JPモルガン証の横山氏:長期金利、割高領域も勢いは低下―1.2%も

JPモルガン証券のチーフストラテジスト、 横山明彦氏は26日、ブルームバーグ・ニュースとのインタビューで、今週の債 券相場の見通しや週末にかけて発表される国内経済指標の影響、新発10年債利 回りのバリエーション(評価)などについて、以下のようにコメントした。

債券相場の見通しについて:

「先週末の海外市場で株価が戻しているので、今週は金利が上昇方向から 始まる展開とみる。ただ、これまでの金利低下の経緯は、10月中旬の米金融機 関の損失拡大に端を発している。金融機関の損失拡大のヘッドラインや、金利 低下のモメンタム(勢い)を中心に相場が動いているので、まだ金利低下の方 向に残っているとみている」

「今週の新発10年債利回りは1.37%から1.45%程度、先物12月限は下値 が137円ちょうどから上値は137円70銭までのレンジを見込んでいる」

10月の鉱工業生産指数や全国消費者物価指数(CPI)について:

「ここまで日米ともに景気指標がとくに悪化しているわけではなく、市場 がその先の景気失速を織り込んで金利が低下してきた経緯がある。今週末の国 内の指標のみで方向感が大きく変わることにはなりそうにない」

10年債利回りの水準に対する評価について:

「来年については短期市場の落ち着き、日本経済については先行き2%ペ ースでの経済成長が確実視されるといった蓋然(がいぜん)性が高まるといっ たシナリオで、日銀は年央以降、利上げ再開といったことになれば、1.4%から

1.9%というレンジになると思う」

「米国が景気失速でリセッション(景気後退局面)入りし、米連邦準備制 度理事会(FRB)が、200ベーシスポイント以上の利下げ、新興国市場も減速、 日銀が2008年通じて利上げできず、といったシナリオであれば、長期金利は

1.2%を試す展開になるかと思う」

「いま市場は、後者の非常に悲観的なシナリオの確率を5割程度まで織り 込んでいるところなので、バリエーション上は非常に割高な領域に入ってきて いるといえるが、現状はバリエーションよりもモメンタムが勝っている状況と いえる」

28日発表の米地区連銀景況報告(ベージュブック)について:

「このところ、市場の動きと、中央銀行からのメッセージとの乖離(かい り)が、日米ともに目立つ状況。比較的に楽観的というか、あまり景気後退を 織り込んでいないFRBからのメッセージに対して、市場は先行して景気の減 速、失速、思い切った利下げを織り込んできたとみられる。今週はベージュブ ック、バーナンキ議長の講演など、たて続けにFRBからのメッセージが出る が、12月やそれ以降の利下げをサポートする内容が見られないと、株の失望売 り、金利では長期金利主導での低下の展開になることが見込まれる」

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