10月の貿易黒字額は前年比で3カ月連続増-アジア向けなどが下支え

10月の日本の貿易黒字額は前年同月比で3 カ月連続増加した。輸出は米国向けが前月に続いて減少したが、アジアや欧州 連合(EU)向けが下支えした。輸入は2カ月ぶりでプラスに転じたものの、 1けた台の低い伸びにとどまった。

財務省が21日発表した貿易統計速報(通関ベース)によると、10月の貿易 黒字額は前年同月比66.1%増の1兆186億円。輸出額は同13.9%増の7兆5155 億円、輸入額は同8.6%増の6兆4969億円だった。ブルームバーグ・ニュース がエコノミスト38人を対象に事前調査したところでは、9月の貿易収支(原数 値)の黒字額は予想中央値で1兆548億円が見込まれていた。

日本経済は引き続き外需にけん引されているが、米サブプライム(信用力 の低い個人向け)住宅ローン問題をきっかけに米国景気の減速懸念が一段と高 まっており、対米輸出などの輸出動向から目を離せない状況下にある。

第一生命経済研究所の柵山順子副主任エコノミストは発表前のリポートで、 米国向けの輸出は弱い伸びが続いたと予想したうえで、「インフラ整備用の建設 機械などの需要が強い中国を筆頭に、高い伸びが続くアジア向けが下支えとな り、輸出全体では堅調さを保った」と指摘した。

対米向け輸出は前年同月比8.5%減

発表によると、米国向けは前年同月比8.5%減の7173億円と2カ月連続で 減少した。これに対し、アジア向けは同59.5%増の7473億円、EU向けは同

51.4%増の4759億円。他地域向けの輸出が米国向けの落ち込みを支える構図が 続いている。

先行きについて柵山氏は「輸出の増加ペースはやや弱まるが、好調なアジ ア経済にけん引され増加基調が続く」との見方を示している。

モルガン・スタンレー証券の佐藤健裕チーフエコノミストは同じく発表前 に、好調な輸出と内需低迷による輸入の伸び悩みにより、10月の貿易収支は大 幅な黒字になると予想。先行きについては、「米国経済の減速が予測されるもの の、アジア経済は好調を維持する見込み。欧州の一部に弱い動きがみられるが、 世界経済は概ね堅調に推移しており、輸出は緩やかな増勢が続く」と予想して いた。

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