11月15日の海外株式・債券・為替市場(3)

(米国株を更新します)

○米国株:続落。ウェルズ・ファーゴが住宅市場は大恐慌以来で最悪の状況だと の見解を明らかにしたことが嫌気された。投資家の間で、住宅金融ファニーメイ (米連邦住宅抵当金庫)は直近の決算で信用市場での損失を隠していたとの観測 が広がった。

ウェルズ・ファーゴはホームエクイティの損失は2008年も拡大すると述べ たことが嫌気され、売られた。ファニーメイは2年ぶり安値に下落した。百貨店 大手JCペニーは2005年以来の安値。減益決算のほか業績見通しの下方修正が 材料視された。

S&P500種株価指数は前日比19.43ポイント(1.3%)安の1451.15。 ダウ工業株30種平均は同120.96ドル(0.9%)低下し13110.05ドル。ナス ダック総合指数は25.81ポイント(1%)下げて2618.51で終了した。ニュー ヨーク証券取引所(NYSE)の騰落比率は1対3。

ドイツ銀行プライベート・ウエルス・マネジメントの最高投資責任者(CI O)ベンジャミン・ペース氏は、「われわれは7-9月期で貸し倒れがすべて明 らかになるなどと考えていたが、その見方はやや正確さを欠いていた」と語った。

住宅ローン提供業者

サブプライム住宅ローンの借り手によるデフォルト(債務不履行)の影響で、 金融株価指数は年初から18%下落、S&P500種の伸びは2.3%にとどまって いる。JCペニーの決算内容を受けて市場参加者は、年末商戦を前に個人消費が 減速するとの懸念をさらに強めた。

ウェルズ・ファーゴは7-9月期に提供した830億ドル相当のホームエクイ ティローンのうち貸し倒れ比率は0.77%だったことを明らかにした。

ファニーメイは10%安。フォーチュン誌によると同社は、差し押さえられた 物件の住宅ローンに関連する会計処理方法を変更したことから、今年1-9月期 の貸し倒れ比率は4ベーシスポイント(bp、1bp=0.01ポイント)となってい るが、ファニーメイが11月9日に米証券取引委員会(SEC)に提出した文書 に基づくと7.5bpとなる。

ファニーメイの広報担当は文書を通じ、2007年の貸し倒れ比率は4-6b pとみていると述べた。

カントリーワイド・ファイナンシャルも売られた。

シティグループも下落。米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は 15日のコラム「ハード・オン・ザ・ストリート」で、住宅ローン証券の価値がさ らに下落した場合、大手金融機関の評価損はまだ増えるとの見方を報じた。WS Jは80億-110億ドルの第4四半期評価損の可能性を示唆したシティグループ にもさらなる痛みが待っている可能性があると伝えた。

JCペニーは8-10月期決算が3四半期ぶりに減益だった。当期純利益は1 株当たり1.17ドルと前年同期の同1.26ドルから減少した。また07年11月- 08年1月の1株利益を1.65-1.80ドルと、前回予想の同2.41ドルから下方 修正した。

鉱工業株、商品株

S&P500種に採用されている銘柄のうち鉱工業株で構成される株価指数は

1.3%安。電機大手ゼネラル・エレクトリック(GE)や電子コネクター・防犯 システム大手タイコ・インターナショナルはいずれも下落した。

GEは傘下のGEアセット・マネジメントの運用するファンドが住宅ローン 担保証券(MBS)を中心に約2億ドルの損失を被ったことを明らかにした。

タイコは7-9月(第4四半期)決算が前年同期比で36%の減益だった。6 月に実施した会社分割に伴うコストが引き続き圧迫した。

原油と金属相場の下落を背景に資源株も落ち込んだ。

石油大手のエクソンモービルは8月以来の安値を記録、シェブロンも下げた。 ニューヨークの原油先物相場は下落。エネルギー省が発表した週間の在庫統計で、 原油とガソリン在庫が予想外に増加したことが売り材料となった。

S&P500種のエネルギー株価指数は2.3%安だった。

○米国債:相場は上昇。英銀バークレイズが米サブプライム(信用力の 低い個人向け)住宅ローン関連証券で損失を計上したことから、短期 米国債に対する質への逃避動向が強まった。

