日本株:輸出や銀行中心に小反発、外部環境安定-終盤伸び悩み(2)

午前の東京株式相場は小反発。急速な円 高進行の一服や米国株高など外部環境の安定が好感され、採算性の改善期待か らトヨタ自動車やソニー、ホンダ、松下電器産業、オリンパスなど輸出関連株 が買われた。みずほフィナンシャルグループなど銀行株にも、実体面への評価 が支えとなって過度の悲観修正で高くなる銘柄が目立った。時価総額上位銘柄 が堅調だったため、値下がり銘柄数が多い中でも指数はプラスを維持した。

中央三井アセットマネジメントの寺岡直輝運用部長は、「相場が過度の悲 観に振れる中でも日経平均1万5000円からの下値は堅かった」と指摘。その 反動が原動力となり、「企業業績に比べた割安感やテクニカル面に着目した買 い戻しが入った」(同氏)という。

午前終値の日経平均株価は、前週末比43円21銭(0.3%)高の1万5197 円82銭。ただ、取引中ごろに一時148円(1%)高の1万5302円まで上昇し た状況からすると、終盤は急速に伸び悩んだ。TOPIXは0.09ポイント (0.01%)高の1471.76。東証1部の売買高は概算で7億6278万株。値上がり 銘柄数は515、値下がり銘柄数は1077。

東証業種別33指数の騰落状況は、値上がり業種が13、値下がり業種が20。 電気機器、輸送用機器、銀行、保険、医薬品、不動産が高い。半面、卸売、機 械、鉄鋼、海運、食料品、その他金融、非鉄金属は安い。

行き過ぎた悲観の揺れ戻し

週明けの東京市場は米国株や為替市場など外部環境の落ち着きを背景とし て、行き過ぎた悲観に対する揺れ戻しの動きとなった。先週は米サブプライム (信用力の低い個人向け)住宅ローン問題が実体景気に波及する影響を懸念し、 日経平均は2度に渡って取引時間中に心理的節目である1万5000円を割り込 んだ。しかし、終値ベースでは1万5000円をそろって回復しており、目先の 下値めどとして意識されやすい状況となっている。

三菱UFJ証券の藤戸則弘投資情報部長によると、1万5000円割れはP ER(株価収益率)が16倍を下回る水準。先週末15日時点でのTOPIXの 配当利回りは1.48%であり、長期金利1.46%と比較しても相対的な割安感が 出てくる。PERや配当利回りなどから判断して、「1万5000円割れは年金 資金が買い出動してくるだろう」(藤戸氏)と見ていた。

また、テクニカル面からはサイコロジカルラインが16日時点で16.67% (2勝10敗)と2005年10月以来の低水準にあるほか、騰落レシオは67%と 経験的に売られ過ぎとされる70%以下となっている。

輸出関連と銀行が高い

午前の株価指数上昇に貢献したのは輸出関連株と銀行株の上げだ。先週末 16日に発表された10月の米鉱工業生産指数は前月比0.5%の低下と今年1月 以来で最大の低下幅となったものの、米株式相場はS&P500種株価指数が前 日比7.59ポイント(0.5%)高の1458.74と3日ぶりに上昇した。

株価堅調によって外国為替市場ではリスク選好的な高金利通貨買い・円売 りにつながるとの連想が生じやすくなり、東京時間午前のドル・円相場は1ド ル=110円台後半とやや円安が進展。一時期の急激な円高の勢いが小康状態を 保っていることで、「バリュエーション低さやテクニカル面などから輸出関連 株の押し目買い意欲につながっている」(東海東京調査センターの矢野正義マ ーケットアナリスト)という。

また、相場全体の落ち着きや先週末発表のりそなホールディングスの業績 堅調などから、銀行株もメガバンク3銘柄がそろって売買代金上位3位までを 占めて上昇した。中央三井アセットの寺岡氏は、「欧米金融機関の損失で銀行 株に対する心理は悲観に振れていたことから、本業など実体面を見て、行き過 ぎを修正する動きが一部にある」としていた。

下値リスク残り伸び悩む

株価指数の上値の重さも顕著だった。値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を 大きく上回ったほか、売買代金も午前で1兆円割れと、約3週間ぶりの低水準 だった16日と同水準。日経平均は一時148円(1%)高までありながらも急 速に伸び悩んだ。寺岡氏は、「サブプライム関連の損失はすべて明らかになっ ておらず、円高リスクは消えていない」と指摘。相場に明らかな底入れ感はま だ出ておらず、売られ過ぎ以外の買い材料には乏しいと見ている。

ドル・円相場は、午前9時15分ごろには一時111円に乗せたものの、そ の後は円高修正の動きも鈍り、取引終了にかけて日経平均が伸び悩む一因にも なっている。

D&Mや東応化が急伸

個別では、大和総研が「1(買い)」に格上げしたディーアンドエムホー ルディングス、ドイツ証券が「買い」に引き上げた東京応化工業、いちよし経 済研究所が割安に格上げしたユナイテッドアローズがそろって急伸。UBS証 券が投資判断を「BUY」に引き上げたJR東海も大幅高となった。

このほか、9月中間期の連結純利益が前年同期比52%増と伸び、JPモル ガン証券が目標株価を引き上げたソニーフィナンシャルホールディングスが3 日ぶりに反発。2008年3月期連結経常利益予想を増額した山口フィナンシャル グループと木村化工機もそれぞれ大幅高となった。

海運や商社は下げ転換、セントファは急落

半面、バルチック取引所(ロンドン)のばら積み船の運賃指標となるバル チック・ドライ指数が16日に3日続落となり、商船三井など海運株が下落。 三井物産や三菱商事、新日本製鉄など市況関連株も朝高後に次第に売られた。

08年3月期純損益が黒字予想から一転赤字に転落する見通しとなったセン トラルファイナンスは、急落して午前の東証1部値下がり率首位。モルガン・ スタンレー証券がアンダーウエートに格下げしたコジマ、08年3月期連結営業 利益見込みを減額修正したミサワホームはそれぞれ大幅安。第3四半期累計の 連結経常利益の通期に対する進ちょく率が18%にとどまった三井海洋開発は値 幅制限いっぱいのストップ安となった。

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