米国債(23日):2年債反落、株高で「安全資産」需要が後退

米国債市場では2年債が反落。株価が上 昇したため、サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン絡みの損失に 対する懸念が後退し、「安全資産」としての短期債需要が弱まった。

2年債利回りは今週、2004年12月以来、初めて節目の3%を割り込んだ。 住宅不況から景気が失速することを防ぐため、米連邦公開市場委員会(FOM C)が追加利下げを実施するとの思惑が背景にあった。

ウェルズ・ファーゴ・キャピタル・マネジメント(ミルウォーキー)で約 30億ドルの資産を運用するジェイ・ミューラー氏は「米国債は今週、大幅高に なったが、このすべては質への逃避が原因だ。今日のような日は上昇の小休止 にすぎない」と述べた。

キャンター・フィッツジェラルドによると、ニューヨーク時間午後2時6 分現在、2年債利回りは前営業日比7ベーシスポイント(bp、1bp=0.01ポ イント)上昇し3.07%となっている。2年債(表面利率3.625%、償還期限 2009年10月)価格は前日比1/8下落の101 1/32。

米証券業・金融市場協会(SIFMA)の勧めにより、23日は午後2時ま での短縮取引だった。

2年債は週間ベースで6週連続上昇と、2002年以降で最長。利回りは16 日以来28bp低下している。

10年債利回りは前営業日比ほぼ変わらずの3.99%。週間では17bp低 下した。2年債利回りへの上乗せ幅は93bpと、05年1月以来で最大となった 21日から8bp縮小した。利回り差は利下げ予想を背景にした短期債への需要 を反映している。

景気失速

バークレイズ・キャピタルの米国債トレーダー、アダム・マッキロップ氏 (東京在勤)は「米景気は住宅不況を主因に失速しつつある。信用問題もあり、 株式市場で売り圧力が強まっている。そのため、債券相場は大幅高になった」 と述べた。

米国株は週間ベースでは下げたものの、この日は上昇。S&P500種株価 指数は年初来の騰落率をプラスに戻した。クリスマス商戦が予想を上回るとの 見方に加え、ドル安で米国の輸出企業の競争力が高まるとの思惑が買い材料と なった。欧州やアジアの株式相場も上昇した。

米紙ウォールストリート・ジャーナルによると、米大手銀行はストラクチ ャード・インベストメント・ビークル(SIV)から資産を買い取る、いわゆ る「スーパーSIV」を設立し、信用市場の回復を図る用意を整えた。SIV はコマーシャルペーパー(CP)市場で資金を調達し、資産担保証券(AB S)市場で運用する。

サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン担保証券の急落により、 メリルリンチやシティグループなど銀行の評価損は500億ドルを超えている。

LIBOR上昇

3カ月物ドル建てロンドン銀行間貸出金利(LIBOR)は8営業日連続 で上昇。前日比1bp上昇の5.04%となった。

3カ月物財務省短期証券(TB)利回りと3カ月物LIBORの利回り差 であるTEDスプレッドは今週に入って初めて低下し、1.87ポイントとなっ た。22日には8月20日以来で最高となり、信用市場での損失が深刻になると の懸念を反映していた。

3カ月物TB利回りは5営業日ぶりに上昇し、前営業日比13bp上昇の

3.22%となった。週間ベースでは20bp低下。

米10年債利回りは今週、2004年以来で初めて独10年債利回りを下回っ た。FOMCが利下げを続ける一方、欧州中央銀行(ECB)が金利を据え置 くとの見方が背景。

フェデラルファンド(FF)金利先物の動向はFOMCが12月11日の会 合で政策金利を4.25%に引き下がる確率が96%であることを示唆している。 前営業日は90%だった。

インフレ見通し

インフレ期待に敏感な10年債利回りは10年物インフレ連動国債利回りを

2.39ポイント上回っている。同利回り差は今後10年間のインフレ期待を示し ている。9月は2.18ポイントと年初来で最小だった。

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