NY外為:円続落、対ドルで111円台-サブプライム懸念が緩和

ニューヨーク外国為替市場では円 が主要16通貨のうち14通貨に対して続落。サブプライム(信用力の低 い個人向け)住宅ローン関連証券に絡んだ損失が拡大するとの懸念が緩 和し、円売りが優勢になった。

ベアー・スターンズは14日、過去2カ月間にサブプライム住宅ロー ン関連資産の保有を半分に縮小したことを明らかにした。ポンドはユー ロに対して4年ぶりの安値を付けた。イングランド銀行が来年に利下げ を実施する可能性を示唆。一方、7―9月期のユーロ圏経済成長率は予 想を上回ったため、ポンド売り・ユーロ買いが優勢になった。南アフリ カ・ランドとブラジル・レアルは対円でそれぞれ1.6%高、0.8%高と上 昇が目立った。

スコシア・キャピタルの通貨戦略共同責任者、カミラ・サットン氏 は「金融セクターからひどい内容のニュースが出ない限り、円は引き続 き軟調に推移するだろう」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時現在、円は対ドルで前日比0.4%安の1 ドル=111円35銭。対ユーロでは0.7%安の1ユーロ=163円6銭とな っている。ドルは対ユーロで0.3%下落の1ユーロ=1.4644ドル。

金融機関の社債保有リスクが低下したため、日本で資金を調達し、 高利回り通貨で運用する「円キャリー」取引が活発になった。銀行や保 険会社などのデフォルト(債務不履行)に対する保証コストを示すiT raxx金融指数のクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)スプ レッドは、4ベーシスポイント(bp、1bp=0.01ポイント)低下して49 bpとなった。

ポンド

ポンドは対ユーロで1ユーロ=71.36ペンスと、2003年以来の安値 を付けた。イングランド銀行が発表した物価報告で、インフレリスクが 「均衡」していると指摘、2008年に少なくとも1回の利下げを実施する 必要があることを示唆した。キング英中銀総裁はロンドンで記者会見し、 「来年に経済成長が急速に鈍化すると予想している」と述べた。

マン・グローバル・リサーチのシニア通貨アナリスト、マイケル・ マルピード氏(シカゴ在勤)は「ユーロ買い・ポンド売りの強い需要が ある。ポンドが現行水準付近で天井を付けるというのが最も妥当な結論 だ。英中銀は利下げ局面に入るかもしれない」と述べた。

南ア・ランドは主要16通貨に対して上昇した。南アフリカ準備銀行 のムボウェニ総裁がインフレを抑制するため、12月の金融政策決定会合 でほかのメンバーに利上げ賛同を促す考えを明らかにしたことが買いを 誘った。ランドはドルに対して1.3%高の1ドル=6.5950ランド。

日本の政策金利は0.5%と先進国中で最も低い。ブラジルは11.25%、 南アは10.5%、オーストラリアは6.75%、ニュージーランドは8.25%。

キャリー取引

1カ月物ドル・円オプションのインプライドボラティリティ(IV、 予想変動率)は12.33%と、前日の14.35%から低下した。IVの低下は 円キャリー取引が活発化することを示唆している。

ベアー・スターンズのサミュエル・モリナロ最高財務責任者(CF O)は14日、9-11月(第4四半期)に計上する評価損を12億ドル (約1340億円)に限定したと明らかにした。評価損の総額は一部のアナ リスト予想より小さかった。

欧州連合(EU)統計局(ユーロスタット)が発表した2007年7- 9月(第3四半期)のユーロ圏の実質域内総生産(GDP)速報値(季 節調整済み)は前期比で0.7%増と、予想を上回る伸びとなった。企業 投資の回復が寄与した。これを材料にユーロ買いが入った。

GDP統計を受け、欧州中央銀行(ECB)の利上げ観測が強まっ た。EURIBOR(欧州銀行間出し手金利)先物12月限は4.53%と、 9日の4.50%から上昇した。

デイリーFXドットコムのシニア通貨ストラテジスト、ボリス・シ ュロスバーグ氏(ニューヨーク在勤)は「ユーロ圏は利上げを実施する 余地がある。一方、米連邦公開市場委員会(FOMC)は利下げを続け るとみられており、ドルには強い売り圧力がかかっている」と述べた。

バンク・オブ・アメリカ

バンク・オブ・アメリカは13日、ドルの見通しを下方修正した。サ ブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン関連証券の損失と米国 の景気減速を背景にドル建て資産への需要が弱まるとの見方が理由。年 末には対ユーロで1.48ドルまで下落すると予想した。以前の予想は

1.44ドルだった。対ポンドでは1ポンド=2.11ドルと、従来の同2.05 ドルから引き下げた。対円では1ドル=108円と、同112円から下方修 正した。

米商務省が14日に発表した10月の小売売上高 (速報、季節調整済 み)は前月比0.2%増と、9月の0.7%増(速報値0.6%増)から伸びが 鈍化した。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の中 央値は0.1%増だった。

フェデラルファンド(FF)金利先物相場が示す12月の追加利下げ の確率は72%となっている。小売売上高発表前は74%だった。

中国外国為替取引では人民元がドルに対し前日比0.2%高の1ドル =7.4253元。10月の中国の小売売上高が過去8年余りで最も高い伸びと なったことを受け、元買いが優勢になった。

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