サブプライム「生き残り会議」の憂うつ-危機は長引き、さらに悪化へ

その会議は「生き残り組会議」と名付けら れた。11月の初め、資産担保証券で生計を立てる2000人が、米フロリダ州オー ランドのJWマリオット・ホテルに集まった。発言者らは次々と、なぜ2008年 が過去最悪の年になるかを説明し続けた。

それどころか、大手金融機関のトップを辞任に追い込み450億ドル(約4 兆9400億円)超の評価損を発生させた米国のサブプライム(信用力の低い個人 向け)住宅ローン危機は09年まで続く恐れもある。

ドイツ銀行のアナリスト、マイケル・マヨ氏は「この手の危機は、大方の 当初の予想よりも長引くものだ」として、「今回のは特に動きが遅い」と話す。

米住宅急減速の悪影響は広がり続ける。住宅ローン担保証券とそれを裏付 けにした債務担保証券(CDO)の価値下落が近い将来に止まる気配はない。 インスティチューショナル・リスク・アナリストリティクスのクリストファー・ ウェーレン氏によれば、8000億ドル規模の証券の裏付けとなっている住宅ロー ンの多くがデフォルト(債務不履行)に陥るのはこれからだからだ。

ウェーレン氏はデフォルトが急増すると予想し、当初低く設定されていた 変動金利型のサブプライムローンの金利はこれから上昇するからだと説明した。 クレディ・スイス・グループによると、8月末時点でデフォルトに陥っていた サブプライムローンは460億ドル相当。住宅物件数にして22万5000戸になる。 09年にはこれが3倍強の1430億ドル規模となり、最終的には10年またはそれ 以降に約2700億ドル、152万戸分のローンがデフォルトすると試算されている。

アルパイン・ウッズ・インベストメントで運用に携わるピーター・コバル スキ氏は「住宅価格が下げ止まるまでは」、金融機関の「評価損は終わらない だろう」と予想する。ドイツ銀のマヨ氏は12日に、全世界でのサブプライム関 連の損失額は最終的に4000億ドルに達する可能性があると指摘した。

業績悪化・人員削減

評価損は金融機関の利益を押し下げる。07年上期のCDO発行額2位の米 銀シティグループの07年10-12月(第4四半期)は赤字となる見込みだ。巨 額評価損はチャールズ・プリンス最高経営責任者(CEO、当時)の辞任につ ながったが、職を失うのはCEOばかりではない。大手金融機関は07年1-10 月に2万4000人超の削減を発表している。

サブプライム危機はインターネット株バブルと同様に、何年にもわたって 消費や成長に影を落とすかもしれない。オーランドでの会議で、次のリセッシ ョン(景気後退)を恐れる参加者らは例年のようなお祭り気分ではなかったよ うだ。ベアー・スターンズ主催のパーティーでは、午後9時にわずか10人が残 ってカリプソ(西インド諸島のトリニダードで黒人の間に生まれた民族音楽) を聴きながら身の不運を嘆き合っていた。

今回初めて会議に参加したキーフ・ブリュイエット・アンド・ウッズのア ナリスト、ボーズ・ジョージ氏は米経済に暗い見通しを抱いている。「与信は 成長の原動力だった。今回の問題が景気に影響しないはずがない。事態はこれ からさらに悪くなるだろう」と同氏は話す。

生き残らなかったのは

同氏にとって唯一の明るい要素は、調査にたっぷり時間をかけられること だ。同氏が担当していた15社のうち、アメリカン・ホーム・モーゲージ・イン ベストメントやニュー・センチュリー・ファインシャルなど6社は、もう生き 残っていない。

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