記録した。

2年債利回りは16bp下げて2.9%。一時は2004年12月以来の低水準と なる2.88%まで低下する場面もあった。2年債利回りは10年債利回りを90b p下回ったが2年債と10年債の利回り格差は先週、2005年1月以来最大となる 101ポイントまで拡大した。

金利先物市場動向によると、12月11日のFOMC会合でフェデラルファン ド(FF)金利誘導目標が0.25ポイント引き下げられる確率は96%となってい る。

ニューヨーク連銀は26日、年末越えの資金供給で80億ドルのレポを設定す ることを明らかにした。同連銀は文書を通じ、「年末にかけて短期金融市場から の資金需要の高まりに対応する」と述べ、28日に第1回目の年末越えのレポ取引 を実施する。同レポは2008年1月10日に償還予定。

NY連銀はまた、年末時のFF金利がFOMCの設定した誘導目標を上回ら ないよう「十分な準備を供給する」方針を明らかにした。

TEDスプレッド

3カ月物ドル建てロンドン銀行間貸出金利(LIBOR)は4週間ぶり高水 準となる前週末比1bp上昇の5.05%。9営業日連続で上昇した。

3カ月物財務省短期証券(TB)利回りと3カ月物LIBORの利回り差で あるTEDスプレッドは1.92ポイントと、23日の1.82ポイントから上昇した。 3カ月物国債の利回りは9bp下げて3.12%。

米財務省は26日、28日に2年債入札(200億ドル)、29日に5年債入札 (130億ドル)を実施すると発表した。

○NY外為:円が対ドルで2年ぶりの高値に上昇した。米ゴールドマン・ サックス・グループが、英銀HSBCホールディングスがサブプライム (信用力の低い個人向け)関連でさらに120億ドル(約1兆3000億円) の貸倒引当金を用意する必要に迫られる可能性があるとの見方を示したこ とを受けて米国株が下落したことが背景だった。

円は主要16通貨すべてに対して上昇した。円はこの日、南アフリ カ・ランドとブラジル・レアルに対し最も上昇した。

ルーシュ・インターナショナルの通貨アナリスト、オマー・エシナ ー氏は、「円はリスク回避に関する主要な指標だ」と指摘。さらに、 「株価が一段安となれば、市場参加者はリスク回避に動き、円相場をさ らに押し上げるだろう」と述べた。

円は南ア・ランドとブラジル・レアルに対して前週末比約4%上げ た。

S&P500種は前週末比2.4%下落した。住宅ローン関連証券での損 失拡大懸念を受けて、シティグループとリーマン・ブラザーズ・ホール ディングス、メリルリンチが下げた。経済協力開発機構(OECD)は 22日、経済成長の減速と住宅価格の下落が相まって、米サブプライム住 宅ローン危機による損失が最大3000億ドル(約32兆6000億円)に達す るとの見通しを示していた。

金融部門の影響

オンライン外為取引会社ゲイン・キャピタル傘下のフォレックス・ ドット・コムの為替チーフストラテジスト、ブライアン・ドラン氏は、 「サブプライム関連で、金融セクターへの影響の拡大がみられており、 これが株価を抑えるとともに、円の押し上げ要因となっている」と述べ た。さらに、「リスクを取る買い手はますます少なくなりつつある」と 指摘した。

ゴールドマン・サックスグループの香港のアナリストらは24日付の リポートで、デフォルト(債務不履行)が拡大するなか、英銀HSBC がさらに120億ドルの貸倒引当金を確保する必要に迫られる可能性があ ると指摘していた。

スイス・フラン上昇

スイス・フランは主要16通貨のうち15通貨に対し上昇した。対ド ルでは前週末比0.5%高の1ドル=1.0962スイス・フランだった。ドル は23日にはスイス・フランに対し同1.089フランと過去最安値を付けた。

変動率が拡大し、低金利通貨を売り、高金利資産を買うキャリート レードのリスクが高まっている。

対円でのドルオプション1カ月物のインプライド・ボラティリティ ー(予想変動率)は14.6%と、今月初めの約9%から上昇している。

ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト調査によると、 全米不動産業者協会(NAR)が28日発表する10月の中古住宅販売件 数は500万戸(年換算)と、同統計の集計を開始した1999年以来で最低 となる見通し。

○英国債:10年債相場は前週末とほぼ変わらず。一時は軟調に推移したが値を戻 した。投資家の間では英景気減速の兆候からイングランド銀行による利下げ期待 が広がった。

10年債利回りは4.56%。同国債(2016年償還、表面利率4%)価格は

96.01。

2年債利回りは3ベーシスポイント(bp、1bp=0.01ポイント)上昇し

4.35%だった。

○欧州債:10年国債相場は前週末とほぼ変わらず。午前に下落したものの、英銀 HSBCホールディングスの米サブプライム(信用力の低い個人向け)関連損失 が予想以上に拡大する可能性が示唆されたことを受け、午後に値を戻した。

ゴールドマン・サックス・グループのアナリストらは、HSBCでは貸出 先のデフォルト(債務不履行)が拡大するにつれ、米サブプライム関連でさら に120億ドル(約1兆3000億円)の貸倒引当金を用意する必要に迫られる可能 性があるとして、HSBC株を売り銘柄に指定した。

BNPパリバ(ロンドン)の金利戦略責任者、シリル・ボージット氏は、 「すべては一連の悪いニュースと観測によるものだ。こうしたものはいつでも 債券相場の支援材料になり得る」と指摘した。

ドイツ10年国債の利回りはロンドン時間午後3時17分までに、前週末比 1ベーシスポイント(bp、1bp=0.01ポイント)未満上昇し4.02%。一時は

4.08%まで上昇した。同国債(2017年7月償還、表面利率4.25%)の価格は

0.06ポイント下落し101.74。

--*ニューヨーク・ニューズルーム   (1)(212) 893-3007

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