世銀:07年の東アジア成長率見通し8.4%に上方修正-中国経済が好調

世界銀行(世銀)は15日発表した年2回 のリポートで、日本とインド亜大陸を除いた東アジアの2007年成長率が8.4% と、約10年ぶりの高成長になるとの見通しを示した。米国向け輸出が伸び悩 むものの、中国の景気拡大がそれを補うとの見方を示した。

世銀は4月時点で7.3%成長を予想しており、今回のリポートで成長率予 想を上方修正した。来年は8.2%成長に減速すると予想している。

世銀は「米国の輸入がすでに大幅に鈍化し、東アジアで輸出が若干減速し ているものの、同地域の経済は今年、好調に推移している」と指摘。その上で、 「設備稼働率は前回の世界的な景気軟化局面と比べかなり高くなっており、域 内企業の事業基盤も一段と強固になっている」と説明した。

中国は、輸出や設備投資の急拡大を追い風に、貿易黒字が過去最大に、外 貨準備高は世界トップとなっている。旺盛な需要を背景に中国が原材料などを アジアの近隣諸国から輸入することで、同地域は米国の輸入伸び悩みによる悪 影響を相殺している。

世銀は今年、中国の07年成長率見通しを2回引き上げており、現時点で

11.3%成長を見込んでいる。来年は10.8%への減速を予想する。世銀は今回の リポートで、10月に約10年ぶりの高水準となった中国のインフレ率が年内に 「徐々に低下する」との見通しを示した。

サブプライム(信用力の低い個人向け)問題に関しては、「サブプライム 住宅ローン危機やそれに伴う信用収縮、さらに原油高によって、米国を中心に 先進諸国がより深刻な景気低迷に直面する可能性は大きい」と指摘。「米国の リセッション(景気後退)が現実のものとなった場合、東アジアの経済成長に も深刻ではないにしろ、かなりの下押し圧力がかかるだろう」としている。た だ、「米国発のサブプライム危機は今のところ、東アジアにほとんど悪影響を 与えていない」との見方を示した。

世銀は東南アジアのマレーシアやフィリピンなどの中所得国や、アジアN IES(新興工業経済地域)と呼ばれる韓国やシンガポール、香港、台湾の成 長率見通しも引き上げた。

世銀の成長率見通しは次の通り。

                      4月時点の         11月時点の
                      予想               予想
                     2007     2008      2007     2008

East Asia             7.3      7.1       8.4       8.2
China                 9.6      8.7      11.3      10.8
Southeast Asia        5.5      5.7       5.7       5.8
 Indonesia            6.3      6.5       6.3       6.4
 Malaysia             5.6      5.8       5.7       5.9
 Philippines          5.6      6.0       6.7       6.2
 Thailand             4.3      4.5       4.3       4.6
Newly Industrialized  4.6      5.0       5.1       5.1
 Hong Kong (SAR)      5.3      5.1       5.8       5.2
 Singapore            5.5      5.6       7.4       6.4
 South Korea          4.5      5.0       4.8       5.1
 Taiwan (China)       4.1      4.6       4.6       4.6
Small Economies       6.0      5.8       6.4       6.2
Vietnam               8.0      8.0       8.3       8.2
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