2年債利回りは10年債利回り以上に低下。12月の米連邦公開市場 委員会(FOMC)で信用市場のてこ入れを目指し、追加利下げが実施 されるとの観測が強まったことが背景だった。3カ月物TBの利回りも 低下。米資産担保コマーシャルペーパー(ABCP)の発行残高が過去 14週間にわたり減少していることが一因だった。

リバーソース・インスティチューショナル・アドバイザーズで運用 に携わるコリン・ランドグレン氏は「先月の評価損公表が口火を切り、 このところ連日、評価損のニュースが続いている。この結果、質への逃 避先として、米国債が買われている」と述べた。

キャンター・フィッツジェラルドによると、ニューヨーク時間午後 3時34分現在、2年債利回りは前日比16ベーシスポイント(bp、1bp =0.01ポイント)低下し3.34%。一時は05年2月以来の低水準となる

3.33%まで低下した。5年債利回りは同11bp低下し3.71%。一時は 05年7月以来の低水準3.69%を付ける場面もあった。10年債利回りは 前日比8bp低下の4.17%。10年債利回りは2年債利回りを81bp上 回った。

ユナイテッド・ネーションズ・フェデラル・クレジットユニオン (運用資産13億ドル)の最高投資責任者、クリストファー・サリバン氏 (ニューヨーク在勤)は「利回り曲線が鋭角化するにはほぼ完全な環境下にあ る」と指摘。「債券市場は12月のFOMCでの追加利下げを予想している」 と述べた。

TB利回り

バークレイズは15日、米サブプライム住宅ローン市場危機に関連し、 13億ポンド(約2980億円)の評価損を計上したと発表した。ウェル ズ・ファーゴは、同行の住宅ローン市場での損失が第4四半期に拡大し、 08年も大幅損失を継続するとの見方を示した。

S&P500種株価指数やダウ工業株30種平均ばかりでなく、欧州やアジ アの株価指数もこの日は下落。過去6週間、米国債利回りと米国株相場はほ ぼ常に同方向の動きとなっていた。

フェデラルファンド(FF)金利先物相場は、12月11日の米連邦 公開市場委員会(FOMC)で政策金利が4.25ポイントに引き下げられ る確率を94%とする市場の見方を示唆している。同確率は前日は72%だ った。

消費者物価指数

米労働省が15日に発表した10月の米消費者物価指数(CPI、季 節調整済み)は前月比0.3%上昇。ブルームバーグ・ニュースが実施し たエコノミスト予想の中央値と一致した。9月も0.3%上昇だった。10 月は前年同月比では3.5%上昇と、前月(2.8%上昇)から伸びが加速。 2006年8月以来で最大となった。変動の大きい食品とエネルギーを除い たコア指数は10月に前月比0.2%上昇と、エコノミスト予想と一致した。 この指標発表後に米国債相場は上値を伸ばした。

通常の10年債利回りは、10年物インフレ連動債(TIPS)の利 回りを2.37ポイント上回った。

ベアリング・インベストメント・サービシズ(ロンドン)で運用に 携わるアラン・ワイルド氏は「市場はインフレ統計にやや敏感になって いる」と指摘。さらに、「景気は引き続き妥当なペースで拡大してい る」と述べた。

○NY外為:ドルや円、スイス・フランが南アフリカやニュージーランドの 通貨に対して上昇した。信用市場での損失や株安に対する懸念から高利回 り資産を売る動きになった。

南ア・ランドが円に対して2.3%安、対ドルで1.9%安と下げが目立った。 カナダやノルウェー、オーストラリア、ブラジルの各通貨も下落した。米国債 に安全資産としての買いが入り、ドルは上昇した。

バンク・オブ・ニューヨーク・メロンのシニア通貨ストラテジスト、マイ ケル・ウールフォーク氏は「信用市場の問題は続いている。予想されたように 金融危機の余震が続いているため、リスク資産の持ち高を縮小し、円やドルに 回帰する動きになっている」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時7分現在、ドルは対ユーロで前日比0.2%上昇 の1ユーロ=1.4619ドル。一時は1.4605ドルまで上昇する場面があった。 円は対ドルで0.9%高の1ドル=110円29銭。対ユーロでは1.1%高の1ユ ーロ=161円25銭。主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(I CE)のドル指数は76.028と、前日の75.814から上昇。9日には74.978 と、1973年の指数導入後の最低水準を記録した。

