野田自民税調顧問:証券優遇税制廃止なら日本経済に大きなマイナス

自民党税制調査会顧問の野田毅元自治相は ブルームバーグ・ニュースのインタビューで、株式の譲渡益と配当金にかかる 税率を本則の20%から10%に軽減している証券優遇税制は期限を迎える2008 年度以降も延長する必要があるとの認識を明らかにした。証券市場が不安定化 している中で、廃止に踏み切れば日本経済への「大きなマイナスを心配してい る」と懸念も示した。インタビューは13日、衆院議員会館で行った。

野田氏は現在の証券市場を取り巻く状況に関し、「サブプライム(信用力の 低い個人向け)住宅ローン問題とかいろんなことがあり、微妙な時期だ。世界 経済の動き、日本の方にどういう影響があるのか、非常に神経を使うタイミン グだ」と指摘。さらに、東京市場の国際的な位置付けについて「どんどん地盤 沈下している。証券優遇税制を廃止してどんなメリットがあるのか」とも述べ た。

具体的な延長幅については1年間ではなく幅を持たせたものにすべきかと の質問に対しては、「個人的にはそう思う」と述べ、複数年とするのが望ましい との見解も明らかにした。

証券優遇税制は株式の譲渡益や配当にかかる税率を本来の20%から10%に 軽減する特例措置。政府が06年末に決めた07年度の税制改正で1年間延長さ れた。譲渡益に対する特例は08年12月31日まで、配当にかかる特例は09年 3月31日までとなっている。

地方消費税、法人2税はセットで改革を

野田氏は自民党地域活性化特命委員会の委員長も務めている。インタビュ ーでは、地方自治体間の財政力格差是正に向けて法人2税(事業税、住民税) の改革と地方消費税の拡充を同時に実施すべきだとの考えも明らかにし、2008 年度税制改正での実現を目指す考えを強調した。主なやり取りは以下の通り。

地方税財政改革の必要性:

「地方団体間の財政力の格差は放置できない状況になっている。疲弊して いる地方財政の一般財源をどう補強するかも特命委員会の1つのテーマ。地方 税財政の再構築、抜本改革の第一歩という位置付けの中で税の偏在是正をやり たい」

「地方財政は基本的には景気変動と関係ない仕事が多い。できれば景気変 動に左右されない税収構造ができれば一番いい。消費税を充実して景気変動の 影響のない形の税収のウエートを高めるような抜本改革をしないといけない」

法人2税の地方共同税化について:

「国税にするのではなくて、地方自治体全体の共通の税源という形にする ことはできないか。都道府県の取り分と市町村の取り分の比率をどうするのか などを含めて長期スケジュールを作らないといけない。今年は第一歩だ」

地方消費税の拡充について:

「地方税というのは自治体間によってものすごい大きな凸凹がある。それ が今の姿だ。地方消費税というのは非常に凸凹の少ない税だ。その割合をもう 少し高める、ということは東京都にとっても大事なことではないか」

「東京も景気がいいばかりではない。偏りのある税収に依存するよりは、 本当は安定した税収が得られる税を基本にするというのが地方にとっても東京 にとっても大事なことではないか」

法人2税の改革と地方消費税拡充の実現は同時か:

「同時でなければできない。(総務省などが提唱している)消費税からの交 付税算入をやめて地方消費税に切り替えるということは、東京都の消費税収は 倍に増えること。一方、交付税に回っていた部分がなくなるということは、も らっていた自治体はその分だけ落ち込む。セットにするしかない」

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