東京外為:円がもみ合い、サブプライムの疑心暗鬼続く―株価にらみ

午前の東京外国為替市場では円がもみ合い。 対ドルでは1ドル=111円台前半から後半で上下する、方向感に欠ける展開とな った。日本株の底堅さを背景に、投資家のリスク許容度が保たれるとの見方か ら円売りに傾斜する場面も見られたが、サブプライム(信用力の低い個人向け) 住宅ローン問題に対する市場の疑心暗鬼が続くなか、円の下値を追う動きは限 られた。

新生銀行キャピタルマーケッツ部の政井貴子部長は、為替が引き続き株に らみの展開であることは変わらないと指摘。「サブプライム関連の話も日替わり で、ボトムラインは変わってはいないものの、新しいニュースが出なければ調 整するという、行ったり来たりの相場が続いている」と説明する。

円は売り買い交錯

14日の海外市場ではアジア株に続き、欧州株も堅調に推移したことから、 ドル・円は一時、1ドル=111円76銭(ブルームバーグ・データ参照、以下同 じ)と3営業日ぶりの水準まで円安が進行、ユーロ・円も1ユーロ=164円30 銭まで円売りが進んだ。

その後、米株式相場が引けにかけて反落したことで、15日の東京市場にか けては円の買い戻しが先行。対ドルでは111円11銭、対ユーロでは162円74 銭まで円が値を戻した。しかし、日本株が反発して始まると、再び円売りが優 勢となり、公表仲値が設定される午前10時にかけては一時111円69銭まで、 対ユーロでは163円74銭まで軟化。押し目買いにぶつかった後は、もみ合いに 転じた。

三菱東京UFJ銀行市場業務部の佐原満上席調査役は、五・十日(ごとう び)に絡んで仲値にかけては国内輸入企業のドル買いが入りやすい一方、「米国 債の利払い日にも当たるため、ドル売りも出やすく、材料的にはミックス」と 指摘。その上で、112円近辺から113円にかけては輸出企業からのドル売り注文 がかなり入っているといい、112円ぐらいでいったんドルの上値は重くなるとみ ている。

15日午前の東京株式相場は続伸。日経平均株価は小幅高で始まった後、下 落に転じる場面もあったが、すぐにプラスに転じ、一時は前日比87円75銭 (0.6%)高の1万5587円まで上昇。12日の急落局面で開けたチャート上の「窓」 を埋めた。

疑心暗鬼で株価にらみ続く

米ベアー・スターンズのサミュエル・モリナロ最高財務責任者(CFO) は14日、過去2カ月間にサブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン関 連資産の保有分を半分に縮小し、9-11月(第4四半期)に計上する評価損を 12億ドル(約1340億円)に限定したと明らかにした。一方、米格付け会社ムー ディーズ・インベスターズ・サービスはベアー・スターンズの長期格付け「A 1」を引き下げる可能性があると発表した。

13日には米ゴールドマン・サックス・グループが住宅ローン関連資産の大 幅な評価損計上は計画していないと表明したことなどが好感され、米国株は過 去2カ月で最大の上げとなった。しかし、14日には10月の米小売売上高の伸び 鈍化や原油価格の大幅反発から個人消費の減速懸念が強まり、米国株は引けに かけて反落した。

三菱東京UFJ銀の佐原氏は、「サブプライム関連の損失に絡む新たな材料 が出ることに対して、市場がまだ疑心暗鬼になっており、基本的にはドルの上 値が重いトレンドが続いている」と指摘。ただ、前日までの株価の堅調推移を 見ると、過剰な悲観論は若干後退している感もあるといい、目先はドル・円が もみ合う展開になるとみている。

また、ブラウン・ブラザーズ・ハリマン外国為替部の久保信明バイスプレ ジデントは、「株価にらみのなか、住宅市場絡みの金融機関の損失というような 材料を吟味するような相場展開は変わらない」といい、引き続き株価動向主導 の展開を予想している。

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