日本株(終了)日経平均は午後戻して反発、業績や割安見直し商社高い

3連休を控えた東京株式相場は、午後に かけて日経平均株価が反発。新興国の成長をてこに業績拡大が続くとされた商 社や鉄鋼株などが切り返した。朝方に日経平均は年初来安値を更新したものの、 業績や割安さが見直され、決算を通じた悲観シナリオを織り込んだと指摘され た銀行株も高い。直近の円高傾向がコスト削減につながると見られた電気・ガ ス株、パルプ・紙株も堅調。

ミョウジョウ・アセット・マネジメントの露久保裕道ディレクターは、 「日本の米国向け輸出依存度は低下している。米国景気が減速しても新興国経 済の伸びに支えられ、企業業績のグロースシナリオは崩れない」と述べた。21 日発表の10月貿易収支によると、輸出に占める米国向けの比率は21%で、ア ジア向けは47%だった。

日経平均株価の終値は前日比51円11銭(0.3%)高の1万4888円77銭、 TOPIXは1.34ポイント(0.1%)安の1437.38。東証1部の売買高は概算 で23億4823万株、売買代金は同2兆9434億円。値上がり銘柄数は806、値下 がり銘柄数は802。

東証業種別33指数の騰落状況は、値上がり業種が16、値下がり業種が17。 卸売、医薬品、銀行、鉄鋼、電気・ガス、電気機器、化学が高い。半面、保険、 輸送用機器、不動産、機械、海運などが安い。

バリュエーションで売りにくく

日経平均は、午前に取引時間中の年初来安値まで売られながら、午後には 一転して反発。21日の海外市場でドル・円相場が一時1ドル=108円26銭と 2005年6月以来の高値となっていたものの、昼過ぎから円高の勢いがやや一服 して109円台まで戻す場面も見られると、電機株がプラスに浮上。大手商社や 鉄鋼、非鉄金属など市況関連株も次々と上昇に転じる銘柄が増加した。

ミョウジョウ・アセットの露久保氏は、「日本株は下値を試しながらも、 ダウンサイドリスクは次第に少なくなりつつある」と指摘。日経平均のPER (株価収益率)は21日時点で16倍を割り込み、東証1部配当利回りは1.56% と長期金利1.4%台を上回る水準にある。「バリュエーションやテクニカル面 から、一段と下値を売り込むには売り方も警戒感がある」(丸三証券の牛尾貴 投資情報部長)との見方があった。

業種面で上げをリードしたのは大手商社株。ブルームバーグ・プロフェッ ショナルによると、大手商社を含む卸売業のPER(株価収益率)は7月が15 倍だったが、現在は11倍まで低下した。2008年3月期の1株利益伸び率は

8.7%。これに対して東証1部全体の予想PERは16倍で、1株利益伸び率は

7.4%となっている。

銀行株も出直る

午前は下落していた銀行株も午後は上昇。三菱UFJフィナンシャル・グ ループの中間決算発表で大手銀行6グループの中間決算が出そろったが、本業 の低迷と米サブプライム関連損失の拡大が響き、6グループ純利益合計では前 年同期比45%減と落ち込んだ。9月中間期純利益が49%減と落ち込んだ三菱 UFJは午前に前日比2%安まで売られたが、結局3日ぶりの反発で終了。

銀行株は米サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン問題による 関連損失も懸念されており、通期では大手8グループで2948億円に膨らむ見 通し。「損失規模は欧米金融機関より少なく、決算が出そろったことで損失に 対する不透明感がひとまず払拭された」(丸三証の牛尾氏)という。

また、日興シティグループ証券の野崎浩成アナリストは22日付のリポー トで、銀行の大きな収益悪化要因の一つとなっているノンバンクビジネスにつ いて分析。ノンバンクビジネスが最悪のシナリオを想定しても、「現状の株価 は相当程度割安な水準で取引されているのが明らか」(野崎氏)と結論付けた。

クリスマス商戦見極め

日経平均は上昇したものの、TOPIXは続落して年初来安値を更新する など、全般は買い手控えムードも強かった。米国では22日の感謝祭の休日を 皮切りにクリスマス商戦が始まる。08年1月期の利益がアナリスト予想を下回 る可能性を示唆した米衣料品小売り最大手ギャップのグレン・マーフィー最高 経営責任者(CEO)は21日、年末商戦の経済環境が「厳しい」と話した。

みずほ投信投資顧問の岡本佳久執行役員は、「今年のクリスマス商戦はそ れほど高い伸びにはならないだろう」と予想しており、市場では今週末の同商 戦の出足を見極めたいとの声も聞かれた。米景気への警戒感が残る輸出関連株 では電機株が上昇した半面、自動車株や機械株は下落。米個人消費と為替に対 する不透明感が根強い状況をうかがわせた。

来週にはMSCIの銘柄見直し控える

なお、来週30日の取引終了の段階では、モルガン・スタンレー・キャピ タル・インターナショナル(MSCI)のスタンダード・インデックスにおけ る四半期ごとの定期組み入れ銘柄見直しが行われる。大和総研の橋本純一シニ アクオンツアナリストは「全般は影響がないレベルと考えて良い」との見方を 示した。

半面、四国電力や中国電力、小野薬品工業、北陸電力などの個別銘柄では 通常の売買代金と比べて相対的に売買インパクトが大きくなる銘柄があると分 析。これらの銘柄はファンドによる買いが入ることが期待され、「全般相場が 軟調な中で株価の下支えになることが期待される」(橋本氏)としていた。

新興市場は高安まちまち

新興市場は高安まちまち。東証1部でヤフーが急騰するなど、外部環境に 左右されにくく業績堅調な内需のネット関連株などを見直す流れが強まった。 ジャスダック指数の終値は前日比1.09ポイント(1.6%)高の71.41と6日ぶ り反発。東証マザーズ指数は4.84ポイント(0.6%)高の804.21と4日ぶりn に上昇した。一方、大証ヘラクレス指数は0.88ポイント(0.07%)安の

1216.04と続落した。

楽天やオプト、ミクシィ、ディー・エヌ・エー、アプリックス、エン・ジ ャパンが高い。半面、竹内製作所、スパークス・グループ、ACCESS、ア セット・マネジャーズは安い。

--共同取材:吉川 淳子  Editor:inkyo

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