日本株は輸出中心に連日安値へ、米景気と円高警戒-銀行も安い(2)

3連休前の東京株式相場は続落し、連日 で終値ベースの年初来安値を更新する見通し。住宅価格の低下傾向から、米サ ブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン問題による景気への影響が懸 念され、投資リスクを回避する動きが強まりそう。円高進行による収益の先行 き不透明感からトヨタ自動車など輸出関連株が安く、収益低迷が確認された銀 行株にも売りが膨らむとみられる。

野村証券金融経済研究所の若生寿一シニアストラテジストは、「サブプラ イム発の動揺が続いており、日経平均株価は1万4500円攻防となりそうだ」 と見ている。さらに若生氏は、「来週にかけて1万4000円程度までで底を確 認する可能性がある」と警戒感を示した。

シカゴ先物市場(CME)の日経平均先物12月物の21日清算値は1万 4705円で、大阪証券取引所の通常取引終値(1万4820円)に比べて115円安 だった。

リスク回避の動き鮮明、米長期金利4%割れ

全米不動産業者協会が21日に発表した第3四半期(7-9月)の住宅販 売価格中央値は、住宅ローン貸し出し基準の厳格化から2%低下。全米都市の 約3分の1で下落した。米民間調査機関コンファレンス・ボードによる10月 の米景気先行指標総合指数は前月比0.5%低下し、ブルームバーグ・ニュース がまとめたエコノミスト予想中央値(0.3%低下)を下回った。住宅ローンの 返済不履行からの損失が、景気全般に波及するとの懸念が強まっている。

21日の米国株市場では、米サブプライム住宅ローン問題による評価損拡大 が警戒された金融株が下落。金融機関のパフォーマンスを示すフィラデルフィ アKBW銀行株指数は前日比1.4%安で6日連続安となり、S&P500種投資 銀行・証券会社指数は終値で年初来安値となった。マネーは株式から安全資産 である債券へと流れ、米国債相場は上昇。10年債利回りは2005年以来で初め て4%を下回るなど、リスク回避の動きが鮮明化している。

米主要株価3指数の終値は、S&P500種株価指数が前日比22.93ポイン ト(1.6%)安の1416.77ポイント、ダウ工業株30種平均は同211.10ドル (1.6%)安の12799.04ドル、ナスダック総合指数は34.66ポイント (1.3%)安の2562.15ポイント。なお、22日の米金融市場は感謝祭の祝日で 休場となる。

海外で108円台前半に

一方、信用市場での損失拡大が世界景気の成長を損なうとの見方から、低 金利の円で資金を調達して高金利通貨で運用する円キャリー取引の解消が加速。 21日の海外外国為替市場ではドル・円相場が一時1ドル=108円26銭と、108 円台前半まで円高が進展。2005年6月以来の高値となった。

円高や米景気の不透明感が収益に与える影響が懸念され、輸出関連株はき ょうも売りが先行する可能性がある。21日の米国の預託証書(ADR)市場で は、トヨタ自動車が20日の東京市場終値比1.4%安、キヤノンが1.5%安、ソ ニーが1.9%安などとなった。

銀行株も下落見通し

三菱UFJフィナンシャル・グループが21日に2007年9月中間期決算を 発表し、与信関係費用が負担となって純利益は前年同期比49%減となった。同 社の発表で大手銀行6グループの中間決算が出そろったが、本業の低迷に加え て、米サブプライム住宅ローン関連損失の拡大が響き、6グループ純利益合計 では45%減の9479億円にとどまった。低金利が続くことで通期も減益見通し となっており、収益環境の厳しさがあらためて確認され、売りが増加すると予 想される。

ユニデンやジーンズが安くなる公算

個別では、円高による為替差損の発生などから08年3月期の連結業績予 想を下方修正したユニデン、11月(20日締め)の既存店売上高が前年同月比

10.8%減と低迷したジーンズメイト、貸倒引当金繰入額の増加によって9月中 間期連結純利益が落ち込んだ十六銀行などが収益失望から安くなる公算。

半面、国内外での携帯電話向け販売が増加し、9月中間期の連結経常利益 が前年同期比24%増となったオーハシテクニカ、産業用加工品や調理食品類の 高付加価値商品へのシフトが進んで2007年10月期業績が堅調だったアヲハタ などは相対的に底堅い展開が予想される。

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