G20会議

ポールソン米財務長官は南アフリカ共和国のケープタウンで開かれる20 カ国財務相・中央銀行総裁会議(G20)を前に同行記者団に対し、「米経済は 成長を続け、長期の基本的な強さが通貨に反映される。ドル高は米国にとって 大きな利益だ」と述べた。

ドルは対ユーロで年初から9.7%下落。米連邦公開市場委員会(FOM C)が9月から2回利下げを実施したため、ドル建て資産を敬遠する動きとな った。

3カ月物財務省短期証券(TB)利回りは9ベーシスポイント(bp、1bp =0.01ポイント)低下の3.30%。信用市場の動揺から安全資産としての買い が入り、ドル高につながった。

日本とスイスの政策金利がそれぞれ0.5%、2.75%と先進国の中で低いた め、資金調達通貨となっている。リスク回避の動きが強まると、円やフランを 買い戻し、調達した資金の返済に充てるため、両通貨への需要が強まる。

円は主要16通貨に対して上昇。オーストラリア・ドルとニュージーラン ド・ドルは対円でそれぞれ1.9%、2%下落した。スイスフランは対ユーロで

0.4%高の1ユーロ=1.6402フランと、前日の1.6469フランから上昇した。

カナダ・ドルは米ドルに対して1.9%安の1カナダ・ドル=1.0149米ド ルとなった。原油や金が下落し、カナダの商品輸出が抑制されるとの思惑が広 がった。7日には1.1040米ドルと、1950年に同国が変動相場制に移行して 以来の最高値を更新していた。

ポンド

ポンドは対ドルで3週間ぶりの安値を付け、対円でも下げた。10月の英小 売売上高指数が前月比で低下し、イングランド銀行が政策金利を現行の

5.75%から引き下げるとの思惑が強まった。対ユーロでは1ユーロ=71.67 ペンスと、2003年6月以来の低水準になった。

○英国債:相場は上昇した。10月の英小売売上高指数が9カ月ぶりにマイナスと なったことを受けて、イングランド銀行が政策金利を引き下げるとの観測が強ま った。

英銀3位のバークレイズが、米サブプライム(信用力の低い個人向け)住 宅ローン関連の評価損として約13億ポンド(約2980億円)を計上したと発 表したことも、相場を支える要因となった。

英2年債利回りは前日比9ベーシスポイント(bp、1bp=0.01ポ イン ト)低下の4.59%と、2006年5月以来の低水準となった。同国債(2009年 12月償還、表面利率5.75%)価格は0.19ポイント上昇し102.25。10年債 利回りは5bp低下の4.68%となった。

英政府統計局(ONS)が15日発表した10月の小売売上高指数は前月比

0.1%低下と、予想に反してマイナスとなった。9月は0.3%上昇(改定値) だった。エコノミスト予想では0.1%上昇と見込まれていた。

○欧州債:2年国債相場は4営業日ぶりに反発。アジアと欧米各国株式相場が 下落したのを受けて、安全資産としての債券の需要が増した。

英国FT100指数は1.2%安、さらにドイツのDAX指数は1.4%下落 した。米S&P500種株価指数も取引が下がって始まった。また、英銀3位の バークレイズがこの日、米サブプライム(信用力が低い個人向け)住宅ローン 市場の問題に関連し、13億ポンド(約2980億円)の評価損を計上したと発表。 これも債券相場の押し上げ要因となった。

レゾルーション・インベストメント・マネジメントのファンドマネジャー、 スチュアート・トムソン氏(グラスゴー在勤)は、「現在の環境下では、投資 家心理と株式相場の動きが債券相場を大きく左右している」と指摘した。

ドイツ2年国債の利回りはロンドン時間午後4時1分までに、前日比4ベ ーシスポイント(bp、1bp=0.01ポイント)低下し、3.86%となった。同国 債(2009年9月償還、表面利率4%)の価格は前日比で0.06ポイント上昇 し100.24となった。

--*ニューヨーク・ニューズルーム   (1)(212) 893-3007

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