日本株は続落、米景懸念と円高で輸出安い-三菱UFJも軟調(2)

3連休を控えた午前の東京株式相場は続 落。日経平均株価は取引時間中の年初来安値を2日ぶりに下回る場面があった。 米サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン問題の影響や円高による 収益先行き懸念から、輸出関連株や金融株中心に売りが継続。トヨタ自動車は 52週安値を更新し、2007年9月中間期純利益が前年同期比49%減となった三 菱UFJフィナンシャル・グループは3日続落。市況下落で商船三井が急落す るなど、海運株も安い。

みずほ投信投資顧問の岡本佳久執行役員は、「米国景気や為替など下期の 業績先行きに不透明要因が多い」と指摘。内需が弱い状況で、外需が減速すれ ば来期の企業業績は減益となる可能性があるとし、「来期増益への確信度が高 まるような状態にならなければ買いを入れにくい」(同氏)という。

午前終値の日経平均株価は前日比59円75銭(0.4%)安の1万4777円91 銭、TOPIXは11.93ポイント(0.8%)安の1426.79。東証1部の売買高は 概算で10億7863万株、売買代金は同1兆3134億円。値上がり銘柄数は581、 値下がり銘柄数は1038。

午前の東証業種別33指数の騰落状況は、値上がり業種が6、値下がり業 種が27。電気・ガス、医薬品、サービス、パルプ・紙が高い。半面、輸送用機 器、機械、保険、銀行、不動産、電気機器、鉄鋼などが安い。

住宅や景気先行指標で米経済に不透明感

取引開始後には株価指数が一時プラスに転じる場面も見られたが、買い一 巡後には輸出関連株や銀行株を中心に再び売り直された。全米不動産業者協会 が21日に発表した7-9月期の住宅販売価格は全米都市の約3分の1で下落 し、米民間調査機関コンファレンス・ボードによる10月の米景気先行指標総 合指数は前月比0.5%低下するなど米景気の不透明感が重しとなっている。

米国では、22日の感謝祭の休日を皮切りにクリスマス商戦が始まる。丸三 証券の牛尾貴投資情報部長は、「米クリスマス商戦は一般的に厳しいとの見方 が多く、その結果次第では来週の相場は厳しい見通しになる」と警戒。「商戦 を見極めるまでは上値を買うだけの材料に乏しい」(同氏)と話す。

21日には08年1月期の利益がアナリスト予想を下回る可能性を示唆した 米衣料品小売り最大手ギャップ株は2年ぶりの大幅下落を記録。同社のグレ ン・マーフィー最高経営責任者(CEO)は年末商戦の経済環境が「厳しい」 と言及した。

一方、信用市場での損失拡大が世界景気の成長を損なうとの見方から、外 国為替市場では円高が進行している。海外時間ではドル・円相場が一時1ドル =108円26銭と2005年6月以来の高値となった。東京時間午前も108円台半 ばでの動きとなっている。円高による為替差損の発生などから21日にはユニ デンが08年3月期の連結業績予想を下方修正しており、自動車や電機、機械 などの輸出関連株は業績先行き懸念から売りが継続した。

海運株が急落、銀行株も安い

業種別では海運株の下げが目立った。海運株指数は21日に4.8%安と急落 したが、きょうも3.4%安と続落。午前の東証1部業種別下落率で2位となっ た。商船三井や日本郵船、川崎汽船など上場10銘柄中9銘柄が下げた。石炭 や鉄鋼石などを運搬するばら積み船の運賃指標となるバルチック・ドライ指数 は、21日も前日比1.2%安と続落した。「収益依存度の高い北米の景気失速懸 念と原油高が収益を圧迫し、業績先行きは厳しくなりそう」(みずほ投信の岡 本氏)という。

また、銀行株も安い銘柄が増加した。みずほフィナンシャルグループが売 買代金首位で続落し、ふくおかフィナンシャルグループや横浜銀行なども軟調。 三菱UFJフィナンシャル・グループの中間決算発表で大手銀行6グループの 中間決算が出そろったが、本業の低迷と米サブプライム関連損失の拡大が響き、 6グループ純利益合計では45%減と落ち込んだ。21日の米国ではサブプライ ム評価損拡大が警戒されてフィラデルフィアKBW銀行株指数は6日連続安と なっており、世界的な金融株売りの流れも懸念された。

しまむらやIHIにも売り

個別では、三菱UFJ証券が投資判断を引き下げた日本合成化学工業が急 落して東証1部値下がり率2位となった。JPモルガン証券が投資判断を「中 立」に引き下げたしまむらは大幅安で、多額損失調査で中間決算発表を12月 14日に延期するIHIは続落した。日清食品と共同で冷凍食品国内最大手の加 ト吉を買収し、3社の冷凍食品事業を統合すると発表したJTは4日連続安。

一段の下値売り込みには警戒も

もっとも、午前の株価指数は結局マイナスながら、日経平均1万6700円 割れの水準では売りの勢いが低下する傾向も見られた。日経平均のPER(株 価収益率)が21日時点で16倍を割り込み、東証1部配当利回りは1.56%と長 期金利1.4%台を上回る水準にある。「バリュエーションやテクニカル面から 一段と下値を売り込むには売り方も警戒感がある」(丸三証の牛尾氏)といい、 3連休を控えて「大なポジションを持ちたくない」(新光証券エクイティ情報 部の三浦豊シニア・テクニカルアナリスト)意向もあったようだ。

ディフェンシブは堅調、テクモは上昇率トップ

半面、米国景気の不透明感を背景として、景気動向に左右されにくいディ フェンシブ関連株が上げた。東京電力をはじめとして円高メリット株でもある 電気・ガス株指数が3日続伸となったほか、武田薬品工業などの医薬品株も上 げた。また、円高メリット業種のパルプ・紙株も堅調。

個別では、みずほ証券が投資判断を引き上げたソニーが反発。08年3月期 の利益予想を増額修正したナカノフドー建設、日興シティグループ証券が投資 判断を格上げした日本電波工業も急伸。CLSAアジアパシフィック・マーケ ッツが投資判断を引き上げたテクモは東証1部値上がり率トップとなった。

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