米国債:10年債利回り一時4.04%、金融不安で「質への逃避」

米国債相場は上昇。米ゴールドマン・ サックスのアナリストがシティグループについて総額150億ドルの評価損を計 上する必要があるかもしれないと指摘。サブプライム(信用力の低い個人向 け)住宅ローン絡みの損失が拡大するとの思惑から国債買いが優勢になった。

キャンター・フィッツジェラルドによると、ニューヨーク時間午後4時 16分現在、10年債利回りは前週末比9ベーシスポイント(bp、1bp=0.01 ポイント)低下の4.08%。一時は4.04%と、05年9月以来の低水準となっ た。2年債利回りへの上乗せ幅は92bpと05年3月以来で最大となった。利 回り曲線の鋭角化は利下げ観測から短期債を中心に買いが入っていることを示 している。

住宅不況を背景に投資家が短期資産に資金を逃避させたため、上昇は2年 債がけん引した。ゴールドマンのアナリスト、ウィリアム・タノナ氏はシティ の投資判断を「売り」に引き下げた。住宅ローン不履行増加の影響が業績を圧 迫するとの見方が理由。

UBSセキュリティーズの米国債ストラテジスト(ニューヨーク在勤)、 ウィリアム・オドネル氏は「米債券市場はサブプライムの悪影響が信用市場や 金融業界全体に波及するかどうかに注目している」と述べた。

2年債利回りは18bp低下し3.17%。一時は3.12%と、05年1月以来 の水準まで低下した。2年債(表面利率3.625%、償還期限2009年10月) 相場は11/32下落の100 27/32。

利回り曲線の鋭角化

フェデラルファンド(FF)金利先物相場の動向によると、米連邦公開市 場委員会(FOMC)が12月11日の定例会合でFF金利の誘導を4.25%に 引き下げる確率は98%と、前週末の90%から上昇した。

9月からFOMCが利下げを始めたにもかかわらず、債券市場の動揺は収 まっていない。混乱時には逃避資金が流れ込む財務省短期証券(TB)の利回 りは8月に達した低水準近くにとどまっている。

フェデレーテッド・インベスターズのシニア・ポートフォリオ・マネジャ ー、ジョゼフ・バレストリノ氏は「投資家は身を潜め、安全と防衛を求めてい る。リスク回避の動きがかなり際立っている」と語った。

3カ月物TB利回りは5bp低下の3.36%。9日には3.05%と8月以来 の低水準となった。

リセッション見通し

米国がリセッション(景気後退)入りすると予想するエコノミストの割合 が2カ月間でほぼ倍増したことが、全米企業エコノミスト協会(NABE)の 最新調査で明らかになった。NABEが10月22日から11月6日に実施した 調査によれば、今後1年以内にリセッション入りする可能性が50%以上だとみ るエコノミストは50人中9人。9月に同様の見方をしていたのは46人中5人 だった。

シティグループの投資判断引き下げを受け、米国株は下落。S&P500種 株価指数は1.8%安、ダウ工業株30種平均は1.7%下落した。

米国債利回りは今四半期、米国株とほぼ同じ動きになっている。2年債利 回りとダウ平均の相関係数は10月1日以来、約0.95と、7-9月期の0.39 を大幅に上回っている。係数1は完全な相関関係を示す。

銀行間の貸出が消極的になっており、3カ月物ドル建てロンドン銀行間貸 出金利(LIBOR)は前週末比3bp上昇の4.98%。過去4営業日では 11bpの上昇と、5.73%に達した9月7日以来で最大となった。

米国債は全米ホームビルダー協会(NAHB)が午後発表した11月の米 住宅市場指数を受けて高値圏を維持した。同指数は19と、前月(速報値は 18)と一致。1985年の指数導入以来の最低水準にとどまった。

モルガン・スタンレーのグローバル・ウェルス・マネジメント・グループ の債券ストラテジスト、ケビン・フラナガン氏は「株式相場が暴落しない限り、 国債市場は考え得るすべての買い材料をほぼ織り込んでいる。国債相場は行き 過ぎている感がある」と述べた。

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