松下電産:今期の北米での売上高、前期比5%以上の増収が可能(3)

家電世界最大手、松下電器産業の海外事業 全般を統括する大月均常務取締役は21日、ブルームバーグ・ニュースのイン タビューで、9月中間期に落ち込んだ北米での売上高について今期(2008年3 月期)全体では「5%以上の増収は可能」だと語った。

米での下半期巻き返しの具体策として、世界最大のシェアを持つプラズマ テレビによる「一本足」だけでなく、関連製品にもてこ入れ。販売体制でも大 量納入のため価格下落が進みやすい「全国量販店一辺倒」の色彩を薄め、値崩 れの小さい「地域量販」も強化するとしている。

大月氏によると「5%」は、米家電協会(CEA)が今期の同国の家電販 売の業界平均として示している数字。CEAは製品別には①パソコン②携帯音 楽プレーヤー③大画面テレビ-の順に寄与し、この伸びになると予測している。

同常務は松下電産が、北米では寄与度1位のパソコンと2位の携帯プレー ヤーの存在感は薄いものの、3位の大画面テレビに関連して、プラズマだけで なく、根強い販売実績を持つDVD(デジタル多用途ディスク)レコーダーや、 デジタルカメラ、ホームシアターといった関連商品も伸ばし、業界平均以上の 増収を確保する方針だと説明した。

プラズマ復調

松下電産の9月中間期での北・中南米(米州)の売上高は6402億円と、 前年同期比6%減少した。大部分を占める米国での薄型テレビ販売が不振に見 舞われたため。米州での営業利益も同57%減の61億円と大幅減益。欧州やア ジア、中国など他地域では売り上げ、利益とも好調なだけに、北米での下半期 巻き返しがポイントとなっている。

松下電産のプラズマテレビ販売は第1四半期(4-6月)に、米国で昨年 の年末商戦在庫が春まで残り、高精細製品の現地投入も遅れたことから、世界 全体の売上高が前年同期比1%減と、初の前年割れを起こしていた。

ただ、大月氏によると、米国での在庫は9月段階では減少して「正常な水 準」に回復。米でのプラズマテレビ売上高は台数ベースで、9月は前年同月比 51%、10月は同60%の伸びを示している。

住設以外は影響なし

大月常務は、米国でのサブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン 問題に関して、下半期に入り換気扇など住宅設備機器の販売に響いてきてはい るものの、「住設以外ではほとんど影響は無い」と語った。

円高についても、12月まで為替予約を「ほとんど終えている」のに加え、 下半期の想定レートを1ドル=105円と、現行の108円水準よりも円高方向に 「保守的」にしていることから、悪影響は当面回避できるとの認識を示した。

大坪文雄社長は10月末の決算説明会で、米国での販売体制を再構築中だ とコメント。サブプライム問題の影響は中間期では「全くなかった」として、 下半期のばん回に意欲を示していた。世界でのプラズマテレビ500万台、液晶 テレビ400万台という今期の販売目標は据え置いていた。

松下は現行の中期経営計画で09年度の売上高を前期比9.8%増の10兆円、 ROE(株主資本利益率)10%以上、売上高営業利益率8%達成(前期実績

5.0%)を掲げる。前期の売上高が9兆1082億円だったため、3年間で約1兆 円増やすことになるが、うち7000億円強は海外で稼ぐ計画。

大月氏は3月の説明会では、今期の欧州での売上高を前期比で「10%程度 増やす」方針を示し、薄型テレビやデジカメなど重点商品の販売体制強化や配 送体制の迅速化などにより実現するとしていた。

松下電産の株価終値は、前日比110円(4.8%)安の2170円。

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