米国債(16日):ほぼ変わらず、FRB高官発言で追加利下げ観測後退

米国債相場はほぼ変わらず。米連 邦準備制度理事会(FRB)高官の発言で、早い時期の追加利下げ見通 しが後退した。

クロズナーFRB理事は16日、今後数カ月間に出てくる経済指標は 「厳しい局面」を反映することになろうが、それ自体では追加利下げを 正当化するほどではないだろうとの見方を示した。この発言を受けて、 債券利回りは2005年以来の低水準から上昇する場面もあった。また、セ ントルイス連銀のプール総裁は米通信社ダウ・ジョーンズ(DJ)の取 材に応じ、信用市場の問題解決について「楽観的」にとらえていると述 べた。

ファースト・パシフィック・アドバイザーズ(ロサンゼルス)で28 億ドル相当の債券運用に携わるトマス・アテベリー氏は、「FRB高官 は12月のFOMCで追加利下げが実施されるとの市場の見方をそらそう としている」との見方を示した。さらに、「住宅ローンや信用市場の問 題が引き続き発展し、市場参加者の懸念を引き起こしている」と述べた。

キャンター・フィッツジェラルドによると、ニューヨーク時間午後 4時11分現在、2年債利回りは前日比3ベーシスポイント(bp、1bp =0.01ポイント)上昇し3.35%。一時は05年2月以来の低水準となる

3.28%まで低下した。2年債(表面利率3.625%、償還期限2009年10 月)相場は前日比2/32下落の100 1/2。

10年債利回りは前日比3bp上昇し4.17%。10年債利回りは2 年債利回りを81bp上回った。

金利見通し

フェデラルファンド(FF)金利先物相場は、12月11日の米連邦 公開市場委員会(FOMC)で政策金利が4.25%に引き下げられ る確率を86%とする市場の見方を示唆している。前日の同確率は94%だ った。

RBSグリニッチ・キャピタルで30年債の取引に携わるトム・マク グレード氏は「市場は25bpの利下げを強く要求しており、FOMCは窮 地に立たされている状況で、12月の会議でも前回と同様な事態に直面し ている」指摘した。さらに、「この日のクロズナーFRB理事の発言は、 FRB高官が市場の見通しをそらす一連のパターンに過ぎない」との見 方を示した。

週間ベースでは2年債相場は5週連続の上げとなった。住宅リセッ ションで米景気が失速するとの懸念が背景だった。2年債利回りは前週 比8bp低下。一方、10年債利回りは5bp低下した。

調整局面

RBCキャピタル・マーケッツの債券トレーダー、ショーン・マー フィー氏は、「市場ではこれまで質への逃避がみられたが、やや調整に さらされている」と指摘した。

時価総額で米証券最大手のゴールドマン・サックス・グループは、 信用市場の損失で銀行など金融機関は貸し出しを最大2兆ドル削減する 可能性があるとの試算を明らかにした。

スタンダード・チャータードの政府債トレーディング責任者、マイ ケル・フランゼーセ氏(ニューヨーク在勤)は「評価損の規模がどの程 度になるかは分からない。誰もがもっと悪い状況になると予想している 市場では不安が解消されずに鬱積しているようだ」と話した。

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