NY外為:円が対ドルで2年ぶり高値-世界的な景気減速懸念(2)

ニューヨーク外国為替市場では円がド ルに対して約2年ぶり高値をつけた。信用市場での損失が拡大し世界の経済成 長が損なわれるとの見方から、投資家は低金利の円で資金を調達し、高金利通 貨で運用する円キャリー取引を解消した。

豪ドルや南アフリカ・ランド、ニュージーランド(NZ)・ドルは円に対 して下落した。米連邦公開市場委員会(FOMC)がリセッション(景気後 退)回避のために追加利下げを実施するとの観測が広がり、ドルはユーロとス イス・フランに対して最安値をつけた。

マン・グローバル・リサーチのシニア通貨アナリスト、マイケル・マルピ ード氏(シカゴ在勤)は、「市場参加者は世界経済成長の鈍化を懸念しており、 高リスク資産から逃避している。これが円上昇につながった。関係者はさらに 悪材料が出てくるのを恐れている」と語った。

ニューヨーク時間午後4時現在、円がドルに対して1.4%上昇して108円 48銭、11月9日以来で最大の値上がりだった。一時は2005年6月以来の高 値となる1ドル=108円26銭をつける場面もあった。円は対ユーロで1.2% 上げて161円18銭、一時は160円08銭をつけた。

キャリー取引通貨

豪ドルは円に対して3.8%下落して94円49銭、月初からの下落率は

12.5%に拡大した。NZドルは対円で3.2%下げて81円44銭。南アフリ カ・ランドは3.1%下落した。

ドルはユーロに対して0.2%下げて1.4864ドル。一時は最安値の

1.4870ドルまで売られた。対スイス・フランでのドルは0.4%下落して、1 ドル=1.1018スイス・フランだった。

ドルは一時、投資家が質への逃避で米国債を買い求めたことから、対ユー ロで1.4776ドルまで上昇していた。

英ポンドはユーロに対して0.2%下落して71.93ペンスと、2003年以 来の安値。イングランド銀行(英中銀)が早ければ来月にも政策金利を現行水 準の5.75%から引き下げるとの観測が背景。

円はキャリー取引解消の動きで主要16通貨すべてに対して値上がりした。 日本の政策金利は0.5%と先進国のなかでも最低水準にある。オーストラリア は6.75%、ニュージーランドは8.25%、円と同様にキャリー取引の資金調達 通貨として利用されるスイスの政策金利は2.75%。

下落するドル

フレディマック(連邦住宅貸付抵当公社)が20日発表した四半期決算が 創業以来最大の赤字だったほか、FOMCが2008年の経済成長率見通しを引 き下げたことから投資家のリスク許容度が後退した。ゴールドマン・サックス は21日、フレディマックの株価見通しを引き下げ、2008年の業績予想も下 方修正した。

主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE)のドル指数 は74.944と73年の指数算出開始以来で最低だった。

ドルは年初来、主要16通貨のうちメキシコ・ペソと韓国・ウォン以外の 通貨に対して下落している。FOMCは住宅問題などを背景に今年、2度の利 下げを決定した。企業はサブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローンに 関連した証券の追加評価損を公表している。

ドルは年初から対ユーロで11.2%、対円で8.9%、スイス・フランに対 しては9.6%それぞれ下落している。

金利先物市場動向によると、12月11日のFOMC会合でフェデラルフ ァンド(FF)金利誘導目標が0.25ポイント引き下げられる確率は90%とな っている。1カ月前は同72%だった。

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