日本株(終了)日経平均が安値に、融資凍結観測で中国関連株下げる

週明けの東京株式相場は午後に崩れ、日 経平均株価の終値は4営業日ぶりに年初来安値を更新。市況悪化や中国の融資 凍結報道から商社株や鉄鋼株、非鉄金属株など中国経済発展の恩恵を受けてき た関連業種、銘柄が幅広く売られた。海運は東証1部の業種別下落率でトップ。 また、日経平均のサイコロジカルラインは16年ぶりに1勝11敗を記録、景気 や企業業績の先行き不透明感を背景とした日本株見送りの現状が鮮明になった。

日興アセットマネジメントの宮森芳夏シニアストラテジストは、「10月の 共産党大会後から中国の年内融資凍結の観測は出ていた」と指摘。仮に融資凍 結で景気が減速するなら、「中国株暴落と雇用問題の深刻化、社会や政治の不 安につながる可能性がある」(同氏)と予測した。

日経平均株価の終値は、前週末比112円5銭(0.7%)安の1万5042円56 銭と3日続落。TOPIXは15.06ポイント(1%)安の1456.61と続落した。 東証1部の売買高は概算で19億1435万株、売買代金は同2兆2842億円。値 上がり銘柄数は356、値下がり銘柄数は1287。

東証業種別33指数の騰落状況は、値上がり業種が6、値下がり業種が27。 銀行、医薬品、保険、空運、陸運が高い。半面、卸売、機械、鉄鋼、海運、非 鉄金属、化学は安い。

中国関連株が売られる

きょうの下落で目立ったのは中国関連株だ。中国経済に対する先行き不透 明感を背景に、市況関連株が幅広く売られた。石炭や鉄鋼石などを運搬するば ら積み船の運賃指標となるバルチック・ドライ指数は16日に前日比0.6%安と 3日続落し、商船三井や第一中央汽船など海運株が下落。海運株は東証1部業 種別下落率首位となった。

また、19日付の米紙ウォールストリート・ジャーナル紙(オンライン版) は、中国銀行業監督管理委員会(銀監会)の匿名の幹部の話として、急拡大す る投資と経済成長を抑制するため中国政府が商業銀行各行に対し、年内いっぱ い融資を凍結するよう指示したと伝えた。

銀監会の報道官は同報道内容を否定したものの、三井物産や丸紅が6%超 まで売られるなど商社株には売りが増加。コマツや日立建機など機械株、新日 本製鉄をはじめとする鉄鋼株、住友金属鉱山といった非鉄金属株もそろって安 くなった。住宅市場の低迷で米国経済減速に対する懸念が払しょくできないだ けに、世界経済のけん引である中国経済への不安は市場も敏感に反応。卸売、 鉄鋼、機械、非鉄金属が東証1部で軒並み値下がり率上位5業種を独占した。

日経平均は16年ぶりの1勝11敗

先週末16日の米国株の安定による円安を背景として、午前は日経平均が 一時148円(1%)高まであったものの、午後には失速した。直近12営業日 の騰落状況を示すサイコロジカルラインは、日経平均ベースで1勝11敗(上 昇1日、下落11日)となり、1991年12月2日以来、16年ぶりの水準に低下 した。前回は、1勝11敗が3営業日連続で続いた。

市場では、「米サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン関連の 金融機関の損失はすべて明らかになっておらず、円高リスクは消えていない」 (中央三井アセットマネジメントの寺岡直輝運用部長)として、企業業績に対 する不安感が値強い。

三菱UFJ証券の藤戸則弘投資情報部長によると、1万5000円割れはP ER(株価収益率)が16倍を下回る水準に相当する。きょう日経平均は年初 来安値となって再び1万5000円台が意識されつつあるが、「『売られ過ぎ』 以外の買い材料に乏しい」(中央三井アセットの寺岡氏)という。

米国では19日に11月NAHB住宅市場指数、20日に10月住宅着工・許 可件数とFOMC(米連邦公開市場委員会)議事録など重要経済指標の発表が 控えている。住宅市場の状況と金融政策の方向性を見極めたいとして売買代金 も先週末と同様に低水準で、11月に入ってからの平均を18%下回るなど模様 眺めムードも強い。岡三証券の藤木宏和ストラテジストは、「週末から米国で ホリデーセールが始まるため、サブプライム問題の個人消費への影響など実態 経済への影響を見ていきたい」と話している。

セントファが値下がり1位

個別では、引き続き業績悪化銘柄の急落が相次いだ。08年3月期純損益が 黒字予想から一転赤字に転落する見通しとなったセントラルファイナンスは、 急落して東証1部の値下がり率1位。08年3月期の営業利益予想を引き下げた 三井松島産業が同2位となり、同じく15日に業績悪化を発表したアークは値 幅制限いっぱいのストップ安が続いて同4位となった。子会社が明太子などの 賞味期限を偽装していたと午後に発表したニチモウも急落。モルガン・スタン レー証券がアンダーウエートに格下げしたコジマはストップ安。

厳冬関連株が上昇、D&MやJR東海も大幅高

半面、三陽商会やユナイテッドアローズ、ファーストリテイリング、しま むらなどが東証1部値上がり率上位にそろって登場するなど、アパレル関連の 上げが目立った。19日の日本経済新聞朝刊は、海洋現象「ラニーニャ」が顕著 なことで今冬は寒い冬になる可能性が出てきたと報道。厳冬による冬物販売商 品の増加期待が高まった。ウインタースポーツ用品の販売を行うゼビオ、アル ペンなども買われた。

このほか、2008年3月期連結経常利益予想を増額した山口フィナンシャル グループが東証1部値上がり率2位と急騰。08年3月期利益を増額した宮地エ ンジニアリンググループ、08年3月期予想の増額修正と自社株買いを同時発表 した阿波銀行もともに急伸となった。大和総研が「1(買い)」に格上げした ディーアンドエムホールディングス、ドイツ証券が「買い」に引き上げた東京 応化工業、UBS証券が投資判断を「BUY」に引き上げたJR東海も大幅高。

新興市場も下げる、業績は足元好調

国内新興市場も下げた。日経平均が年初来安値となるなど相場全般の環境 悪化から、3指数ともじり安となった。ジャスダック指数の終値は前週末比

0.75ポイント(1.1%)安の70.99と3日続落、東証マザーズ指数は17.05ポ イント(2%)安の823.09と反落、大証ヘラクレス指数は34.04ポイント (2.7%)安の1232.95と3日続落した。

オプト、テレウェイヴ、ミクシィ、アセット・マネジャーズ、マネースク ウェアが安い。半面、インテリジェンス、フルスピード、ターボリナックスは 高い。

一方、野村証券金融経済研究所がまとめた最新業績動向(14日時点までに 発表を済ませた企業)によると、新興3市場の07年第2四半期(7-9月) は前年同期比38%増(JASDAQ7.1%増、マザーズ44%増、ヘラクレス33 倍)となった。第1四半期(4-6月)は同33%増で、同研究所では新興市場 の業績モメンタムは好調に推移していると見ている。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE