NY外為:円が全面高-信用不安でキャリー解消、1ドル=109円台(2)

ニューヨーク外国為替市場では円が主要16 通貨に対して上昇。投資家が信用市場での損失を懸念し、低金利の円で資金を 調達し、高金利通貨で運用する円キャリー取引を解消したのが影響した。

ブラジルのレアル、南アフリカのランド、ノルウェーのクローネ、カナダ・ ドルおよび豪ドルは円に対して下落した。ドルは中東の湾岸協力会議(GC C)加盟6カ国が通貨切り上げを検討すると述べたことが材料となり、対円で

1.1%下げた。

カリヨン証券のシニア通貨ストラテジスト、ジョナス・スリン氏は、「市場 参加者は非常に神経質になっている。彼らはサブプライム(信用力の低い個人 向け)ローン問題や信用問題の最悪局面はまだ迎えていないと、冷静な見方を 持っている。この見方を背景に円に買いを入れ、高リスク資産を売却してい る」と語った。

ニューヨーク時間午後4現在、円は対ドルで109円82銭まで上昇した。対ユ ーロでの円は1.1%上昇し、1ユーロ=161円06銭だった。ドルは対ユーロで はほぼ変わらずの1.4665ドル。スイス・フランはドルに対し0.2%上昇し、

1.1153スイス・フラン。一時は1ドル=1.1152スイス・フランと、1995年4月 以来の高値をつけた。

スリン氏は年末までに、ドルがユーロに対して1.50ドルまで下落する可能性 があるとみている。

ドルは一時、ユーロに対して1.4621ドルまで上昇した場面もあった。中国人 民銀行の周小川総裁が、同国が強いドルを支持すると発言したのが手がかりだ った。一方、欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁はG10が「外国為替相場 の行き過ぎた変動と秩序のない動きは経済成長にとって望ましくない」との見 解で一致したと語った。

英ポンドはドルに対して下落。英最大の不動産ウェブサイト、ライトムーブ によると、11月の英住宅価格はロンドンを除くすべての地域で下落したことか ら、イングランド銀行(英中銀)が利下げを実施するとの見方が広がった。1 ポンド=2.0495ドルと、前週末の同2.0547ドルから下落した。一時は最大、

2.0452ドルまで売り込まれた。

米ゴールドマン・サックスのアナリストが19日付のリポートで、シティグ ループが向こう2四半期で債務担保証券(CDO)に関連して150億ドルの評 価損を計上する可能性があると指摘。このリポートをきっかけに円が主要16 通貨に対して上昇した。

湾岸協力会議(GCC)

GCCのアティーヤ事務局によると、サウジアラビア、アラブ首長国連邦 (UAE)、カタール、オマーン、バーレーン、クウェートの6カ国で構成さ れるGCCは12月3-4日に会合を開催、通貨の切り上げについて話し合う 見通しだ。

アラブ首長国連邦(UAE)のスルタン・ビン・ナセル・スワイディ中央銀 行総裁は先週、外貨準備の10%を目標にユーロに移行するとの見解を述べ、 「一部はすでに多様化させている」ことを明らかにした。

ドルの下落

ドルは年初来、メキシコ・ペソ以外の主要15通貨で下落している。FOM Cは住宅問題などを背景に今年、政策金利を5.25%から4.5%に引き下げた。 企業はサブプライム住宅ローンに関連した証券の追加評価損を公表している。

金利先物市場動向によると、12月11日のFOMC会合でフェデラルファン ド(FF)金利誘導目標が0.25ポイント引き下げられる確率は96%となって いる。1カ月前は同72%だった。

全米ホームビルダー協会(NAHB)が発表した11月の米住宅市場指数は 19と、前月と一致。1985年の指数導入以来の最低水準にとどまった。同指数で 50を下回る数値は住宅建設業者の多くが現況を軟調とみていることを示す。

米ハーバード大学のマーティン・フェルドシュタイン教授はニューヨークで 開かれた会議で米国がリセッション(景気後退)に陥る可能性を阻止するため にはFOMCはFF金利を4%未満に引き下げるべきとの見解を示した。

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